マイク・ジェイコブズの『Science of the Golf Swing』を買ったはいいが,前著――つまりこの本――を読んでいることが前提っぽい記述があったので,仕方なく読んでみた。
Introduction: The Elements of the Swing
- ベストプレーヤーたちがどうクラブを動かしているのではなくて,なぜ特定の動きのコンビネーションが他のよりよく機能するかを知りたかった。
- 「理論」は「事実」であるべきだ。
- クルマがどれだけ速く走れるか,どれだけ加速できるかを知っても,どうしてクルマが走れるかを教えてくれはしない。フードの下のエンジンについては何も明かさない。
- キネティクスはフォース,つまりは動きを生み出すものの研究。
- GEARSはゴルフスイングのCTスキャン。
- 伝統的なティーチング,あるいはバイオメカニクスの研究でさえも,長いあいだこう言ってきた。スイングの遠心力がそれ自身でインパクトにかけてクラブを伸長させると。あるいは,切り返しでのクラブの動きを考えてみよう。一流プレーヤーたちはトップからすぐにクラブヘッドを投げるのか? あるいは「ホールド」してラグを「作り」はじめるのか? これらの疑問,あるいはそれ以上のものに答えるだけの,定量的なデータがある。
- ティーチングにおける「共通言語」を作りたいという狙いもある。
Chapter 1. Forces and Torques
- (カーレースの人たちが使う)「フォースとトルク」は,ハイパフォーマンスの世界ではものすごく重要。
- 「フォース」は「押したり引いたりしてそれを動かすもの」,「トルク」は「回して物体を回転させるもの」
- フォース=質量✕加速度
- トルク=慣性✕角加速度
- やってること=感じるもの✕見えるもの
- 8台のカメラがゴルファーの体とクラブとにある34のマーカーを360fpmで撮影する。
- 「ハブ」とは,ゴルファーがクラブを握るポイントの中心を指す。ゴルファーの動きはすべて,このハブにおいてクラブに対するフォースやトルクとして作用する。
ガンマのトルク
Chapter 2. The Hub Path
- 偉大なプレーヤーと普通のプレーヤーとを分つのはハブパス。
- スイング効率を最大化するに必要なのは,ハブが何をしてるかを知り,そのハブをどうやって作るかを理解するとこ。
- 体の動きを変えようとして,それがハブの動きに繋がってないなら,やってることはただの無駄。
- 各プレーヤーのハブは,指紋のようにそれぞれ異なる。
- ハブは完全な円ではなく,その半径はスイング中に変化する。どう変化するかが,いいプレーヤーとそれ以外とを分つもの。
- ハブが円形だという仮定が,ゴルフのメカニクスについてさまざまな誤解を生み出した。例えば,ラグ(タメ)についてとか。
- GEARSがなくてもスマホでface-onで撮影すれば,それっぽいのを見ることは可能。ただしカメラの位置が大事。
- Jacobs 3D ではスイング中のどのポイントで動作を変えれば効果が大きいか,あるいは意味がないかを教えてくれる。「タイミングがすべて」とは古い英語の言い回しだが,現代のゴルフインストラクションでは,多くの人が認識している以上にそれは真実だ。
Chapter 3. Work and Power
- フィジカルは人それぞれに違うので,「完璧な」スイングは存在しない。
Chapter 4. Relative Swing Plane
- 「スイングプレーン」は簡単なもんじゃない,というか,平たく言えば勘違いのもと。
- ハブパスのプレーンとクラブヘッドのプレーンとの関係性が「レラティブ(相対的)スイングプレーン」。
- ハブパスの形状はプレーヤーのスキルの非常にいい指標で,レラティブスイングプレーンはその拡張。
- インパクトはもちろん重要だが,でもレラティブスイングプレーンの理解なく,またダウンスイング前半で適切な動きをしていないと,安定したインパクトをするのは難しくなる。
- ハブパスとクラブヘッドパス。前半はクラブヘッドパスがよりフラット,途中で近づくが,そのあとまた別の動きをする。
- ターゲットから見たハブパスとクラブヘッドパス。
- 典型的なアウトサイドインなスライサーの動き。
Chapter 5. A Look Inside Three Different Golf Swings
- ゴルフスイングを修正するのは,干し草の山から針を見つけるようなもの。しかしテクノロジーのおかげで,それもだいぶ効率的になった。
- ハンドファーストをつくるのは,インパクトでグリップをターゲット方向に押す動きではなく,自分の方に引き寄せる動き。