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フリートウッドがライダーカップ2023を振り返る

ポッドキャストの前半はライダーカップ,後半は自分のアカデミーのこととかについて語っているけれど,とりあえず前半だけ。

ソース

The First Tee with DP World Tour

The First Tee with DP World Tour

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概要

2023のライダーカップを振り返って

個人的に,ライダーカップは素晴らしいものになっている。デビューは2018年のフランス,信じられないような成績を残してチームも勝利した。2021年の Whistling Straits では打ちのめされ,もう一度カップを取り戻したいという気持ちをチーム全体が強く抱いた。なので今回のライダーカップはそういった気持ちを抱いて臨んだ。チーム全体としてモチベーションが高かった。日曜日に実際に勝利することができて,個人的にはほっとした。

ライダーカップでプレーするのはどんな気持ちか

ライダーカップは感情的なローラーコースター。それに慣れることは決してない。金曜日と土曜日,午前のセッションを終えると,体は疲れるわけではないが,精神的にはぐったりする。それを午後のセッションに向けてもう一度立て直すのが大変。すべてのポイントがものをいうから。ライダーカップを終えて普通のトーナメントに戻ると,とっても静かに感じる。

ルーク・ドナルドのキャプテンシーについて

ルークはすべてのプロセスにおいて素晴らしいキャプテンだった。ルークが現役のプレーしているということも,プレーヤーたちとのコミュニケーションという観点から素晴らしいこと。個人的にはライダーカップの前からルークとはいい関係だったし,一緒に食事や練習ラウンドもよくしていたので,それも自分にとっては良かった。実際の大会の数週間前にチーム全体でローマにきて練習をしたけれど,それは全体のプロセスのなかでいちばん良かったこと。チームミーティングでのルークの話し方も素晴らしかったし,チーム全体が彼の言葉に耳を傾けていた。

フォーサムでのマキロイとの組み合わせ

前のライダーカップでもロリーとは近い関係にあったけど,一緒にプレーすることはなかった。フォーサムに対するルークの考え方として,似ているボールでプレーしているプレーヤーたちを組にしようと。実際ロリーのボールと自分のボールは違うけれど,ロリーは自分のボールに簡単にアジャストしてくれた。だからルーク的には,フォーサムの組み合わせでいちばん重視したのがボール。ロリーとは仲がいいし,彼と一緒にプレーするのはもちろん素晴らしいこと。プレースタイル的にも合っている。

マキロイのティーショットのあとで2打目を打つ気分は

大会の2週間前にチーム全体でローマで練習したとき,ロリーと自分,ビクターとルドビグという組み合わせだった。副キャプテンのひとりであるエドゥアルド・モリナーリがコースレポートを持ってきてくれて,すべてのホールで理想のティーショットの位置に印がつけれられていたけれど,1番ホールでロリーはその理想の位置を30ヤード超えて,フェアウェイの真ん中にティーショットを打った。「ロリーとフォーサムを組むのはまったく問題ない」と思ったねw

金曜日のフォーサムでショフレ/カントレー組と対戦したこと

彼らは2021年のライダーカップのフォーサムでは負けなしだったし,手ごわい相手。自分とロリーもいいペアだけど。そういうベストなプレーヤー,ベストなペアと対戦するというのは素晴らしいこと。そういったペアからポイントを獲れて良かった。

マキロイと Joe LaCava との騒動について

もちろんそれはチームに火をつけた。でもそういうこともライダーカップの一部。みんな何かを見つけては,それをモチベーションに変えて戦う。

日曜日に11番目のプレーヤーとしてスタートしたこと

11番目のスタートというのは,間違いなく奇妙なポジションではある。日曜日のシングルスは,それまでの2日間とは違う。ティータイムは広がっているから,自分がウォームアップをしているときには,最初の組はだいぶ先まで進んでいて,観客もそれについていっているから,恐ろしく静かな中でウォームアップすることになる。

2021年のライダーカップでも自分は11番目にスタートした。そのときはジョーダン・スピースとの対戦だったけど,自分らがスタートするまでにはほとんど勝負がついていた。もちろんジョーダンとの対戦には勝ちたいけれど,チームとしてライダーカップを奪えるかどうかが一番の問題だから。そういう状況もありうるし,一方で11番目にスタートすると,カップの行方が自分の対戦にかかってくるということもある。そうなったらいきなりプレッシャーが襲い掛かってくる。そういう意味で,複数のシナリオが考えられる。もちろん11番目のスタートは自分から望んだものではなかったし,ルークも「きっと11番目には出たくないだろうけどさ…」って言ってくれた。

シングルスで大事なのは,スコアボードに一喜一憂しないこと。フォーボールはホールを獲るのが難しくて,バーディーかそれ以上じゃないとスコアボードの数字を変えられないけれど,シングルスの場合はパーとかボギーとかでもホールを獲れることがある。だから自分もスコアボードには左右されないように,自分のポイント,その時その時に集中するようにした。実際はボードを見てギクッとしたりしたけど,でも自分がそういう位置にいれたというのは素晴らしいことだった。

コースの16番から18番ホールについて

16番パー4はイーグルもあればダブルボギーもある,ドライバブルなホール。17番は恐ろしいパー3。18番はパー5だから,いろんなことが起こりうる。2021年にイタリアンオープンで同じコースをプレーしたときも皆で言ってたんだけど,「ライダーカップのフィニッシングホールズとしては素晴らしいものになるね」って。

16番ホールのクラブ選択。リッキーがティーショットを池に入れて,キャディーのイアンとは何を話したか

そのときの会話でいちばん誇りに思っていることは,なんてすごい瞬間に自分たちは今いるんだろう,ということ。選択肢はふたつあって,ひとつはミニドライバー。でもそれだとだいたい左にショートする。でもリッキーが池に打ち込んだからといって,ショートするようなことはしたくなかった。あの瞬間,自分は「あとひとついいショットを打てば,ライダーカップを手に入れられる」という状況。それでドライバーを手にし,いつも通りにティーショットした。ボールは右に行くことはなかった。そう,そういう感じだった。見上げたらボールはまっすぐ飛んでいた。

ボールがクラブフェースから離れた瞬間,決まったっと思った?

分からなかったよw ライダーカップのあとでSNSとかでクリップを見ることはあったけど,ライダーカップを見直してはいない。実際あのショットは日差しが眩しくて,どこに飛んだか見えてない。だから観客の歓声で判断するしかなかった。1回目の歓声はボールがグリーンに落ちたとき。2回目の歓声はボールがグリーンにとどまったとき。それで自分は鳥肌が立った。それはとってもとってもクールな感覚。

リッキーがパットをコンシードしたことに驚いた?

あれはみんな思うよりは短いパットだったよ。もちろんコンシードする必要はなかったけれど,2フィートのパット。金曜日にロリーが17番で打ったショットも2フィートについて,でもそれはコンシードされなくて自分がパットした。それと同じぐらいの長さ。もちろん喜んでボールをピックアップしたけどねw 自分があのパットをミスするとは思わないけど,でもある意味で,ちょっと不満。だって人々が言うのはふたつあって,ひとつは「最高のティーショットだった」,もうひとつは「コンシードすべきじゃなかった」w リッキーは「これは外さないでしょ」と言ったけど。

ライダーカップではいいプレーができる? それとも別種のゴルフ?

別のタイプのゴルフだろうね。最初のライダーカップは自分にとって最高にラッキーで,フランチェスコ・モリナーリと一緒にプレーして,彼は人生最高のゴルフをそのときしていたし,自分もいいプレーができている時期だった。最初のライダーカップとしては,あれ以上に居心地のいいものは考えられない。2021年はチーム全体にとって厳しいものだったし,自分のプレーもまあまあだった。そして今回の大会は自分もいい状態で臨めた。チームゴルフはいいものだし,全体がいい気分で臨めている。自分もパートナーたちに恵まれたし。

ライダーカップの意味合い

よくみんなで言ってるけど,自分たちは長くつづいてきた歴史と,これから長くつづく歴史の中継地点にいるって。自分たちの仕事としては,ライダーカップのそういうレガシーを受け止めて,先につなげること。ライダーカップはみんなのキャリアにとって重要な位置を占めている。個人としていい成績が収められるに越したことはないけれど,なにより大切なのはチームとして優勝することだし,その一部であること。カップのレガシーに何かを付け加えること。そういうレガシーは,プレーヤー個人の中にもヨーロピアンツアーの中にも生きている。

「アウェイのライダーカップで勝つことはスポーツ界でいちばん難しい」とマキロイは言っていたが

その通り。ゴルフの中だけじゃなく,スポーツ界全体で。次のライダーカップはUSで,しかもNYのベスページ。そこで勝つというのは大変だけど,チームにモチベーションを与えてくれる。今年ローマでの大会に臨んだとき,自分たちは2年前の負け方にがっかりしていたし,何かを証明する必要があると感じていた。またこれから次回の大会に向けてチームのクオリフィケーションがはじまっていくけれど,高い志で臨みたい。

アウェイの難しさはファン? それともコース?

全部だね。ファンの存在はとても重要。どんな瞬間でもファンが乗せてくれるし,それはとても大きい。自分のプレーがうまくいっていないときでも,観客の声援が乗せてくれる。ルークは観客を盛り上げるのもとてもうまかった。でもアウェイだとまったく逆の状況。チームは12人だけから成るものじゃない。観客もふくめてみんなで戦っている。

次回のキャプテンもルークになってほしい?

これまでのライダーカップも自分はキャプテンに恵まれていた。トーマス・ビヨーンもパドレグ・ハリントンもルークも,みんな自分に近い存在。でも最終的にはルークが決めることだし,奥さんのダイアンが決めること。ライダーカップのキャプテンは重責だから。でもロリーが記者会見で言ってたけど,僕らはみんなルークのリーダーシップのもとでプレーできてハッピー。