こないだGDOに載ってたこれ:
「ケプカに刺激を受けて体をデカく」 幡地隆寛の初V裏側/一問一答【アジアンツアー】|GDO ゴルフダイジェスト・オンライン
ニュージーランドオープンで優勝した幡地隆寛が,去年ダンロップフェニックスでケプカと一緒にまわってその体のデカさにインスパイアされて,年明けからウェイトトレーニングに励んだ,という話。
それはそれで悦ばしいことだし,「日本にもこうやってフィジカルの向上に目を向ける若いゴルファーがいていいことだわ」と思ったんだけど,よくよく見ると,
今までやってきた機能系のトレーニングも並行して続け、スイングのバランスを失わないようにしています。
とおっしゃっている。「機能系」っていわゆるファンクショナルトレーニングを指しているのだと想像するけれど,ちょっとまて,普通のウェイトトレーニングはやっていなかったのに,ファンクショナルはやっていたのかと。このへんがどうも,日本人に蔓延する
- 筋肉つけてもその競技特有の動きができなくなったら意味がない
- 筋肉つけたら体が重くなってうんたら
- 筋肉つけたら体が硬くなってうんたら
- (でも体幹は強い方がいいYO!――「体幹って何?」とか「なんで体幹鍛えればいいの?」とかは問われることなく)
みたいなのに繋がっている気がするし,超大雑把に言えば,「君らいつまで〈大リーグボール養成ギプス〉の世界観に生きてるの?」と思わなくもない。
そんな荒んだわが心に訪れた一服の清涼剤が,こちら:
トレーニング中にどこで重心を感じて、動きの切り返しの時に身体に無駄な動作が入らないか。軸を作りながら無駄を削ぎ落としていく。自然と身体は機能的になる。
— 山本チャーリー周平@ゴルフトレーナー⛳️ (@shuheicharlie) March 13, 2024
要は見た目がファンクショナルなメニューをこなすということではないという事。
そうなのよ。「ウェイトトレーニングって所詮うんたら」みたいなことを言う人は,たぶんそのウェイトトレーニングすらちゃんとできていない。シンプルに見えるスクワットとかデッドリフトの動きにも良し悪しは存在するし,自らのセンサーを研ぎ澄ませることで――動きの無駄をそぎ落として――動きの質を向上させることはできるし,それが引いては――どんな競技であっても――〈動ける体〉を作ることにつながる。もちろん,基礎的な体力とその競技固有のスキルとは別の話だけど。
もうひとつGDOといえば:
鈴木愛の肉体改造は「ゴルフをやめたい」から始まった【国内女子ツアー LPGA】|GDO ゴルフダイジェスト・オンライン
トレーニングが嫌いだった鈴木愛がオフシーズンにトレーニングに励んでうんたらって話。それでよく昔あんなに勝ってたな,というのが最初に思ったことだけど,このトレーニングによる身体能力の向上を〈肉体改造〉って呼ぶ習慣というか感性……そろそろやめにしないか? いつまで〈番長・清原〉な価値観の中に生きているの? 長渕剛の「とんぼ」がバックで流れているぞ。*1*2
鈴木愛に話を戻すけど,
都内にあるスタジオでのトレーニングは「量より質」にこだわり、スクワットひとつでも「ただ上げるのではなく、やりたいスイングができるように」と目的に合わせて色々な種類の方法で行い、体に負荷をかけてきた。
っていうところ,なんか引っかかるんだよな~。