Golf Digest の記事です。ゴルフコース設計家10人に,マスターズ開催地 Augusta National の改装案を出してもらったらしい。8セクションある膨大な記事を,1セクションずつ訳していきます。
ソース
Masters 2019: We Redesigned Augusta National* - Golf Digest by Ron Whitten, 3 April 2019
Reinstitute a 'MacKenzie favorite' at the 9th green
Tom Doak といえば,オレゴン州の Pacific Dunes やニュージーランドの Tara Iti など,世界ランキングトップのコースを設計したことで知られている。しかし,現在58歳の Doak が1980年中盤にシーンに躍り出てきたとき,最初にわれわれの目を引いたのは彼の設計に関する著作だった。同時代のもっとも鋭い批評家と呼んでもいいであろう Doak,有名なコースの欠点を遠慮なく口にする,数少ない人物だ。
さかのぼること1987年,Doak はオーガスタについて書いている。「マッケンジーが認めないであろう数多くの改造がされている。彼のビジョンからは完全にかけ離れてしまったことだ」
とりわけ Doak が認められないのは9番パー4。
「現在の9番のグリーンは偉大なグリーンではない」と Doak は言う。「超シビアで,ひとつしかプレーのしようがない。つまり,丘を越えて,ホールの下にボールを止めることだ。メンバーがプレーするには最も難しいホールのひとつ。セカンドショットで丘を越えなかったら,ボールは75ヤード戻される。安全に奥を狙うと,下り傾斜がきつい」
「失われたクールな特徴を取り戻すという強い信念を持っている私は,9番のグリーンはオリジナルのブーメラン形状に戻すべきだ。Crystal Downs の7番,あるいは University of Michigan course の14番〈いずれもマッケンジーが設計している〉のようだったオリジナルのグリーンは,ふたつの異なる受け入れルートがあって,アプローチショットはより容易だった。ただし,左側の入口はバンカーに包まれるかたちになっていて,それをキャリーしてグリーンに乗せなければいけない」
「もし元のグリーンが復活したら,プロたちはピン位置によって異なるアプローチショットを打たされる。ホールが左側にあるときは,グリーン奥にキャリーして,グリーンのコントゥアを使ってボールを左手前に戻す。今のグリーンが求めるショットとはまったく違うものだ」
「クラブの立場を慮って言えば,彼らは自らの使命を分かっている。それはマスターズであって,マッケンジーの作品の保護ではない。マッケンジーの設計を復興させながら今日のツアープロたちに挑戦をもたらす改造はなかなか難しいが,この9番のグリーンはそのうちのひとつだ。だけどクラブはこの案を採用しようとはしない。なぜなら,はるか前から,クラブはメンバーたちのプレーの楽しみよりはマスターズの難易度の方を優先するようになったから。それはとても残念だね。ボビー・ジョーンズはその両方のバランスをとろうとしていたと信じているから」
記事一覧
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