Linkslover

I want to be a window through which Japanese golfers can see what’s happening outside. TPI G2/P2.

どうしたら飛ぶようになったか/なるか

たまに同伴者から「どうしたらそんなに飛ぶんですか?」って訊かれることがあって――自分としては今の飛距離に満足しているわけではないにしろ――,そういうときは『風の大地』の沖田みたいに「振れば飛びます」って答えるんだけど,

そしたらこないだ「〈振る〉って何を振るの? 腕?」と訊かれて,おーそれはなかなか面白い質問だな,と。

ということで,「どうしたら飛ぶようになるか」について,自分の経緯や理屈やトレーニング方法などについてまとめておくのも有益かなと思った。

自分の経緯

まず自分が何をやってきたかについて。以前にスイングが崩壊して田渕さんに習ってから劇的に復活したって話は何度か書いてるけど,

〈T's Golf Academy 赤坂〉でレッスンを受けたら2か月でスコアが〈134〉から〈89〉になった - Linkslover

そのときにアイアンの飛距離は割と簡単に伸びたんですよね。いわゆるハンドファーストでのインパクトができるようになったからだと思うんだけど,

トラックマンで7番アイアンのショットを計測|1年前からキャリーが40yd伸びてた - Linkslover

逆にアイアンの飛距離ってこのころと今とでほとんど変わってないんですよね。

ここ1年ちょいで劇的に変わったのはドライバーの飛距離で,インドアシミュレーターでGCQuadの数値を見ながら試行錯誤したのが奏功した。

300ヤード打てましたえ|GCクワッドで自主練習 - Linkslover

ということで,〈飛ばすためには数値を見ながら試行錯誤する〉というのが最初に言えることでしょうか。

理屈

そうすると「何を〈試行錯誤〉すればいいのか」って話になるので,そこで〈理論〉に登場してもらう。

この記事は読み返すとわかりにくいところだらけだけど,

アマチュアゴルファーはいかにドライバーにエネルギーを伝えるか|Sasho MacKenzie - Linkslover

理屈としてはここに書かれていることと同じで,

バックスイングの技術 - Linkslover

「ヘッドスピードは《ハンドパスの距離》が長いほど,そして《ダウンスイング中にグリップにかけるフォースの平均値》が大きいほど速くなる。バックスイングを速くすると,切り返しのときにより大きな力が必要になるから,そうすれば結果的に《ダウンスイング中にグリップにかけるフォースの平均値》は大きくなる」

つまり,ヘッドスピードを上げるためには大きく言って,

  1. トップからインパクトまでのクラブヘッドが移動する距離を長くする
  2. その間にグリップにかける力を強くする

ということだと。ランダムにポイントを上げれば,トップは深い方がいいし,ショルダーターンは深い方がいいし,トップでクラブは倒れていた方がいいし*1,右を向いたままダウンスイングするイメージの方がいいし,そして体を効率的に使ってスイングした方がいいし…って話になる。

で,「グリップにかける力」っていうと握力とか腕力とかと誤解されそうだけど,たぶんそうじゃない。たまたま今読んでいる本*2にこういう記述があって,

腕の運動エネルギーは主に脚で地面を蹴って腰(骨盤)を回すことから生じます。腰の回転力が体幹を通って腕へと伝わっていくのです。たとえば野球の投球動作では腕の発揮する運動エネルギーの2/3割程度が脚,体幹から伝えられたエネルギーによることが明らかにされています。

ということで,いいスイングをするためには上半身(特に腕と手)の使い方を習得することは必須だけど,そこから出力を増すためには,脚の使い方を覚える必要がある。同じ本に「骨盤の回転は主に以下の3stepからなります」とあって,それは

  1. 軸足の蹴り 軸足の右脚による蹴り出しから動作を開始します。骨盤を左回転させながら前方に押し出します。
  2. 踏み込み脚のブレーキ 続いて踏み込み脚の左脚の着地で1.の並進運動する骨盤の左側にブレーキをかけることで左回りの回転力を生みます。この踏み込み脚のブレーキを一般に「壁」と呼びます。
  3. 踏み込み脚の「内股の締め」 さらに着地した踏み込み脚の「内股を締める」動きで骨盤に左回りの回転力を生じます。

だと。「内股を締める」っていうとまた沖田を思い出すんですけどね。

自分に必要だったのは〈オカマちゃん〉の脚 - Linkslover

理屈としてはこんな感じ。

トレーニング方法

で,ヘッドスピード向上に真面目に取り組もうと思えば,こうなる。

まずはスイング技術の改善。それからスピードトレーニング。そして筋力向上。スピードトレーニングでよく言われるのは,スピードトレーニングするときはスピードだけにフォーカスしろと。

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下の記事もいいこと書いてそうだけど,これはこれて別稿にするかな…。

Club Head Speed: Reverse Engineered - Fit For Golf : Fit For Golf

これら下支えとしてメンタルバリアの破壊というのがあると思っていて,つまり「自分はまだまだ速く振れる」っていう気持ちですね。

で,何を振るのか?

冒頭の疑問――「〈振る〉って何を振るの? 腕?」――に戻ると,これまた前掲の本に面白いことが書かれてた。

野球の投球動作なのでは「腕を振って」ボールを投げているイメージがあると思います。しかし,実際には肩関節を動作する腕の振り動作はあまり大きくありません。/ピッチング動作を真上から見た動きで見ると,腕を一番引いたところからリリースするまでの肩関節の動作(水平内転)量は30°程度と大きくありません。体幹が大きく回転しているのでその先の腕が大きく振られているように見えるのです。

投球動作においては「腕の振り(肩関節の水平内転等)」よりは「腕を内側にひねる動き(肩関節の内旋)」の方が大事らしいらしいけど,それはきっとゴルフスイングでも同じ。

で,何を振るかといえば「クラブヘッドを振る」あるいは「クラブヘッドを走らせる」ってことになるし,そのためにはよく言われるように「ムチのような動作で」って話になるし,「下半身の動きをうまいこと上半身の動きに連鎖させて」って話になるんでしょうか。月並みだけど。