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パッティングのラインがツアープレーヤーのパフォーマンスに与える影響|その傾向と,アマチュアがとれそうな対策|GolfWRX

「上りのストレート」がいちばん決めやすいラインだと思います? 下の図でいうと,6時からのライン。どうやらそうではないらしいんですね。さらにいうと,プレーヤーによって決めやすいサイドがあるし,パットが上手い人と下手な人とのあいだでは顕著な差があると。というような記事が,GolfWRXにありました。

なお,日本ではパッティングでも「右から左(左から右)」を「フックライン(スライスライン)」と呼びますが,「フック(スライス)」といういうのはあくまで空中を飛ぶボールに対してであって,英語では「right-to-left (letf-to-right)」と呼ぶのが一般的です。

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全般的な傾向

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PGAツアープロのデータを集め,10フィートからの成功確率に標準化した結果が,上の通り。これによると,いちばん成功確率が高いのは5時からのパット(上りの軽い左曲がり)。ついで12時から(下りのストレート),7時,4時ときて,6時(上りのストレート)はその次となっています。全体的に上りのパット(42.6%)の方が下り(36.7%)より決めやすいのは経験上納得できますし,左曲がり(37.9%)の方が右曲がり(35.8%)より成功確率のは,ツアープレーヤーに右利きが多いことの反映と言えるでしょう。

スキル別の傾向

Richy Werenski の場合

なぜこのプレーヤーが選ばれるかというと,データをとった期間の中で Strokes Gained Putting が0.000だったと。つまりは,平均的なパッティングスキルだと言えるわけですが,その人の傾向がこちら。

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全体的にいえば,「右曲がりより左曲がりのラインの方が得意」と言えるわけです。

Rory McIloryの場合

一方でマキロイなんですが,

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ということで,11時と1時のところを除いて,同じ角度なら「左曲がりより右曲がりの方が得意」ということです。(しっかしマキロイ,パッティング上手くはないのね)

Mackenzie Hughesの場合

Hughes は期間中の Strokes Gained Putting が8位ということで,パッティングが上手いと言えるでしょう。その人の傾向はどうかというと,

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ということで,全体的に成功確率が高い中,「右と左」で特にどちらが得意・苦手というのはなさそうです。筆者がいうには,これがパッティングの上手い人の特徴だとか。

もうひとつ筆者は面白いことを言っていて,ジム・フューリックが「58」のスコアを出したとき,ストレートじゃないラインはふたつしかなかったと。つまりは,もちろんいいショットを打ったからというのもあるけど,パッティングが決めやすいところにボールがついた(つけられた),というのも要因として大きいだろうということです。

パッティングの調子がいいときと悪いときとの違い

ここでビリー・ホーシェルのデータを見るんですが,まず平均時(左)と調子が悪いとき(右)とを比べると,左曲がりの方が得意という傾向は,調子が悪いときでも変わっていません。

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しかし,平均時(左)と調子がいいとき(右)とを比べると,その左右差というのはほぼないことに気づきます。

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結論

記事の中で,筆者は以下のように結論づけています。

  • ツアープレーヤーは全体的位は下りより上りのパットが得意
  • しかし,例外は12時のライン(ストレートなラインだけは上りより下りの方が成功確率が高い)
  • 右利きのツアープレーヤーにとっては,5時からのラインが最高のロケーション
  • 大半のツアープレーヤーは,右曲がり・左曲がりに関して得意・不得意がある
  • 右利きのプレーヤーが皆「左曲がりの方が得意」というわけではない(が,全体的には「左曲がり」の方が決めやすい)
  • パッティングの上手い人は右曲がり・左曲がり関係なく決められる
  • ほぼすべてのツアープレーヤーが5時・12時・6時のラインを好む
  • ストレートライン(6時・12時)が苦手なプレーヤーは,パッティングの下手な人
  • 調子のいいときは左右差が消える 調子の悪いときは左右差はそのまま

これを受けて,じゃあアマチュアはどうしたらいいのかというと,「まずはストレートなラインを練習して,そこの成功確率を上げるべし」「そのあとで,自分は右曲がり・左曲がりどちらが得意かを見極める」「それが分かったら,その原因をさぐる(ストロークのせいなのか,ラインの読みのせいなのか)」,ということだそうです。

ソース

How Different Kinds of Breaking Putts Affect Tour Player Performance – GolfWRX by Rich Hunt, 10 January 2018