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俺のオーガスタ改装案|Vol. 5|11番ホール|Golf Digest

Golf Digest の記事です。ゴルフコース設計家10人に,マスターズ開催地 Augusta National の改装案を出してもらったらしい。8セクションある膨大な記事を,1セクションずつ訳していきます。

ソース

Masters 2019: We Redesigned Augusta National* - Golf Digest by Ron Whitten, 3 April 2019

Trees and mounds on 11

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John LaFoy 案|removing trees on the right

73歳の John LaFoy,サウスカロライナ州在住。この記事に出てくる中では最年長の設計家であり,唯一実際にオーガスタの改装にかつて関わったことがある。40年前,ベトナム戦争に従軍したあと,LaFoy は彼のメンターである設計家 George Cobb のもとで,当時のマスターズチェアマン Clifford Roberts の命によるいつかのプロジェクトに従事した。

「5年間にわたって,多くのティーを後方に移動した。13番のティーも当時としてはできるだけ後ろに下げた。2番ティーも,6番ティーも。13番のグリーンをやり直して,追肥で消えていた右後方の突き出たコントゥアを再設立した。18番グリーンのスロープもシャープにした」

LaFoy がもし今また改装するなら,11番ホールに取り組む。

「単純に,11番には木が多すぎる」

というのも2003年,11番ホールのランディングエリア右側に,36本の成熟した松の木を移植したのだ。ときのマスターズチェアマン Hootie Johnson いわく,「ティーショットの正確性に対するわれわれの長年の重要視のあらわれ」。クラブは2005年にも11番ホールにさらなる移植をし,しかし2007年には「パトロンたちの視界を考慮して」いくつか取り除かれている。結果的には,20年前のフェアウェイよりは遥かに狭くなっている。

「計算したんだ」と LaFoy は言う。「2000年,11番の左右の木々のあいだは280フィートあった。現在は160フィート。廊下は狭くなった。フェアウェイ自体はティーから290ヤード地点で115フィートだったが,今は100フィート幅しかない」

松の木の移植前は,プレーヤーはティーショットでフェアウェイ右端を狙い,グリーンに向かってストレートでダウンヒルなアプローチを狙った。フェアウェイ中央から左に着弾したティーショットの結果は,グリーン左手前の池の角をキャリーせざるをえないグリーンへのアプローチが残る。

「木を取り除くことは,グリーンへのベストなアングルを用意する。いまはグリーンへの攻め方がひとつしかない。みんな池と関わらざるをえないんだ」

「空撮写真を見ると分かるけど,今は松の木の細長い一群があって,左手にフェアウェイ,右手に細い草地がある。これらの木をどかして右に動かしたい。すると,いま木々があるところはだいたいフェアウェイになる。いま木々があるところにはコブをつくるかもしれないけど,そのエリアの大半はフェアウェイの刈高にしたい。いくつかのコブはセカンドカットにするけど」

「それらのコブはランダムに配置して,一定のパターンが存在しないようにする。やっかいなライが残るようにしたいんだ。そのエリアからはグリーンへのベストなアングルが確保されるけれど,変なライになってしまったら,フェアウェイ中央から打つよりは難しいセカンドショットになるかもしれない」

Kyle Franz 案|“kicker mounds”

36歳の Kyle Franz はこの稿ではもっとも若い設計家。彼もまた11番への変更案を提出したが,その狙いはティーショットではなくアプローチだ。

彼の案では,11番グリーンのすぐ手前にそびえる “kicker mounds” を復元させること。これは,セント・アンドリュース オールドコースにインスパイアされた,オリジナルのマッケンジーとジョーンズのデザインの一部だった。

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「その設計意図は,アプローチショットを,左の池を避けるようにグリーン面へと跳ね飛ばし送り込むものだった。安全右を狙って低いドローボールで攻めるプレーヤーは,法面を使ってグリーンにボールを運べる。これですべてのトラブルを回避できる。反対に,そのマウンドは弱いショットをきまぐれに右奥のピンから遠ざける。これは,ひとつの意匠がホールロケーションによってプレーヤーを助けも痛めつけもするという,教科書的な設計例です」

これらのマウンドはいまはサイズが小さくなったものの,歴然としてある。しかし,グリーンからは離れ,なんの効果もない。「数年前,マスターズ出場者がそのマウンドを利用してグリーンに乗せようとしたことがある。でも結果は,左に大きくボールが跳ねて池に入ってしまった。300人中ひとりが試みて,結果は最悪。マッケンジーは鳥肌が立つことだろう」

Franz 案では,グリーン近くにマウンドを再構築する。「ほぼグリーンに向かって全面的に」と,Franz。「うねる背骨のように,グリーンエッジに向かって,もしかしたらグリーン内にも入り込むように。これが私がマッケンジーに望むもの。グリーン外のコントゥアがグリーン内に入り込み,ボールを進ませつづけるというのが」

「形状はシンプルで穏やかなものにしたい。たぶん今のマウンドより2フィート高くしたい。かつてマウンドは高く,フェアウェイのある地点からの視界をさえぎっていたように見える」

Franz が強調するのは,これらマウンドの形状は,ボールを池に追いやるような急激な左向きのバウンスは起こるべきではないということ。

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