Linkslover

I want to be a window through which Japanese golfers can see what’s happening outside. TPI G2/P2.

ゴルフ関係の本の書評というかメモというか。

〈できるようになる〉を求めて

伊藤亜紗『体はゆく:できるを科学する〈テクノロジー×身体〉』 ykkactuarial.hatenablog.jp を読んで改めて思ったのは,自分はゴルフを通じて〈できるようになる〉を探求しているんだろうな,ということ。で,その裏にはゴルフの残酷さ--〈できる〉〈でき…

LIVという怪物ができるまで|シプナック『LIV and Let Die』

アラン・シプナックの『LIV and Let Die』を読み終えた。 LIV and Let Die: The Inside Story of the War Between the PGA Tour and LIV Golf (English Edition)作者:Shipnuck, AlanAvid Reader Press / Simon & SchusterAmazon ykkactuarial.hatenablog.jp …

筋トレ初心者のつぶやき

Physical strength は人生でいちばん大事だねと 君が言ったから8月26日は 筋トレ記念日 pic.twitter.com/dbxXANQBXj— LINKSLOVER⛳️ - TPI G2/P2 (@Linkslover103) August 26, 2023 俵マッチョ。 ちょうど1年前ですね。この本に出会ったのは。長らく下書きま…

運動学習の原理原則をゴルフに応用したい

TPI Golf Level 2のテキストの中で,「運動を教える人は読んでおいた方がいい」とかいって紹介されていたこの本。 ykkactuarial.hatenablog.jp ネタの宝庫というか,Food for Thought でお腹がいっぱいになるというか,直接的間接的にゴルフの練習につかえる…

噂の『Phil』を読んだ

噂のこの本を読みました。 Phil: The Rip-Roaring (and Unauthorized!) Biography of Golf's Most Colorful Superstar (English Edition)作者:Shipnuck, AlanAvid Reader Press / Simon & SchusterAmazon 著者はアラン・シプナック。マキロイに「ただのゴシ…

孤独のゴルフ|マグレガーカントリークラブ

ちょっと時間が空いたのでひとりゴルフに行ってみた。〈一人予約〉で寄せ集めのラウンドじゃなくて,本当にひとりでまわるやつ。千葉のマグレガーカントリークラブがこれやってるんだけど,「マグレガーってもしかしてこれ?」 「いやいや,まさか」と思って…

自分に必要だったのは〈オカマちゃん〉の脚

『風の大地』ってすっかり読まなくなったものの,折に触れてシーンを思い浮かべることがあります。練習していて自分なりの〈感覚〉を見つけて,「いやまてよ,これって『風の大地』のあれ」だなって感じで。 最近は,これ。 日光での研修会に出場した沖田。…

ゴルフコース設計関連本2冊|トム・ドークと川田太三

最近久しぶりにゴルフコース設計関連の本を2冊読んで,ドークの圧勝。 ykkactuarial.hatenablog.jp ykkactuarial.hatenablog.jp 川田の本は,すべての要素が〈控えめ〉。内容の深さも,コースのカバレッジも,構成も。表紙にある「スコアだけじゃなく,コー…

セオドア・P・ジョーゲンセン『ゴルフを科学する』丸善

ゴルフを科学する (丸善ブックス (051))作者:セオドア・P・ジョーゲンセン丸善Amazon この本のネガティブな側面については以下の記事で吐き出したので, ykkactuarial.hatenablog.jp こっちでは,ゴルファー的にみて興味深いと思えたところを拾っていきたい…

『Nike: Better is Temporary』にゴルフの話は一切出てこない

今年のアタマぐらいだったかな,『Nike: Better is Temporary』っていう本を買ってたんですよ。 Nike: Better is Temporary作者:Grawe, SamPhaidon PressAmazon Sam Grawe『Nike: Better is Temporary』Phaidon - Dribs and Drabs ひとことで言えば「Nikeの…

〈勝利〉の追求とナイキゴルフ撤退の必然性

久しぶりにフィル・ナイトの『SHOE DOG』を読んだんだけど, フィル・ナイト『SHOE DOGS:靴にすべてを。』東洋経済新報社 - Dribs and Drabs 改めて感じたのは,ナイトはとことん〈勝利〉を追求してきたということで(ビジネスにしろオニツカとの裁判にしろ…

本條強『マスターズ:ゴルフ「夢の祭典」に人はなぜ感動するのか』ちくま新書

なんとか開幕前に読み終えた. マスターズ ――ゴルフ「夢の祭典」に人はなぜ感動するのか (ちくま新書)作者:本條強発売日: 2021/03/19メディア: Kindle版 著者は『書斎のゴルフ』の元編集長. 一人のアマチュアの夢が、なぜ4大メジャー大会の一つとなり、全ゴ…

つまみ食いでもお腹いっぱい|『パワーズ運動生理学:体力と競技力向上のための理論と応用』メディカル・サイエンス・インターナショナル

パワーズ運動生理学 体力と競技力向上のための理論と応用発売日: 2020/09/01メディア: 単行本 例の豪華客船のコロナの件で一躍名を知られるようになった岩田先生。彼のブログでこの本の存在を知った。 パワーズ運動生理学。やはり教科書は大事 - 楽園はこち…

C・デイビース, V・ディサイア『ゴルフ解剖学』ベースボール・マガジン社

ゴルフ解剖学 (スポーツ解剖学シリーズ)作者:クレイグ・デイビース,ヴィンス・ディサイア発売日: 2012/12/20メディア: 単行本 昔これの原書を持っていたことがあったけど,改めてこの翻訳版を手にしてみた。 原書に比べて翻訳版の方が判型が小さい とはいえ…

大塚和徳『コースが語る世界のゴルフ史』日本経済新聞出版

この本の存在は長らく知ってて,本来であれば自分みたいな人間はさっさと読まなきゃいけなかった内容なんだけど,ずっと先延ばしにしてた……。 だって表紙がベタすぎるから。 コースが語る世界のゴルフ史作者:大塚 和徳発売日: 2015/06/18メディア: 単行本 コ…

『The Confidential Guide to Golf Courses Vol.5 - Asia, Australia and New Zealand』を読むと切ない気持ちになる

イントロ もともとこの記事はいまから数年前,『The Confidential Guide to Golf Courses Vol.5』が手元に届いたときに書きはじめたのですが,途中でやる気をなくして下書きのままほったらかしにしていました。しかし先日,箱根カントリー倶楽部でラウンドし…

浜田節夫, 小山田良治, 木寺英史, 小田伸午『ゴルファーなら知っておきたい「からだ」のこと』大修館書店

自炊したときのPDFが手元に残っていたので,再読してみまた。 が,評価が難しい……。「人間の体はこういう構造でこういう癖があるから,こういう意識で動いた方がいいよ」というのは真実だろうけど,「そもそもこの本の中で目指そうとしているスイングが最適…

Nick Bradley『7 Laws of the Golf Swing: Visualizing the Perfect Swing to Maximize Your Game』

著者のニック・ブラッドリー*1はジャスティン・ローズを指導したこともあって,この本のForewardもローズが書いているし,この本はベストセラーになったらしい。 「ゴルフスイングにおける感覚を印象的なビジュアルで表現する」という試みは面白いけど,その…

Dave Pelz『Dave Pelz's Putting Bible』

Dave Pelz's Putting Bible (Dave Pelz Scoring Game)作者:Pelz, DaveAurum Press LtdAmazon Putting Overview Chapter 1 / What Is Putting? フルスイングゲームとパッティングとは別物。 ペルツの考えるパッティングの名手は,ジョージ・アーチャー,ベン…

松本協『ゴルフの力学:スイングは「クラブが主」「カラダは従」』三栄書房

「ゴルフスイング物理学」を念頭に置いたかのような書名ですが,それはさておき。 もちろん重箱の隅をつつくような指摘はできるけど,新書という限定されたフォーマットの中で,ジェイコブス3Dのエッセンスを伝えるのには成功していると思う。いちおう僕自身…

小峯龍男『ゼロからわかる材料力学』技術評論社

シャフトとスパインの記事をちゃんと翻訳したくて手にしたのがこの本だったけど,ちゃんと訳せた自信がない……。 ゼロからわかる材料力学 (わかる基礎入門)作者:小峯 龍男発売日: 2016/04/13メディア: 単行本(ソフトカバー) この本自体は初学者にはいいもの…

Dave Pelz『Dave Pelz's Short Game Bible: Master the Finesse Swing and Lower Your Score』

とにかくショートゲームは4本のウェッジで3種類の打ち方。非常にメカニカルなアプローチ。そういう練習環境(とかその他もろもろ)欲しいわ。 Dave Pelz's Short Game Bible: Master the Finesse Swing and Lower Your Score (Dave Pelz Scoring Game)作者:P…

吉田洋一郎『フォース理論で飛ばす!』日本文芸社

Kindle Unlimitedのせいだ…。読んでしまったからには記録を残さずにはいられない。 フォース理論で飛ばす!作者:吉田洋一郎発売日: 2019/01/29メディア: 単行本 前置き長い。「日本のレッスンはぁ」とか「これまでの指導はぁ」とか,もう食傷。気味じゃなく…

Michael Jacobs『Science of the Golf Swing』

とりあえず読みながら要点(ともいえないけど)を以下に列挙しました。流行りのシャローアウトを暗にdisってるのはよく分かった。 しかし一方で,このアルファ・ベータ・ガンマの座標系にこだわりすぎている気がしなくもなくて,例えばグリップの仕方とか,P…

Michael Jacobs, Shaun Webb『Swing Tips You Should Forget』

Jacobs 3D のマイク・ジェイコブズ。共著の Shaun Webb って Athletic Motion Golf に出てくる小さい方の人だな。編著の Matthew Rudy は Golf Digest のシニアインストラクションライター。Jacobs 3D の中では「ジャーナリスト」という肩書で,ジェイコブズ…

Michael Jacobs『Elements of the Swing: Fundamental Edition』

マイク・ジェイコブズの『Science of the Golf Swing』を買ったはいいが,前著――つまりこの本――を読んでいることが前提っぽい記述があったので,仕方なく読んでみた。 [asin:B01LW7LGCG:detail] Introduction: The Elements of the Swing ベストプレーヤーた…

大塚友広『ゴルフはインパクトの前後30センチ!』東邦出版

ゴルフはインパクトの前後30センチ!作者:大塚 友広発売日: 2017/05/08メディア: 単行本(ソフトカバー) ゴルフ,というか,ゴルフにおけるショットでいちばん大事なのはインパクトだし,その前後の動きに注力すべし,という著者の主張はもっともなんだが,…

Alastair Cochran, John Stobbs『Search for the Perfect Swing』

Search for the Perfect Swing: The Proven Scientific Approach to Fundamentally Improving Your Game作者:Cochran, A. J.,Stobbs, John,Golf Society of Great BritainTriumph BooksAmazon この本については大庭さんの紹介へのリンクを張ることで事足りる…

『72ヴィジョンGOLF』シリーズまとめ

「パープレーの夢を叶える」というタグラインのもと,スイングからフィジカルからラウンド技術からと,パープレーに必要であろう要素を体系的に解説しようとした,とても意欲的なシリーズ本。それが,『72ヴィジョンGOLF』(ベースボール・マガジン社)です…

後藤修『奇跡の300ヤード打法 爆飛びゴルフ』小学館文庫

大庭可南太さんのブログで「TGM(注:The Golfing Machine)のスインガーを目指す人に取ってこれ以上実践的な日本語の文献は存在しないと思われます。」と書かれていたので*1買って読んでみたのですが,その意味されるところがまったく分かりませんでした。T…