Linkslover

I want to be a window through which Japanese golfers can see what’s happening outside. TPI G2/P2.

ライダーカップ2023に行ってきた|Northerns Golf のヘッドカバーを手にして

羽田からシンガポール経由でロンドン→ロンドンでゴルフしたあとローマ入り→水曜日の練習日だけ見て→ローマからドーハ経由で成田,という無茶なスケジュールだったんですけどね。行ってよかった。そして,

golf103.hatenablog.com

こないだ書いた,「このヘッドカバーに関して少しタスクをいただいていまして」という話に繋がる。

ロンドンからローマへ

火曜日の朝,ロンドンのガトウィック空港でeasyJetに搭乗。前日のBBCニュースで「Gatwickは人手不足でフライトのキャンセルが相次いでいる。その影響を被っているのが(LCCの)easyJet」というのを目にして多少不安だったけど,僕のフライトは予定通りに動いた。

搭乗ゲートをすぎて搭乗を待つ列に並んだけど,そこにいるのがもう明らなにゴルファーだらけ。分かるでしょ,いい仕事してそうな白人のおっさんで,腹に脂がのってて,短パンで,上がCallawayのプルオーバーとかFJのフリースベストとか。ライダーカップのロゴ入りのキャップとか被っている人もちらほらいて,「ライダーカップってこっちの人にとっては想像以上に大ごとなんだな」と感じはじめた,火曜日の朝。

飛行機がローマに近づくころ,いつものように機長や客室乗務員からのアナウンスがあったけど,それにつづいて別の乗務員が,「下でお客さんに訊けって言われたんだけど,この中にライダーカップに行く人どれぐらいいる? 手あげて?」。7割ぐらいの人が挙手してた。

ローマからマルコシモーネ

今年のライダーカップを開催する Marco Simone Golf Club はローマ中心部から東に10マイルほど。会場には直接行けなくて,シャトルバスで行かなければいけない。

事前の情報では「会場につくまで1.5から2時間かかる」ときいていたので,朝イチの地下鉄に乗っていったけど,水曜日の朝はそんなに時間がかかることはまったくなく,さっさと会場に着いた。

昼間は30度近い気温になる9月末のローマだったけど,朝晩はとっても冷え込む。短パン半袖だけで行った自分を恨んだけど,日が出たらすぐに暖かくなり,そして暑くなった。

最近のヨーロッパ側でのライダーカップ開催地というと,グレンイーグルズ(2014)とかケルティックマナー(2010)とかそうだけど,でかいホテルが併設されてるところが多かったけど,マルコシモーネは違った。選手たちはローマのホテルに泊まってるのかな。ちなみに,4年後の甲斐幸であるアイルランドの Adare Manor は,豪華ホテルが併設です。

Adare Manor - Limerick, Ireland

そうやって,コースのクオリティーじゃなくて観客も含めた宿泊施設の有無で会場が決まっていることには賛否両論があるけれど,それについてはここでは深掘りしない。

会場内の雰囲気

入場ゲートをくぐると,コースにつくまでに〈ビレッジ〉が広がる。オープニングセレモニーが開催されたのもここだし,あとはスポンサーのブースとか,フードコートとか。イタリアだったのでメシには期待していたけれど,そこに出店していたのはイギリスの会社で,メシのレベルもイギリス。一緒に行ったイングランド人ですら,それについてはぶーたれてた。

1番と10番ティーのすぐ近くにドライビングレンジとチッピンググリーンとパッティンググリーンがあって,選手たちを追い回すには都合のいい作りになっている。

コースの印象

行った水曜日はヨーロッパチームが10番から18番ホールで練習したので,その9ホールしか見てない。ただそれでも明らかだったのは,Hillyで(アップダウンがきつくて),フェアウェイが狭くて,そして明らかにライダーカップを意識して作られたコースだなということ。

ドライバブルなパー4ホールが多くて,昨日きいてた放送でも「パー3ホールが7つある」とか言われていたけれど,顕著なのが16番パー4。約300ヤードでダウンヒル,グリーン右手前には池。試合になったら,バーディーがマスト,ポイントととるためにはイーグルが必要になってくるホール。練習日には当然みんなグリーンを狙って打ってたけど,フリートウッドが観客をあおって手拍子させて,その中でプレーヤーたちがティーショットしてた。

午後のオールスターマッチ

水曜日の午後は〈オールスターマッチ〉。ライダーカップ2010のキャプテンであるコリン・モンゴメリー(モンティー)とコーリー・ペイビンが率いる2チームに分かれて,セレブティーたちが7ホールで競うエキシビジョン。その中にはテニスのノバク・ジョコビッチとか,サッカーのガレス・ベイルとかアンドリー・シェフチェンコ(懐かしい!)がいた。

ガレスはよく知られているようにゴルフバカで,「レアルマドリードにいたときも,スペイン語は勉強せずにゴルフばっかりしてた」とか言われてるけど,シェフチェンコのティーショットは左右に散らばってたし,ジョコビッチは素振りを一度見れば明白なぐらい,ゴルフに関しては素人。

しかし! その16番ホールで,ガレスだけでなく,ジョコビッチもシェフチェンコもワンオンした。どのスポーツかとか関係なく,真のチャンピオンっていうのは決めるべきときに決める人たちなんだな。それを痛感した。

ジョコビッチはグリーンに来て「This is not normal」って言って観客を笑わせてて,どこにいってもジョコビッチはジョコビッチだなって感じだった。

話を午前に戻す

朝,ドライビングレンジにまっさきに現れたのは,ヨーロッパチームのルーキー,Ludvig Agerg。

1球ごとにスイングコーチと確認し,しかもバックスイングでのリバースピボットを気にしているようなジェスチャーだったけど,打たれた球にはそんな様子はまったく感じられない。ドライバーショットなんか,まさに弾丸。しかも,練習とはいえミスショットはひとつもない。USチームのサムバーンズが1球目,ウェッジの軽いショットをトップしたのとは対照的だった。リッキー・ファウラーもいい球打ってたけど,たまにアイアンでプルフックしてたし。

ブリッジを渡ってヨーロッパチームのプレーヤーが姿を見せるたびに,観客たちは拍手と歓声で向かい入れる。最高の雰囲気。

愛しのフリートウッドは,遅めにあらわれて,早めにドライビングレンジを去っていった。

ところで,プロの試合を見に行くのはこれが初めてだったので,普通はどういうセッティングになっているのか分からないけれど,マルコシモーネではドライビングレンジの選手たちに近寄れないようになっている。むむむ。

そして……

さて,〈タスク〉の話。

今回のローマ行きの前,Northerns Golf さんがフリートウッドの刺繍を練習していることは,インスタグラムのStoryとかで目にしていた。で,「出発前にそのヘッドカバーが完成したら,それ買ってローマに持っていって,トミーのサインもらっちゃおうかなー」って考えたんだけど,いや,まてよ,どうせなら〈使者〉としてそのヘッドカバーを持っていって,トミーに渡して使ってもらう方が遥かに面白くないかと思い直して。

そして完成品がこれ。ライダーカップ史上に残るトミーのうんこ座りガッツポーズだけじゃなく,裏にはFino(トミーのキャディー)の刺繍まである。これはかなり〈くすぐる〉なと,瞬時に思った。

はてさて。上記の通り,ドライビングレンジにあらわれたトミーはさっさと練習を終えたし,しかもドライビングレンジでは接触の可能性はない。まずい! と思って僕もドライビングレンジを走って去って,パッティンググリーンに向かった。このあたり,朝ニック・ファルドがいてそれに気づいた数名にサインしてたりして,唯一可能性があると思ってたんですよね。ヘッドカバーを渡すとしたら。

で,そこで待ち構えていたら,思った通りトミーたちが現れた。自分もふくめそこにいた人たちがみんな「Tommy!!」って声をかけてたけど,「ごめん,あとでね」って感じでトミーはすっと去っていった。

しかし! それに続いてFinoが歩いてたので,ヘッドカバーをバッグから取り出して見せながら「Fino!!!」って大声でよびかけたら(そんなことしたのは自分だけだったけど),「何?」みたいな感じでこっちに近づいてきた! それで,ざっくり事情を話して「これトミーに渡して」って言ったら,「オッケー,いいよ」みたいな感じでヘッドカバーを受け取ってくれた。Fino最高すぎる……。

練習ラウンドは,トミー/ラーム/ホブラン/ストラカが最初の組で,10番ホールからスタート。ティーイングエリアは人がいっぱいいたので,ランディングエリアに向かってそこで待ち構えていたけれど,トミーのバッグをよく見ると,さっき渡したばかりのヘッドカバーがそこに入っているではないか!!!

ということで,僕は人目もはばからずにそこでトミーばりのガッツポーズをしたのでした。

(とりあえず,おしまい)