Linkslover

I want to be a window through which Japanese golfers can see what’s happening outside. TPI G2/P2.

ゴルフスイングって要するにこういうことでしょ? - Vol. 3

性懲りもなく,第3弾。

TPI Power Level 2*1のオンラインコースを見て思いついたことをまとめます。

飛距離の予測因子(predictor)

TPIのアセスメントの中に〈Power Testing〉というのがあって,以下の3つのテストの結果を見れば,そのゴルファーの飛距離のポテンシャルがだいたい分かるらしい。逆にこの結果から予想される飛距離が出ていないとすると,そのゴルファーはスイングに改善点があるとも言える。

そのテストとは,まず垂直跳び。

Vertical Jump Test

二つめは,座位でメディシンボールをパス。

Seated Chest Pass

最後に,膝を立てて寝た状態から,体を起こしつつ足元の方向にメディシンボールを投げる。

Sit-Up & Throw Test

で,これら3つの動きが飛ばしの能力が予測できるのだとしたら,逆にこれらの動きがゴルフスイングの中でどう使われているのかを考えるべきだし,それがゴルフスイングの主要な構成要素だと考えるのが自然だろう。

ゴルフスイングにおけるこれら3つの動き

ここから先はTPIが言ってることじゃなく,僕の持論。

まず〈Vertical Jump〉はいちばん簡単。いわゆる〈地面反力〉みたいな話になるんだけど,地面を蹴る動きを,骨盤を回転させる動きに変える。

次に分かりやすいのが〈Seated Chest Pass〉。要するに肘を伸ばす動きで,これはダウンスイングにおける右腕だと思えばいい。トップで右肘は曲がっているし,リリースすれば右肘は伸びる。

最後に〈Sit-Up & Throw〉で,上から下に引き下ろす動きだけど,これはダウンスイングにおける左腕の役割だと思えばいい。この〈ゴルフスイングって要するにこういうことでしょ?〉シリーズの前2回でこれについては詳しく書いた――というかそれが中心――けど,バックスイングでクラブにかかる慣性力によって盛り上げられた腕を,ダウンスイングで振り下ろす動きですね。

実際,トップから骨盤が先にまわってそれが連鎖してトルソーがまわって……というキネティックチェーンが発生するわけだけど,その動きに左腕が持っていかれると,ハンドパスが短くなるとか/アタックアングルがスティープになるとか/フェースローテーションする時間が短くなるとか/クラブヘッドを加速する時間が減るとか,いろいろエラーが起こるわけですよ。それに対抗するための力が,この〈左腕を真下に振り下ろす力〉なんじゃないかと思う。

そしてこれも散々いってるけど,「切り返しからグリップ方向に力をかける」とか言う人がいるけど,それまったく意味が分からなくて,力をかける方向は真下じゃないの?

ってことで,左腕と右腕の役割というかかける力の方向はこんなかたちで異なっていて,しかし異なっているからこそ寝たクラブが立ってフェースローテーションが起こるんだろうと。

って感じで,トレーニング(StrengthにしろSpeedにしろPowerにしろ)する上ではトレーニングとしての効果を最大化するやりかたでやるべきだけど,実際のゴルフスイングはこういう動きで成り立っているであろうという考え方を頭に入れておくのは少なくとも害はないだろうと思うんです。実際のところは知らないけど,少なくとも僕はそうしてる。

それに加えて Rotary Power

一方で Power Level 2 の中では〈Rotary Power〉のトレーニング方法についても触れられている。要するに上半身の回転をいかに速くできるかって話だけど,イメージとしてはこの河本力がやっているやつだと思っていいかも。

youtu.be

というか個人的な実感としてはですねぇ,ジムなんか行けない/トレーニングなんかする気がないという人でも,この上半身の回転のスピードを上げることを意識するだけで,けっこうなスピードアップが期待できると思うんですよね。

ということで

〈要するにこういうこと〉っていう話――ゴルフスイングという動きの分解――と,クラブヘッドスピードを高めるための話とがごっちゃになってますが,ひとまず以上です。