Linkslover

I want to be a window through which Japanese golfers can see what’s happening outside. TPI G2/P2.

にわかフェードヒッター

ゴルフを始めて1年ぐらいしたとき,イーグルポイントでラウンドする機会があった。

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そのサイトのコース案内で,どこかのホールの解説で「コントロールされたフェードはゴルフの中でいちばん難しいショットだが…」みたいな文章があった(今ではその文はなくなったようだけど)。何も知らない僕は「そんなもんなのか」としか思わなかった。

けれど、周りの経験者が「捕まったフェードがいちばん飛ぶ」って言うのを耳にして,「フェードで〈捕まった〉って何それ?」っていう感想しか抱かなかった。「フェードって捕まらなくてみぎに抜けるからフェードなんじゃないの?」みたいな。

一瞬通っていたGolfTEC。このときのインストラクターが,「インパクトのときクラブフェースは開いたものが閉じるから(ボールはクラブを横滑りして)理論的には全部フェードになる」って言ってたのを思い出す(いまだに意味が分からない)。

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時はすぎて去年の3月。宮崎でラウンドしたとき,なぜか思い立ってフェードを打とうとした。

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あのときは――即席の割には――思うように打てていたんだけど,そのあとまたどういうわけかフェードが打てなくなって,自分はドローヒッターなんだと思っていた。

フェードと言って思い出すのはダスティン・ジョンソン。それまでドローヒッターだったDJが,ある日思い立って「オレ今日全部フェードで打つわ」っていって,いきなり62を出したのは有名な話。宮崎でフェードを打とうと思ったときも,このDJのエピソードが自分の頭の中にあったと思う。

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マイケル・キムだったか誰だったら忘れたけれど,とあるプロゴルファーが,オーガスタの13番ホールの話をしてた。例の左ドッグレッグのパー5。コースなりにドローを打つのが最適だろうって僕みたいな素人は思うけど,「だいたいみんなハイカットであの木の上を越えて打つよ」。それがなぜか強く印象に残った。でも去年のマスターズを制したジョン・ラームは,あそこで珍しくドローを打っていたように思うけれど。

そしてこないだの THE PLAYERS。ウィンダム・クラークのショットを見ていたら,もう一度フェードを打ってみたくなった。

なんともカッコいいトレーサー。

ということで前置きが長くなりましたが

フェードを打ってみた。最初のころこそただのペラった球しか出なかったけれど,だんだん感覚がつかめてきた。とにかくがっつり左に捕まえればいい。10年以上の時を経て,〈捕まったフェード〉の意味がようやく分かった――気がしている。

リー・トレビノは,「フェードとは話せるけど,フックは聞く耳を持たない」って言ってる。

計測してみた。ドローを打ったつもりの3球と,フェードを打ったつもりの3球。

ドローのつもりで3球打って,右に抜けること2回;これはやばい。フェードの方はいい当たりはなかったけれど,とりあえず左のミスは消せる。

シミュレーターでやっている限りは,フェードを打っている方がスコアが安定する。あとはコース上でどう出るかだ……。

あとづけ

とにかく諸々の理由によりゴルファーは右に曲がる球が出やすくなっているので,だったら最初から右に曲げるつもりで打った方が死ぬようなミスを減らせるのでは? 超いまさらだけど。

あと,「ドローとフェードのどっちが飛ぶか?」っていう古典的な問いがあるけど,他の条件がすべて同じでボールの回転軸の傾きだけが左右で違うのであれば,飛距離は同じ。たぶん昔は「ドローはフェースが立って当たるからスピン量が少なくなって飛ぶ」って理屈だったのかもしれないけど。なのでその問いはむしろ「ドローを意識したときとフェードを意識したときとで,どっちの方が〈自分は〉クラブヘッドスピードが速くなるか」って問いになると思う。