Linkslover

I want to be a window through which Japanese golfers can see what’s happening outside. TPI G2/P2.

ゴルフスイングの3本柱|氾濫するインストラクション動画を見定めるポイント

インスタのReelとかYouTubeとか,ゴルフスイングのインストラクションっぽい動画って氾濫してるけど,あれに引きづられてなんでもかんでも試そうとすると,露頭に迷うだけだと思うんですよね。僕みたいに何でも斜に構えて疑いの目を向けるような人じゃないと。

中には有用なのもあるまさに玉石混交状態なんですが,それを見定めるポイントとして僕が大事だと思うのは,「それは〈ゴルフスイングの3本柱〉のどれを改善しようとするものなのか?」ということ

当然といえば当然の話なんですが

インパクト後のゴルフボールの弾道は,インパクト時のクラブヘッドの状態――運動のベクトルとクラブフェースの向き――で決まる。だから,ゴルフスイングもそれに紐付けて考える必要がある。

という前提に立って考えると,ゴルフスイングには3つの柱があるだろうと。大げさに言えば〈ゴルフスイングにおける3つの次元〉ということになるのかもしれないけれど,つまり,

  1. スイングスピード(クラブヘッドスピード)
  2. クラブパス(上下と左右のクラブヘッドの軌道)
  3. クラブフェース管理

ですね。当然ですけど。

「オランダ人に”芸術のための芸術”という考えは存在しない」「オランダ人にとって,アートはつねに目的を持っている必要がある」という話があるけれど*1,似たような感じで,「インストラクションのためのインストラクションという考えは存在しない」「すべてのインストラクションやスイング哲学はつねに目的を持っている必要がある」,もっといえば,「すべてのインストラクションやスイング哲学は,つねに〈ゴルフスイングの3本柱〉のどれかを改善する必要がある」って言えるんじゃないかと。

Jacobsは「ハブパスに影響を与えないカラダの動きは意味がない」的なことを言ったけど*2,もうちょっと言えば,「じゃあハブパスが変わったらクラブヘッドの状態の何がどう変わるの?」というのを,上記の3つの視点から考えるべきなんじゃないかと思うんですよね。

たとえば

クラブパスであえて〈上下と左右〉と書いたのはわけがあって,〈左右〉の方は分かりやすいですよね。〈アウトサイドイン〉とか〈インサイドアウト〉とかは馴染みのある概念で,さらにそれに対するクラブフェースの角度(face-to-path)によって,出球の方向と曲がる方向が決まってくるというのは,〈D-plane理論〉の教える通り。「右を向いたまま打て」っていうインストラクションは,アウトサイドインな軌道をスクエアないしインサイドアウトなものにしたいからだと言える。

それに対して〈上下〉は〈最下点(のコントロール)〉と同義だと捉えていただいていいと思う。たとえば「ドライバーショットのセットアップでは上半身をティルトしてボールの位置は左足寄り」っていうのは「インパクトの前に最下点を持ってくる」ためだし,「バックスイングの途中でに左側にウェイトシフトを始める」っていうのも,最下点コントロールと繋げて考えられる。いずれにしろ,上下のクラブパスの管理ができていないと,ダフりとトップが出る。

クラブフェース管理は,上記のように左右のクラブパスとの関連で考えるべきだけれど,間違いなく言えるのは,ROC(Rate of Closure)は小さいに越したことはない(再現性の観点からいえば)。たとえば以前流行った「ゴルフクラブは〈右回り〉」ってやつ,あれ本当にやっちゃうと,インパクト付近でクラブフェースが急激にかえっちゃう,ROCのでかいスイングになっちゃうだけなんじゃないの?(と同時に,本当に右回りさせちゃうと,クラブがアンダーから入ってダフるだけだと思うんだけど)

PRGRのサイエンスフィット *3 でも「左腕の旋回は早く」ってよく出てくるけれど,それもこのクラブフェース管理との兼ね合いですよね。

最後にスイングスピード。これはまぁ〈あるに越したことはない〉って感じなんだけど,これもブレイクダウンすると,

  1. 道具からのアプローチ
  2. メカニクスからのアプローチ
  3. フィジカルからのアプローチ

っていう3本柱があって,これはこれで稿を改めまたいところ。

まとめ

話がうまくまとまっていないのは重々承知しているんですが,いやマジでいろんな人がいろんな場所でいろんなことを言ってて,それらを見るたび「SFW?」って思ってますと。