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俺のオーガスタ改装案|Vol. 1|3番ホール|Golf Digest

Golf Digest の記事です。ゴルフコース設計家10人に,マスターズ開催地 Augusta National の改装案を出してもらったらしい。8セクションある膨大な記事を,1セクションずつ訳していきます。

ソース

Masters 2019: We Redesigned Augusta National* - Golf Digest by Ron Whitten, 3 April 2019

Three on 3

短くも難しい3番のパー4ホールに対して,3人の設計家がそれぞれことなる案を出してきた。ビジュアルとともにその違いを紹介しよう。

John Fought 案|alternate fairway

現在65歳の John Fought は,1977年のマスターズをアマチュアとしてプレーした。その当時はこのホールにはフェアウェイバンカーとグリーンサイドバンカーがそれぞれひとつずつ,いずれも左側に配されていた。

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「3番のグリーンはつねに右から左への傾斜がある」と Fought は言う。「フェアウェイ右サイドから攻めると,グリーンにボールをとどめておくことは無理だよと,ベテランプレーヤーたちに言われたものさ。だから,ティーショットはだいぶ左を向いて打ったんだ。当時はみんなしっかり刈られていたのを覚えている。私はそれを〈代わりのフェアウェイ alternate fairway〉と呼んでいた」。

1982年の夏,ジャック・ニクラウス設計事務所の Bob Cupp が,このホールを再構築した。唯一のフェアウェイバンカーを4つの細かいバンカーで置き換え,小さなコブを付け加えた。(あまり知られていないが,当時の Masters Chaiman の要請により,Cupp とニクラウスはもともと,その場所に池を作ることを検討していたが,排水がうまくいかなかった)

「1984のマスターズにはツアープロとして出場権を得た」と Fought。「でもオーガスタに着いたとき,1977年や1980年にはあったフェアウェイ左からグリーンを攻めるスポットを見つけられなかった。そこはバンカー群で埋め尽くされたんだ」

「だけどまだ,そのバンカー群のまわりにはしっかり刈られた芝のエリアがあった。だからそのバンカー群の後ろを狙ってティーショットを打って,グリーンへのいい角度を確保しようとしたものだ」

「しかし1999年,オーガスタナショナルはラフを伸ばしはじめる。これで,Fought の〈代わりのフェアウェイ〉は消滅した。こんにち,Fought が理想的だと考える方法でこのホールを攻めるプレーヤーはいない。

Fought の提案は,現在のフェアウェイバンカー群の後ろのエリアをフェアウェイと同じ刈高にして,〈代わりのフェアウェイ〉を復活させるもの。皮肉にも,3番ホールと7番ホールをつなぐ,狭いフェアウェイは存在する。Fought の提案は単にこの幅をバンカー近くにまで広げ,ドライバー以外でのティーショットのためにランディングエリアを広く用意することだ。当然それは,フェアウェイをドライバーで狙うよりは長いアプローチショットを要するが,グリーンに対しては遥かによいアングルをもたらす。

Troy Vincent 案|single fairway bunker

Troy Vincent は52歳。かつてはジャック・ニクラウスの助手で,現在は地元オーガスタで自らの設計事務所を構えている。30年以上にわかって,自らの目でマスターズを見届け,コースの進化を見つめてきた。

「個人的には,3番ホールのフェアウェイバンカーは常に問題のひとつでした。4つのフェアウェイバンカーがあるのは,あのホールだけです。手前のふたつのバンカーは,サイズが似ているだけでなく,平行に配置されている。他のふたつも同様です」

「オリジナルの設計では,ただひとつの大きなフェアウェイバンカーがあり,フェアウェイをすぼめていました。これによってティーショットは右に狙いたくなりますが,グリーンの形状によって,右からのアプローチは有効ではないのです」

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Vincent の提案は,3番ホールの4つのフェアウェイバンカーを取り除くこと。「戦略的であり美的でもある,ただひとつのフェアウェイバンカーを作ろう。フェアウェイバンカーがある他の6つのホールと同じように。この新しいバンカーは,今の手前のふたつのバンカーがある位置よりちょっとだけ奥から始まるようにする。平均的なプレーヤーにもう少しだけティーショットの置き場所を提供できるように」

Vincent は,オーガスタの他のバンカーのようなスタイルに,この新しいバンカーを形作りたいという。「このバンカーの奥につけてしまったゴルファーには,グリーンへの難しいアプローチショットが残るようにね」

Troy Vincent 案|risk-reward drivable par 4

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51歳の David McLay Kidd は,Bandon Dunes の最初のコースをデザインしたスコットランド人。今の業界内でもっともアツい設計家のひとりで,オーガスタの3番ホールは今よりも短くして,より「リスクとリワード」を強調すべきだという。

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「3番ホールは370ヤードで最も短いパー4ホール。私の意見では,ドラマ性に欠けている。プレーヤーにリスクを取らせようとしていないホールだ」

Kidd の案では,チャンピオンシップティーを50ヤードほど前進させ,全長320ヤードのドライバブルなパー4ホールにする。グリーンに届かせるのにドライバーを必要としなプレーヤーも多くいるであろう長さだが,グリーンを狙うのはギャンブルにする。バンカーを付け加え,再配置もする。

「もしフェアウェイがバンカーという地雷原を避けるようにクネって,安全にセカンドショットを打てる場所がいくつかある場合,トッププレーヤーたちはどうやって攻めるだろうか?」

オーガスタ・ナショナルでは,パー5ホールで飛ばし屋がリスクをとって攻めてイーグルを狙うという,長い伝統がある。しかし興味深いことに,ドライバブルパー4は,こんにちの他の多くのチャンピオンシップコースでは人気が高いのにもかかわらず,オーガスタでは検討されたこともなかった。実際,1937年にバイロン・ネルソンがドライバーでグリーンをとらえたあと,クラブはグリーンの位置を動かして同じことが起らないようにした。

「ドライバブルパー4は,設計家の観点からは正しく設計するのが非常に難しい」と,Kidd も認める。だが,Riviera の10番や TPC Scottsdale の17番のようにそれが正しく作られたときは,大会を盛り上げるのに役立つ。その直前のホールでのイーグルの可能性(ダウンヒルパー5である2番ホール)と合わせて考えると,3番をドライバブルにしてもうひとつのイーグルチャンスを演出することは,優勝争いで一気に先頭に立てる可能性を生み出す。サンデーバックナインよりサンデーフロントラインから優勝争いが白熱することもあるのだ。

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