Linkslover

I want to be a window through which Japanese golfers can see what’s happening outside. TPI G2/P2.

パッティング中間値の定理

「パットに型なし」と言われるように,パッティングって結果がバイナリーなので「入ったらなんでもいいじゃん」と思われがちだけど,当然ながら「入る確率を高める原理原則のようなもの」は存在するわけですよね。一方で「その人に何がマッチするか」は本当に人それぞれなので,パッティングに関して何かを断言する人――「これが絶対的に正しい!」って言う人――って,ちょっと疑ってかかった方がいいとは思ってる。

ということで,以下に述べるのはまさに〈私論〉で,僕個人の今現在の感覚でしかないんだけれど……と前置きした上で,以下で述べることの前半は TPI Golf Level 2 で学んだこと,およびペルツのバイブルに依ってます。

golf103.hatenablog.com

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人それぞれな部分

TPI Golf Level 2 のパッティングのパート――ジョン・ラームのコーチであるデイブ・フィリップスが語る――は得るものが多かった。中でも印象的だったのはふたつあって,ひとつは「スクエアの感覚は人それぞれだから,よく言われる〈左目の真下にボールを〉というのも絶対的なものではない」ということ,もうひとつは「デイブ自身はクラブフェースの開閉を抑えたいのであえて(トウハングの大きい)L字パターを使っている」ということ。

最初の「スクエアの感覚」については「視覚の癖」みたいな話に絡んでくるんだけど,とにかく大事なのは「ボールを真後ろから(正面から)ターゲットに向かって見たときのスクエアの感覚と,アドレスしたときのスクエアの感覚がズレないようにしたい」,ズレないというか,アドレスしたときにも同じようにスクエアだと感じられるようなセットアップをした方がいいということで,そのためにはスタンスはクローズでもオープンでもスクエアでもいいし,ボール位置も体から離れても近づいても目の真下でもいい。「なんでもいい」というよりは,とにかく人によって感覚は違うから,いろいろと試して自分に合うものを探そう,というのが大事かと。

……ということで,こないだインスタのReelか何かで見たやつで,「ストロークの幅はバックスイングよりフォワードスイングの方を小さくすべき」とか言ってる人がいたんだけど,それは「べき」って話じゃなく,自分に合うものを探ればいいだけだと思うんですよね。等幅がいいのかそうじゃないのか。(あとその人は「タイガー・ウッズはどんな距離のパットでもストローク幅が同じで,スイングのスピードで距離をコントロールする」って言ってたけど,ほんとか? 1フィートも30フィートも同じ幅で打てる?)

手首で打つかショルダーターンで打つか,それも人それぞれっていう気がするし,右手の感覚で打つか左手の感覚で打つかも,同じく人それぞれっていう気がする。

原理原則的なもの

一方でペルツの本は原理原則的なものを述べているんだけれど,いちばん面白いのはこれだった:

  • ゴルファーはほぼ例外なく,曲がりを浅く読む。
  • それをほぼ一貫して行なっている。
  • ゴルファーの大半は実際の曲がりの3分の1ぐらいの幅しか読んでいない。しかし実際には,65−75%ぐらいの幅で構え,85-95%の幅で打ち出している。

グリーンが読めなければ,どんなにいいストロークをしても意味がない。

  • 狙った方向に打ち出すのはパッティングのメカニクスの問題で,易しい部分だけど,適切なスピードで打ち出すのは,それよりも遥かに難しい。メカニクス以外に「フィール」や「タッチ」の問題が絡んでくるから。

フィールやタッチは練習(しかもランダム練習)で培うしかないと思うんだけれど,でもみんなが言うのは,「ボールの転がるスピードをイメージしろ」ということ。*1

フルスイングでも軌道を心の中で思い描くのは大事だけれど,パッティングでも同じようにインパクトからカップインまでのスピードやラインをイメージするのは大事。キャメロン・スミスは「インパクト時のスピードをイメージする人はよくいるけど,僕はカップインするときのスピードをイメージする」と語っている。

読みとタッチができたとして,最後に大事になるのは方向性。ペルツの本では,ボールの方向を決めるのはインパクト時のフェースアングルが約8割,ヘッドの軌道は2割もない,と書かれている。じゃあ,その〈正しいフェースアングル〉をどう確保するか。

パッティング中間値の定理

ここから先は,完全に持論,私論,個人的な感覚。自分はそれを〈パッティング中間値の定理〉と呼んでいるけれど,〈中間値の定理〉の定義からすれば,完全なる誤用です。

それはともかく,何が言いたいかというと,僕がパッティングのときに意識しているのは,パッティングストロークで切り返しのときに〈ストロークの終点〉を意識してそこに向かってストロークする,もっといえば〈ストロークの終点でパターヘッドがあるべき位置〉に向かってストロークする,ということ。

〈インパクト時のヘッドのスクエア〉を意識すると逆にプッシュしたりプルしたり手首が返ったりとかいうことが起こりやすいんだけど,〈終点〉を決めてそこに向かってストロークすれば,インパクトはその中間地点でしかないからそこで緩むこともパターフェースが良からぬ方を向くことも少なくなる……と思ってる。

……ということを書き残したいだけの投稿でした。