Jacobs 3D のマイク・ジェイコブズ。共著の Shaun Webb って Athletic Motion Golf に出てくる小さい方の人だな。編著の Matthew Rudy は Golf Digest のシニアインストラクションライター。Jacobs 3D の中では「ジャーナリスト」という肩書で,ジェイコブズが本とかを出すときには毎回手伝っている。
Foreward
- 2001年 PGA Champion の David Toms によるまえがき。
- 自分は感覚派だったけど,WebbとJacobsに知り合って以来,ゴルフインストラクションの新しい世界に出会った。
- TomsのアカデミーでShaunはディレクター。
- 25年のツアー生活の中であらゆるティップを聞いたし試したけど,この本が「当て推量」のほとんどを取り除いてくれる。
Introduction
- この本では,古典的な8つのティップ(ヘッドアップするなとか,スイングプレーンとか,手首をフリップするなとか,ダウンスイングでラグをつくれとか)を取り上げ,その教えが実際にはいかにゴルファーのスイングをダメにしているかを説明する。
- 本の最後で,アイデアをふたつ紹介する。それが新世代のインストラクションでは重要なパートになるはず。
Chapter 1 - Make the same swing for every club
- 昔はパーシモンドライバーはそれ以外のクラブとさほど違わなかった。重心距離とか深度とかに関して。
- アイアンはいいけどドライバーはダメとか,その逆だとしたら,同じスイングをしていることが原因かも。
- やるべきことの基本は同じだけど,少しだけ調整が必要。その調整は「Iron Byron」もやっている。
- ダウンスイング時のリリースのタイミングがクラブで変わる(長いものほど早めに)。
- フェアウェイウッドはトリッキー。ボールは芝の上にあるのにクラブは長いからリリースを早めにしなきゃいけない。
- 7番アイアンで4度のアタックアングルだとしたら,ハイブリッドでは2度が理想的。
- 打ち下ろすクラブならクラブパスはインサイドアウトになるし,打ち上げるクラブならアウトサイドインになる。
250ヤードのショットを打つとして,狙いはターゲットより12ヤード右。
Chapter 2 - Lag it !
- 古典的な教えは数あるけれど,「もっとラグ(タメ)を」はたぶんいちばん害が大きい。
- ラグ:左腕前腕とシャフトとが,ダウンスイング時に作る角度と定義。
- リッキー・ファウラー,ダウンスイングで左腕が地面と平行なとき,その角度は10度増えている。けれど,リッキーにしろ誰にしろ,それを手首とか手とかで物理的に作っているわけではない(ネガティブリリーストルクを加えているわけではない)。
- そのラグ角度は,素晴らしいボディーシークエンシングと,クラブの外向きの動きを保持するハンドパスとの,自然な結果。
- クラブがトップに近づいて切り返しの準備をしているときに,ボディーはすでに前に動き始めている(前に,かつ回転して)。その前への動きは左足の踏み込みとねじりから起こっている。
- リッキー・ファウラーとグレッグ・ノーマンのハンドパスは似たような「卵型」のカーブをしていて,手はボールの周りでもっとも広いルートを通っている。一方でデイビッド・トムズやイアン・ポールターのようなプレーヤーのハンドパスはもっと円形に近く,それほどの動的テンションを生んでいない。
- アベレージプレーヤーがラグを作ろうとしたとき,だいたいトップから手首の角度を保とうとしたまた手をボールの方に向けて強く引っ張る。これは逆効果で,リリースを早めるだけ。
Chapter 3 - Pause at the top
- 「リズム」とか「早すぎ」とか「トップから打て」とかいろいろ言われているが,これらの問題を治すための第一歩として言われる「トップで止まれ」というアドバイスは,それ自体で多くの問題を抱えている。
- 実際に動画でクラブの動きだけを見ればそれが止まっているように見える瞬間があるし,それは「トップ」と呼ばれるが,クラブが止まっているからといって体のそれ以外が止まっているとは限らない。
Chapter 4 - Swing on the plane
- 動画の画面に線を引いて「プレーン上で打つ」ことを目指すのには問題点がふたつあって,そのひとつは「プレーン」を特定し計測する方法は山ほどあること。
- 意味を持つプレーンアングルは,クラブヘッドの中心をトレースしたもの。
- インパクト前後(エクセキューションフェース)のスイングプレーンこそ,最も気にかけるべき。
Chapter 5 - Keep the arms out of the swing
- 「腕をパッシブに保つ」というインストラクションはボビー・ジョーンズの時代から来ている。ボールを遠くに飛ばすより,フニャフニャしたヒッコリーのシャフトをコントロールするために重要だったアドバイス。
- とあるゴルフ運動生理学者の研究によれば,クラブヘッドスピードの23%は腕だけから来ている。
- 飛距離を最大化するには,正しい方法で腕を使うこと。
- ツアープロでも腕の動きを殺すためのドリルをやってる人らがいて,でも彼らは下半身とか地面反力とか上手く使えてるから。
- アベレージプレーヤーが腕をパッシブにしちゃうと,バックスイングのアームプレーンがだいたいすごくフラットになっちゃうから。
Chapter 6 - Don't flip your wrists
- ドライバーのクラブヘッドスピードは,PGAツアープレーヤーで120mph,アベレージアマチュアで90mph。しかしいずれにしろ,インパクトは一瞬のうちに起こり,その瞬間に何かをコントロールすることはできない。
- スイングの動画のスナップショットを見て,ポジションごとの手首とか手をああしろこうしろというインストラクションがまかり通ってきた。
- インパクトの瞬間にフラットレフトリストだっていうんで,それを勘違いして(生徒もコーチも)スイング中に手首を動かすことを恐れることになっちゃったりするケースも。
- 要するに,正しいグリップをして正しい体の使い方をしてクラブの動きをその流れに任せれば,手首のかたちなんてあとからついてくる(意訳)。
Chapter 7 - Swing down the line
- 問題の元凶はトップでとオーバーザトップで,だからアウトサイドインの軌道になるが,これに対処するために「飛球線上で打て」というインストラクションが生まれた。
- クラブのルートを小手先で変えようとしても,おおもとのボディーシークエンスの問題は解決しない。
- とにかくクラブってのは曲線上を動くように作られている。
- トレビノ含める上手いプレーヤーはみんな,飛球線後方から見ると,インパクト後に手が体に隠れる。なぜならみんな直線にクラブを振ってるんじゃなく,体の回りで振ってるから。
Chapter 8 - Keep your head down
- 本当に頭を動かさなかったりボールをしっかり見続けると,体のダイナミックな動きが阻害される。
- 体の中心さえ動かなかったら,体の動きに釣られて頭は自由に動いていい。
Chapter 9 - Tips of the future
- インパクトと右肘に注目。
- スイング中の体とクラブの動きは,すべてインパクトのスピードと正確性のため。
- 芯を外したショットを続けると,飛距離とかコントロールとかを失うのは当然として,グリップにも影響する。つまりクラブが動かないように固く握るようになる。するとスイングの自然な動きが阻害される。
- つまり,ミスヒットがミスヒットを呼ぶ。そんなときはハーフスイングに戻って正しい動きと正しいインパクトを身につける。
- プロが大きなディボットをとってるのを見ると真似したくなって打ち込みたくなるが,ディボットってのはボールポジションと番手によるもので,意識的にとるものじゃない。
- ツアープレーヤーとアマチュア――片手シングルであっても――との違いは,スイング中の右肘。
- これは右肘の問題というよりはボディーのターンの違いに起因する。