ゴルフネットワークを観てると,内藤雄士が「松山英樹はアイアンショットがいいからパッティングのスタッツが悪く出る」的なことを言ってるのにたまに遭遇するんですが,ずっとそれを疑問視してたんですよね。
スタッツが良いの悪いのっていうのは,たぶんこの strokes gained でパッティングの順位が低いことを指してるんだと理解していますが,内藤雄士の言いたいのはたぶん「他のプレーヤーはグリーンを外すことが多いから外から寄せて1パットで決めることが多いけど,松山の場合はアイアンでグリーンに乗っちゃうから微妙な距離のパッティングになって,2パットとかあるいは3パットになっちゃう,だから strokes gained 的には悪いスタッツになっちゃう」っていうことなんだと思います。
いや,平均パット数で見ればそうなんだろうけど,strokes gained ってそういうもんじゃないじゃん,っていう……。
論より証拠。これを見れば一目瞭然なんですけど,
4−8フィートの成功確率で219位,10フィート以内で190位,10−15フィートからで147位,15−20フィートで179位,20−25フィートが逆に平均より良くて41位,25フィート以上で131位。ということで,ほとんどどの距離からも,松山のパッティングの成功確率は平均より下,です。
ちなみに,1ラウンドあたりの平均パット数は29.02で113位,GIR(パーオン)時の平均パット数は1.749で55位と,なんならそっちの方がツアー平均よりいいじゃんっていう。
ということで,内藤雄士の主張は否定されると思います。
なおこの記事は,松山英樹を貶めるものではなく,内藤雄士の strokes gained に対する誤解(あるいは間違った理解,あるいは意図的な印象操作)を解くためのものです。上記のスタッツはすべて,PGAツアー2020シーズン,The Players 開催前までのものです(ソース)。