Linkslover

世界中のどんなコースに行ってもサマになる。そんなゴルフを僕はしたい。

Michael Jacobs『Science of the Golf Swing』

とりあえず読みながら要点(ともいえないけど)を以下に列挙しました。流行りのシャローアウトを暗にdisってるのはよく分かった。

しかし一方で,このアルファ・ベータ・ガンマの座標系にこだわりすぎている気がしなくもなくて,例えばグリップの仕方とか,P2でのポジションとか,座標系ありき(つまりはこの座標系で記述・理解しやすいかたち)で理想的なかたちを謳っている気がしなくもなく……座標系なんて任意に描けるから,そこは違和感ある。

あと,全体的には「このフレームワークでいかに効率的なスイングが分析できるか」って話だと思うし,そこでの「効率的」っていうのは「スイングスピード」って話になると思うんだけど,一方でスイングにはインパクトの再現性って話もあって,極端なこと言えば「スイングスピードを最大化してもインパクトの再現性が損なわれたらそれでいいのか?」って話もあり,そこには触れられていない(とはいえ,効率的なスイングはすなわち再現性の高いスイングだ,っていうのは,全体的には言えるんだろうけど)。

あとあと,そもそも分からないのは,このフォースとトルクの話で,重力加速度ってどういうふうに組み込まれているのかという点。つまり,何も運動してなくてもクラブには重力がかかるので,クラブをもっていたら自然にフォースをかけているってことになるけど,そこはどうなんだろうな。あくまでの差分なのか? 加速度から算出されるものをフォースって言ってるだけなのか?

時間(とカネ)をかけて,そんへんをちゃんと理解したい気がしなくもないが……。

Science of the Golf Swing

Science of the Golf Swing

  • 作者:Jacobs, Michael
  • 発売日: 2019/02/25
  • メディア: ペーパーバック

Introduction

  • これで "search for the perfect swing" は終わりになるぜ。

Chapter One: Kinematic and Kinematic Classroom

  • スイングを記述するための座標系(Universe Frame)。
    • Face-onがX軸,Down-the-lineがY軸,AboveがZ軸。
  • 質量と重心(正確には「質量中心」)。
  • ゴルフクラブの重心にかかる3つのフォース,アルファ・ベータ・ガンマ。
    • 要するに,絶対的な座標系としてのXYZと,クラブの重心を原点とした相対的な座標系としてのαβγ(だが,後者はインパクト時を基準にする)。
    • 飛行機でいえば,アルファ軸の回転がヨー,ベータ軸の回転がピッチ,ガンマ軸の回転がロール(知らんがな)。
  • F=maだから,クラブをどう加速させるかは,クラブにどういう力をかけるか(どのタイミングで)に懸かる。それを3つの次元ごとに分解して考える。
  • クラブの重心を握っていれば掛けた力に対してクラブはリニアに反応するけど,グリップと重心とは離れているので,それ以上の反応が生まれる,つまりクラブは重心を軸として回転する。
  • 3つのフォースと3つのトルク(クラブの自由度は6)。
  • トルク=慣性×角加速度。
  • トルクは計測地点に依存する。
  • グリップをピボットとして,アルファ/ベータ/ガンマの慣性モーメントを定義し,今後これを「静的慣性(static inertia; i-static)」と呼ぶ。
  • スイング中のクラブのローテーションを分析するとき,その回転軸を見つけるのは非常に重要。実際,その回転軸はクラブ上にない場合もある。
  • グリップ上のアルファフォースはベータローテーションに変換され,ベータフォースはアルファローテーションに変更される。ベータフォースは角度応答をほとんど引き起こさない。
  • フォース×重心からの距離=角度応答。
  • 次世代の Jacobs 3D ソフトウェアは「Alpha Man」が登場。クラブに与えているフォースとトルクに対する,体の各セグメントの貢献度が見れる。
  • ゴルファーがクラブに与えるトルクと,フォースを与えた結果起こる角度応答とは別物。
  • アルファクロック。要するにFace-onで見たときに,固定されたアルファアングルに対してゴルファーがどれだけクラブを回転させているかを見るもの。インパクト時が0度,バックスイングがマイナスの角度になる。

Chapter Two: The Hub Path

  • 個々のスイングの特徴はハブパスの違いに現れる。
  • 『Search for the Perfect Swing』を始めとする過去の研究はいずれも「単純化」をしてた。つまりハンドパスは円形に近く,円形でモデル化できるということ。
  • Nesbit博士のプレゼンがすべてを変えた。
  • 基本的に,ハブパスの半径の変化こそが,スイングである。
  • ハブパス座標系は以下の3つの要素に分解できる:
    • Tangential(接線):ハブパスに沿い,それを加速させるフォース
    • Normal(主法線):ハブパスに直行し,その方向を変えるフォース
    • Bi-normal(従法線):プレーンの内外に働くフォース
  • ハブパスに沿うフォースは,クラブにかかるアルファ・ベータ・ガンマフォースとは一致しない。
  • ゴルフクラブにかかる真のキネティックを見るときはアルファ・ベータ・ガンマ座標系を使い,ハブフォースとその動きの変化を見るためには,この上記の座標系を使う。
  • ハブパスの曲率中心の動きを見れば,ゴルファーがクラブとどうインタラクトしているかが見える。
    • いかにその中心が三次元の中で動いているか,特にターゲット方向に
    • どこでそのトレースが広くなり,また小さくなっているか
    • いかに個々のプレーヤーで異なっているか
  • 例えば,多くの悪いスイングには,ハブカーブがダウンスイング終盤で広がる傾向がある。これは通常,プレーヤーがラグを作りすぎようとしているか,スピードの出し方の誤解かに起因する。
  • ゴルファーはクラブヘッドスピードをあげようとして筋トレしたりするけど,それよりはハブパスの動きを最適化する方が,スピードが得られる。
  • 基本的に,ハブパスの半径は切り返し直後で伸びて,そのあとインパクトまで縮まり続ける(べき)。

Chapter Three: Resistance

  • スイングキネティクスの研究が面白いのは,それが目で見えるものの表面化にあるものを明らかにするから。
  • フォースとトルクはゴルファーがインプットし経験するもの。目にする動きはその結果。
  • そして「抵抗」の存在も無視できない。
  • この章では,クラブに対してしたいこと(そしてしていると思っていること)の実現を妨げている,隠れたブロックについて学んでいく。
  • クラブヘッドに慣性モーメントがあるように,クラブ全体にも慣性モーメントがある。
  • 質量慣性モーメントは観測点に依存する:I_p = I_g + md2(観測点での慣性モーメント=重心での慣性モーメント+質量×〔観測点と重心との距離〕2
    • 重心から離れるほど,かけたトルクに対する角度応答は指数関数的に減る(指数関数的か?)
  • 一流のプレーヤーたちはダウンスイングの早い段階でラグを作る。ダウンスイングの早い段階で,重心にとても近いところでクラブを回転させるような動きをしている。
  • つまり,
    • システム全体の回転抵抗を低め,プレーヤーがボディのターンをしやすくなる。フィギュアスケーターが速いスピンをするときに腕を閉じるのと同じ理屈。
    • クラブヘッドスピードに対するエネルギーの伝達がより効率的で効果的になる地点にクラブが外向きに動くのを遅れさせられる。
  • あるプロのスイングを見ると,ダウンスイングの最初ではクラブがその重心の周りを回っているのが分かる。クラブの重心は非常にフラットに動き,クラブヘッド重心との距離もまあまあ一定。これが,クラブが外に動くのを遅らせて回転抵抗を低めている(ラグ)。インパクト近くになるとハブパスの曲率半径は縮まり,逆にクラブのは伸びる。これが効率的なスイングの秘密。
  • 「ラグを保て」という古い言い伝えは有効か? ラグの定義と,それをどう作るかによる。
    • ラグにはふたつのレイヤーがあると思う。伝統的なダウンスイング初期のラグは,アルファフォースとベータトルクのキネティクスからくる。ラグふたつめのレイヤーは,ベータフォースとアルファトルクから。
  • ハブパスの曲率半径(徐々に短くなる)とクラブの曲率半径(徐々に長くなる)は,インパクト前0.035秒のところで交差する。つまりゴルファーはエネルギーをボディーからクラブに徐々に移しているわけだが,このことだけからも,多くの情報を推論できる。
  • 回転抵抗比率(Rotational Resistance Ratio):
    • ゼロ=質量重心における慣性
    • 0.1 - 0.9=I_pがグリップポイントより小さいが質量中心より大きい
    • 1.0=グリップポイントでの慣性
    • 1超=I_pがグリップポイントより大きい
  • I Static vs. I Dynamic
    • I static = 第1章で定義された,グリップポイントでのI_p
    • 瞬間瞬間のI_p
  • G-forceは,重さを感じる原因となる加速の種類の計測。
  • クラブは加速させなくちゃいけないけど,みんなその重心をターゲット方向に向けて加速させることしか考えない。クラブは曲線のパス上を動くし,その曲率中心に向かった強い加速もあって,それがクラブの運動の方向を変える,それはしばし見過ごされる。その加速が増えれば,曲率半径を変えるのは難しくなる。
  • 向心加速度(centripetal acceleration)= V2/R

Chapter Four: The Lesson Tee

この本で検証したコンセプトを用いて,13のレッスンを行なう。

  1. グリップアライメント。アルファ・ベータ・ガンマのユーザーフレームにグリップを合わせるのが理に適う。

  2. グリッププレースメント。上の手(左手)はベータローテーションインプットで大きな役割を担う。親指はポジティブベータトルクの根源で,それがバックスイング後半におこるネガティブアルファフォースを相殺する。自分の生徒には,左手親指を指紋を取るのようにできるだけ大きくしろと言ってる。

  3. 体のセグメント。ゴルフスイング中に生まれるエネルギーの74-83%は,体のセグメントを動かすことから生まれる。体の動きは「絶対的」と「相対的」に区別するべき。

  4. 背骨。背骨は体のいろんなパーツの働きによって,ニュートラルポジションにある。ゴルフスイング中も,背骨がニュートラルポジションに近いほど,怪我が少なく,力のロスも少ないはず。

  5. セグメント1。骨盤から胸郭までのところ。

  6. バックスイングの青写真。バックスイングの初期で十分なポジティブアルファフォースをかけないのは,よくあるスイングのミス。「オーバー・ザ・トップ」になる一番の原因も,アルファフォースに関する理解の欠如だと思う。肩関節はアルファ・ベータ・ガンマローテーションにうまく沿っていないので,これがゴルフスイングをさらに難しくしている原因。だいたいはバックスイングでインサイドに引きすぎちゃったりクラブフェースを開いちゃったり,つまりはベータフォースとアルファトルクがかかっちゃてて(平たく言えば「クラブに対して横の動きをかけちゃって」ってことか?),最終的には背骨に負担がかかる。

  7. 曲率半径。バックスイングの始動でよくあるミスのふたつ,ひとつは「クラブヘッドを低く長く引く」をイメージしすぎて,強いポジティブベータでクラブを引っ張る(ヘッドを置き去りにする)動き。もうひとつは,肘や手首を使いすぎて,クラブの曲率半径が短くなっちゃう動き。

  8. バックスイング前半。P2(シャフトが地面と平行になったとき)で,donw-the-lineで見たときに,シャフトとクラブの重心とがヘッドに隠れるのが理想=クラブフェースが地面に垂直。「P2でクラブフェースを背骨と平行に」という教えをよく見るが,それをしようとすると,アルファ・ベータ・ガンマフレームが地面に向かって傾きすぎて,その結果,後ろの肩(右肩?)がそれを調整せざるをえなくなる。

  9. バックスイング後半。P2(シャフトが地面と平行になったとき)でアルファプレーンが地面に平行になる。つまり,アルファトルクとベータフォースはクラブをゴルファーの前後に動かし,ベータトルクとアルファフォースはクラブを上下に動かす。ここからトップまでは,今度はベータプレーン上の動きになる。ネガティブガンマフォースはクラブを曲線的に動かしつづけ,一方でアルファフォースはネガティブに変わる(コックが入るということ?)。つまり,クラブは肩の高さに持ち上げられ,ハブパスの他方に動かされる(?)。一流のプレーヤーは,ボジティブベータトルクをかけて,ベータ角速度を一定に保てる。角度応答と渡鹿のバランスが,効果的な切り返しに繋がる。ネガティブアルファフォースとネガティブガンマフォースとで,クラブはトップまで持ち上げられるが,切り返しが起こってもこれらのフォースの向きは同じ。

  10. バックスイング終盤。多くのインストラクションは,ゴルファーの手首のアクションを変えようと努力しているが,それが重心のベータ直線加速度(つまりベータフォース?)と応答アルファトルクを変えないことには,機能しない(トップでのバウドリストとそのあとのシャローアウトに繋がる話をしてるっぽい)。切り返しで意図的にシャフトを寝かそうとしている人が多くいるけど,ボジティブベータフォースを最初の方でかけすぎると,それを埋め合わせるために最後の方でネガティブフォースをさらにかけなきゃいけない。定義上,このさらなるネガティブベータフォースはネガティブのアルファレスポンスを生み,リリースがさらに遅れる。これを克服するために,ポジティブアルファトルクが遅くに必要になる。

  11. 切り返し。最初に「ダウンスイング」を定義する必要があるが,ここでは(クラブではなく)ハブパスが運動の方向を上向きから下向きに変わるところ,と定義する。ゴルフクラブと違って鎖とかロープとかはかけたトルクに対して無反応なので,よくロープを使ったドリルとかあるけど,ごめん無意味。(それ以外にも面白いこといっぱい書かれてる匂いがするけど,読み取りが難しい)

  12. ハーフウェイダウンまで。P5手前でアルファフォースはネガティブからポジティブに切り替わる(要はタメを作るのもこのへんまでということ?)。(だんだん分からなくなってきた。ここで再び釣り竿のキャストの話が出てくる,要は最初は前に押す動きで,そのあとに手前に引く動きで,これがタメに繋がるってやつ)。ガンマトルクは,このフェーズではずっとポジティブにかかってる(要するにクラブフェースを閉じる動き)。この本を書いている2019年,シャローアウトが流行ってるけど,俺らの言ってることが理解されたら,それも駆逐されるぜ(意訳)。

13.インパクトからフィニッシュにかけて。(記述も簡素)