Golf Digest の記事です。ゴルフコース設計家10人に,マスターズ開催地 Augusta National の改装案を出してもらったらしい。8セクションある膨大な記事を,1セクションずつ訳していきます。
ソース
Masters 2019: We Redesigned Augusta National* - Golf Digest by Ron Whitten, 3 April 2019
The untouched 12th
ニューイングランドの設計家 Brian Silva。現在66歳でときにフロリダにも在住。彼は,USGAが技術の進化,特にゴルフボールの飛距離性能の進化に歯止めをかけることを,長年批判している。しかし,オーガスタの改装案を求められた Silva の回答は,驚くべきものだった。
「私は距離を求めつづけると思う。ジャック・ニクラウスやアーノルド・パーマーが全盛期のころに打ったのと同じ番手をいまのプレーヤーに使わせるように距離を伸ばすというアイデアを,人々がどうして気に入らないのかが理解できない」と Silva。「どうして,彼らが50年前にしたようなかたちでホールがプレーされるように距離を伸ばすというアイデアが,どうして却下されるんだ」
もちろん,オーガスタの大半のホールは長年にわたって距離を伸ばしてきた。コース開設当初からほぼそのままのかたちで残っているのが,12番パー3。レイズクリーズ上を舞う風をぬって,広く浅いグリーンを狙う,よく知られたショット。1933年の設立時は150ヤード,現在は155ヤードだ。
「12番ではティーを下げるスペースが十分にある。そこに何がある? 何もないスロープ。マスターズ期間中は,観客席とサンドイッチショップで埋め尽くされる。こいつらをちょっと動かして新しいティーを設けるのは,難しくないさ」
「当初意図された通りの姿にホールを戻そうよ。僕が物心がついてマスターズを見ていたとき,12番は7番アイアンで打つホールだった。いまだと,9番アイアンかウェッジだね」
「なので,プレーヤーが7番アイアンを手にする距離にティーを下げる。ロリー・マキロイの7番アイアンは? パトリック・リードは? タイガー・ウッズなら? ジャックやアーニーが経験したのと同じスリルを,彼らにも味わってほしいんだ」
飛距離の数字はプレーヤーや情報源によって異なるものの,Trackmanの統計によれば,PGAツアー平均で7番アイアンのキャリーは172ヤード。ゆえに,ティーを下げてホールのヤーデージを165から185にするとしても,現在の12番ティーのうしろ30ヤードほどが確保できればいい。
Silva は言う。「この案を冒涜的だと思う人がいるであろうことは分かる。名医マッケンジーの作品に手を入れるなんてできない,ってね。だけど明らかに,彼の作品はゴルフというゲーム(の進化)によって変化させられてきた。私が望むのは,各ホールがマッケンジーが意図した方針に沿ってプレーされること。だから,12番も7番アイアンのホールにしたいんだ」
記事一覧
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