Linkslover

I want to be a window through which Japanese golfers can see what’s happening outside. TPI G2/P2.

ゴルフスイングって要するにこういうことでしょ? - Vol. 1

こんなフカしたツイートをしたので,なんとか書いてみます。

これができればアマチュアとしては偏差値65ぐらいのスイングになると思うんだけど……。もちろんこの先いくらでも改善点・向上できる点はあるけれど,エンジョイゴルファーとしてはこれぐらいシンプルに考えていいんじゃないかな。っていうのが,今の気持ち。

で,ポイントは3つ:上半身の動き,下半身の動き,それらの繋ぎ。

1. 上半身の動き|寝た子を起こす(しかも右の方で)

とにかくこれが大事。これができてないとそのあと何やっても無意味。

自分のイメージにいちばん近い説明をしているのはこれ:

手元イン&ヘッドアウトを体感する素振り 腕の使い方を覚えてプロのスイングへ!|サイエンスフィット レッスン|GDO ゴルフレッスン・練習

直立して構える。腕とクラブとは一直線じゃなくて,角度がついているかたちで(手首を小指方向に折らなければ,自然にこうなるはず)。で,ここからバックスイングのつもりで上体を右に回す(〈胸郭リード〉といってもいいし,〈ショルダーターン〉といってもいい)。そうするとバックスイングの後半以降は(慣性の力でクラブヘッドはに動きつづけようとするから)結果的にクラブが寝る,あるいは左手の甲が真上を向くかたちになる。その結果,右手人差し指の付け根でクラブの重みを感じるようになる。

で,この寝た子を起こす。〈寝たクラブを立てる〉っていうイメージでもいいし,〈左前腕の回外&右前腕の回内〉っていうキューでもいい。〈クラブは右回り〉では決してない。その文脈であえていうならば,〈右回りだったものを左回りで起こす〉かたち。まぁそれはどうでもよくて,自分としてはなぜか〈畳む〉って感覚がいちばんしっくりきてるけど,これは個人差あるでしょう。

寝た子を起こしたら,その勢いで当然シャフトは左に寝る。これでフリートウッドみたいなフィニッシュのできあがり。

これを直立してやって,感覚を無意識に刷り込む。

注意点,3つ。

  1. 上記リンク先の記事で,最初の写真の右側,肩がぜんぜん回ってなくて左腕と胸との角度が潰れちゃってるけど,これNG。とにかく肩を回す。それがいわゆる〈クラブは体の正面に〉*1に繋がるし,〈腕と胸の三角形をキープする〉って言われていることに繋がる。ショルダーターンはいろんな意味でマスト。

  2. 以前の僕のようにROC(≒フェースローテーションの度合い)の小さいスイングを目指してた人間からすれば,上記の動きってすごく違和感があると思う。でも,結果的に上手いこといく。むしろこれやって強いフックが出るとしたら,それは切り返しでクラブがちゃんと倒れていない(=右手人差し指の付け根にクラブが乗っかっていない)証拠。

  3. あえて3番目にしたけど,これめっちゃ大事。それは,クラブが寝たその場で起こすということ。〈右を向いたまま起こす〉と言ってもいい。右に回るときは体の動きに腕が同調して動いで結果的にクラブヘッドが動いてくるけど,切り返しからはクラブを起こす動きが上体のターンに繋がる,と思っていい。

前傾して〈寝た子を起こす〉やるとマキロイのこれに繋がるし:

youtu.be

このことを難しく語るとこういうことになる:

www.instagram.com

補足。バックスイングでクラブが寝ると,それにつられて手元は上がる。これが〈アームリフト〉*2の正体だと思ってる。Athletic Motion Golf の動画を最初に見たときは,アームリフトは何か意識的にしなきゃいけないもののように思えたけど,きっとそうじゃないだろうって今は思える。そして当然,クラブを起こす動きをすれば手元は下がるので,いわゆる〈手元の低いインパクト〉が実現できる。

以上,上半身の動き。

2. 下半身の動き|〈安定〉からの〈出力〉

下半身については,一義的には〈上体の動きをサポートするためのもの〉であって,その上で〈スイングスピードを上げるために出力を増すもの〉という,二段階で考えた方がいい。

まずアドレス時。どっちの爪先をどれぐらい開くとかはどうでもよくて(いろいろ試して自分に合うのを探るしかない),それより大事なのは〈膝が内側に入らないようにすること〉=〈腿の外側にテンションがかかること〉だと思ってる。ジムでバーベル担いでスクワットやっている人であれば,この感覚はすぐ分かると思うけど……。いずれにしろこうすることで,バックスイングのときに上体の動きにつられて骨盤が右に流れたり回転しすぎたりするのを防げると思う。あるいは,〈股関節のソケットがしっかり嵌っている感覚〉でもいい。

次に切り返し。これは〈左足を踏み込む〉って言われる動きになるけれど,そのときに爪先側にウエイトかかると太腿の前側にテンションかかってそのあと上手くいかなくなってNG。踏み込みで踵にウエイトかけるとは言わないけれど,左のハムやケツにテンションかかる感じで正解だと思う。これができれば,上体の動きに同調して骨盤も回ってくれる。

で,普通に打ちたいんであれば,この踏み込みをして,上半身のとこで書いたクラブを起こす動きをすればスイングは完了。だけど,ここから下半身を積極的に使って出力を増す=スイングスピードを上げることができる。参考として,これを挙げておきます:

www.instagram.com

この動画の〈After〉の方をじっくり見ると分かるけれど,右脚は〈突き上げ〉るような出力の方向になっているのに対して,左脚は〈踵側に引く〉方向性になっている。これをすることで結果的に,骨盤が左に流れずに&左のケツがクリアされて&右脚が伸びて……っていう,プロみたいなかたちができる。左脚は見た目上〈踵側に引く〉ようになってるし,現象としては〈曲がった膝を伸ばす〉ことになるけど,出力のイメージとしては〈踏み込んでから地面を勢いよく押す〉でもいいかも(デッドリフトで,〈バーベルを持ち上げる〉じゃなく〈足で床を押す〉イメージの方がいいように)。

以上,下半身の動き。繰り返しますが,〈地面反力でうんちゃら〉は,それ以前のステップがしっかりできた上でのトッピングのようなものだと思ってる。

その絡みで補足。下半身の使い方で出力を増すためのやりかたには,個性というかバリエーションがあると思う。つまり,ジャスティン・トーマスやレクシー・トンプソンみたいなバーティカルな動き(いわゆるジャンプ),あるいはマキロイやフリートウッドみたいに左に乗ってからターンする動き,さらにはその場でターンするような動き(フィッツパトリックとかニーナバーみたいといえばいいかな),っていう3つに大別されるはず。どれが自分に合うかは,試してみるしかない。あ,ペイジ・スピナラックみたいに〈ガニ股からの股をキュッとしめる〉みたいなキューもあるかも。

3. 上半身の動きと下半身の動きとの繋ぎ|結果的に〈側屈〉

上半身の動きができて,下半身の役割が理解できたら,最後にそれをどう繋ぐか。以下はあくまで自分の感覚だけど……

何も考えないと,切り返しから下半身の動きにつられてショルダーラインもだらっと回っちゃう。そうなるとクラブパスがアウトサイドインになるので,球が捕まらないあるいはプルになっちゃう。自分が意識しているのは,〈切り返しから右肩をその場に残す〉こと。

これについてはいいビジュアルやムービーが見つからなかったんだけど,右肩をその場に残したまま(脚の動きを使って)骨盤が左に回るとどうなるかっていうと,〈右肩と骨盤の右側とが近づく〉。〈右の脇腹が縮む〉と表現してもいいと思うんだけど,これって要するに〈側屈〉ですよね。ただ,上半身の動きとして側屈を入れようとするとそれは単に右肩が下がってダフりに繋がるだけなんだけど,ここで言いたいのはあくまで骨盤の回転があって,でも右肩をその場に残したいので(=ショルダーラインはそのままにしたいので),結果として〈側屈〉と言われる動きをせざるをえない,という感じ。

たぶんこれができれば,2の最後に書いた〈右脚の突き上げ〉(=骨盤の右前をターゲット方向にぶつける感覚)がもっともっと積極的にできるようになるはず……というのが,現時点で思っているところ。

以上です

いま自分がショット前に意識しているのはこれですべてです。寝たものを起こす。下半身の動き。そして結果的にできる側屈。ちゃんとできればいい球が出るし,ミスが出たらどれかができていない。たとえば,

  • 強いフックがでたら,切り返しのときにちゃんとクラブが寝かせられてない
  • ダフったら,切り返しからクラブをちゃんと起こせていない
  • 薄い当たりだったら,切り返しで左に踏み込めてない
  • プルがでたら,切り返しから右肩が残せていない
  • プッシュがでたら,右脚の突き上げが弱い

とか。

繰り返しますが,もちろんこれでマキロイみたいになれるわけではないし,これらの上に積み上げられるものはまだまだあるけれど,でもこの3つさえできたら,そこそこスイングにはなると思うんですよね。自分としてはその完成度を高めていきたい。

ひとまずおしまい。

続編

[続]ゴルフスイングって要するにこういうことでしょ? - Linkslover

Use Test

せっかくなんで,このフレームワークで〈10のデスムーブ〉を解釈してみる。

golf103.hatenablog.com

1. セットアップでの〈お座り〉状態|“Sitting” at Setup

これは動く前のアドレスの話なので,除外。

2. クラブをインサイドに引く|Swinging the Club Inside

クラブをインサイドに引くのは〈始動で手首が小指側に折れる〉and/or〈始動直後に手の動きでクラブを寝かす〉and/or〈手元が浮く〉なので,上記の動きをやっている限りはこうはならない。

3. シャットしすぎなクラブフェース|Overly Shut Clubface

過剰なシャットはたぶん意図的に左手を掌屈させる(手のひら側に折る)ことで発生すると思うんだけど,上記の動きでは〈左手の掌屈〉and/or〈右手の背屈〉を意図的に入れることはない。

4. ごまかしてデプスを稼ぐ|Fishing For Depth

デプスをごまかすっていうのは,要するに〈クラブが体の正面から外れる〉〈ショルダーターンできてない〉〈左腕と胸との角度が狭まる〉ということ。

5. トレイルアームを潰す|Collapsing Your Trail Arm

これはたぶんデプスのごまかしと繋がってて,左腕と胸との角度が狭まれば結果的に右肘を曲げざるをえなくなると思う。ショルダーターンでバックスイングしてクラブが寝るのに任せる中で,右肘の曲げを意識することはないし,上体とグリップとの距離は縮まらないから右肘を曲げすぎることにもならない。

6. 〈平行〉にターンする|Making a “Level” Turn

これって1のアドレスの話に繋がる気もするし,2のかたちでクラブをインサイドに引くと結果的にクラブを担ぐようなトップになるので上体は起きて,それで骨盤のティルトがキープできないんだと思う。

7. バックスイングの遅すぎるタメ|Late-Loading Backswing

たぶん一般的には〈タメはダウンスイング前半で発生するもの〉っていうイメージなんだろうけど,僕の中では〈クラブが寝ている状態〉が〈タメ〉で,しかもそれはバックスイング完了時に発生する。ということでそれは〈遅すぎる〉ということにはならない。

8. ヒップの突っ込み|Thrusting Your Hips

〈突っ込み〉って要は右のケツが前にでることだと思うけど,その理由のひとつは,切り返しで左に踏み込めていないことだと思う。

9. 受け身な腕|Passive Arms

寝たクラブを起こすには,腕(というか前腕&手)はアクティブに使わないといけない。

10. ラグの追求|Chasing Lag

このビジュアルがすべてを物語っていると思うけど,しかるべきラグは〈クラブを寝かすこと〉から発生している。