「技術の問題をメンタルの問題かのように扱うのって生産的じゃないのでは?」ということを一般的に言いたいのだけど,ここでは具体例として〈素振りと本番のスイングとの違い〉を取り上げます。
これ,ゴルフやってたら誰しも経験あることで,つまり「なんで素振りだと〇〇できるのに,本番になるとできなくなるのか」ってやつ。その〈〇〇〉には〈ハンドファースト〉とか〈ウェイトシフト〉とかいろいろ入ると思うんどけど。
で,〈超私的な考察〉でおなじみの方(以下,MK)は,こんなことをおっしゃってる。
超私的な考察 なぜアマチュアの多くは、素振りと本番でスイングがガラッと変わってしまうのか!? | マーク金井ブログ
本番のスイングがガラッと変わる理由を思いつくまま上げてみると、、、
* 空振りする不安がある
* チョロする怖さがある
* ちゃんと当てたくなる欲がある
* ボールを遠くに飛ばしたい願望がある
不安と恐怖、そして欲と願望が入り乱れた心持ちがあるから、ボールを前にすると素振りとは別人になるのではないかと超私的に思っています。
これ,違和感しかない。
その違和感の理由を端的に言えば,上記の通り「技術の問題をメンタルで片付けるな」ってことだけど,大きく疑問に思うのは,いちいちそんな〈不安〉だの〈怖さ〉だの〈欲〉だの〈願望〉だのをーー意識的にしろ無意識的にしろーーほんとに感じながら打ってるか?っていうこと。
仮にそうだとして,じゃあどうしたらいいの? 瞑想するとか滝に打たれるとかして煩悩を消せばいいの? MKは「ゴルフボールじゃないものを使って練習しろ」とか言ってるけど,それならゴルフボールに戻したときに症状が戻っちゃうんじゃない?
僕が思うにーーようやく本題に入るーー素振りと本番のスイングとが違う根本的な原因は,「素振りのときにボールの位置とかインパクトポイントを意識してないから」。
以下の例はたまたまネットで拾ったやつだけど,象徴的だと思う。
これは極端な例で,まさに野球のバッティングのように素振りをしている。ここまで極端だと本番のスイングとの違いが明らかに分かるけど,多くの人が普通に素振りするときも,これに近いことが起こっていると思う。たとえば,正面向いて左右対称に連続素振りしてたら,それはかなり左でリリースしてることになるとかね。
つまり素振りでは,あるべきインパクトポイントより遥かに左でリリースしてる,あるいは遥かに左でクラブヘッドスピードが最速になっている。でも実際に球を打とうとすると,脳は無意識のうちに運動を調整するので,いろいろとエラーが起こる。チキンウイングとか,アーリーリリースとか,その他もろもろ。
具体的な対策としてはもちろん「球の位置を意識して素振りしろ」って話なんだけど,もっと言えばいわゆる〈右を向いて打つ〉って感覚になると思うんですよね。そうすればいい感じにリリースができて,インパクトあたりででヘッドスピードが最速になる。
まぁバックスイングでちゃんとショルダーターンができてるかとか〈それ以前〉の問題は大いにあるにしろ,少なくとも〈欲〉とか〈不安〉とかいうワードを並べて解釈した気分になるよりは,現実的じゃないすかね?