どうもここ数日,Nike VR Pro Blade アイアンが気になってしょうがない。というか,ネットオークションで検索しては,その値段を見て購入をためらっている,というのがつづいている。なんでこんなに気になるのか,この思いを吐露したい。根底にあるのは「いま使ってるMP-4への不信感と飽き」そして「フリートウッドが長らく愛用していたアイアンへの好奇心」なんだけど,少しずつ詳しく書いていく。
フリートウッドが使っていたから
VR Proが気になる直接の理由は,「フリートウッドが使っていたから」。彼はテーラーメイドのP7TWに変えるまでずっとVR Proを使っていたし,2018年USオープンでのインタビューでは「もう替えがないから,アイアンが傷つきそうな状況では,アイアンを壊さないようにウェッジで出す」なんて言ってたぐらい。
WITB|トミー・フリートウッド|2018年6月17日|U.S. Open - Linkslover
で,そんなフリートウッドに対してポール・ケイシーが「俺,いっぱいもってるから売ろうか?」と言ったのも有名な話だけど,
ケイシーからフリートウッドへのメッセージ|Nike VR Pro Blade ってそんなにいいのか - Linkslover
Paul Casey trolls Tommy Fleetwood with Nike VR Pro irons
改めてこのGOLF.comの記事を見て思ったのが,
2種類のVR?
フリートウッド(TF)の方はバックが「VR Pro」のロゴで,マッスル部分(っていうのか)のラインが真っ直ぐ。一方でケイシー(PC)の方は,バックのロゴが「VR」だけで,ラインは少し湾曲しており,しかも赤いラインが入ってる。
ってことで,フリートウッドがケイシーのアイアンを買わなかったのは,PCのスタンプがあるのもさることながら,そもそも違うモデルだったからじゃないか,って気もした。(よく見たらケイシーは2種類のヘッド持ってますね)
USGAのデータベースで調べる
たまにこの「VR Pro」を「VR Pro II」って表記しているのも見かけて,なんかよく分からなくなってきたので,USGAのクラブデータベースでNikeのアイアンを調べてみた。
Informational Club Database | United States Golf Association
分かったのは,
- 「VR Pro II」なるものはない(少なくともこのデータベースには)
- フリートウッドが使っていたのは「VR Pro」
- 一方で「Vr Forged TW」というタイガーのロゴ入りモデルはある
- このTWモデルは「Victory Red Forged TW Blade」などと呼ばれたりするが,このデータベース上ではそうは登録されていない(あくまで「Vr Forged TW」)
ということ。比較のために,入手可能だった2番アイアンのヘッドの写真を並べる。
いろいろ見てみると,VR Forged TW は2008年発売,VR Pro がその改良版ってことで2010年発売。GolfWRXの記事によれば,
The Big Review – Nike VR Pro Blades and VR Pro Combo Irons – GolfWRX
- VR Pro は VR Forged TW の改良版で,溝規制に対応するもの
- 同時に発売された「VR Pro Combo」は,8番からPWが同じブレード,5番から7番までがスプリットキャビティ,3番と4番がポケットキャビティ
とのこと。BladeとComboの3番・7番・PWの比較は以下の通り。
あー,すっきりした。
いや,すっきりしてない
本題。で,なんでMP-4を持っているのに,ってとこ。
いま使っているMP-4は,今年の2月に買ったばかり。以前PXi6.0がささっていたMP-4は売って,お目当てのPX6.0がささっているMP-4を,わりといい状態で入手したもの。
なんだけど,このアイアン,簡易的に計測したところ,どうやらロフトもライ角も長さも標準的なスペックではなさそうということが,買ったあとに判明した。まぁ別にラウンドしてても変な球が出るとか思った飛距離が出ないとかではないので,プラグマティックな観点からすれば問題ないんだけど,ただなんとなく,心の奥底で,その「標準的なスペックじゃない」というところが引っかかってる,んだと思う。
あとまぁものすごく身勝手な話なんだけど,この形状に飽きてきた。真ん中が盛り上がっているところ。
当初は「これぞ曲線美ぃ」とか思ってたんだけど,VR Pro とかその流れを汲むP7TWとかをみると,こういうフラットなマッスルバックも打ってみたい(というか所有してみたい)なぁって。
だったらMPでも14とか29とか37とかでもいいじゃんって話があるけど,そこまで古いのにさかのぼりたくないし,リシャフト面倒だし,あとなんとなく,気持ちがミズノから離れていってる。
Nikeの打感?
MP使っててNikeに変えたら打感で満足しないでしょ,って声が聞こえてきそう。実際,Vapor Pro の打感は良くなかった。ルックスは最高だったんだけど。
なんだけど,VR Pro のキャビティのやつは悪くないというか,キャビティであれならマッスルバックならもうちょっといいんじゃないかっていう,かすかな期待はある。
そもそも打感とかそんなに拘る方じゃないし,「柔らかけりゃそれでいいのか」って思ってるフシもあるので……。でもこればっかりは打ってみないと分からない。そこが(値段と並んで)ネックになってるのは確か。
まぁ,中古で買った VR Pro が,今のMP-4みたいに変なスペックになっている可能性もなくはないけど,これは最初から調整に出す前提で。
他じゃダメなのか
他で気になるのはP7TWとMP-20だけど,P7TWは高すぎなのと,個人的にはそんなに「タイガー神!」って崇拝してるわけでもないので(いや,すごいプレーヤーなのは間違いないですが),そこまでカネ出せない。
MP-20もいいんだけど,上記の通り,自分の気持ちのミズノ離れ。
Ping Blueprint って手もなくはないけど,自分の中でストーリー性が弱い。TitleistもCallawayもいいマッスルバック作ってると思うけど,自分との関連性がない。「ふーん」って感じ。
最近ニクラウスとのコラボが話題になった三浦? なんとなく三浦って自分の「雰囲気」に合わないと思ってるのと,あとは「マッスルバックはヒール寄りで打つもの」っていう会長の思想と相容れない気がしている。
まぁ結局は,Nike好きなんすよ。きっと。
スペックの比較
いちおう最後に,標準的なスペックの比較を。
- ロフトは,6番以降で VP Pro の方が1度寝てる
- ライ角は VR Pro の方が少しだけ大きい(アップライト)
- バウンスは VR Pro の方が大きめ
- オフセットは番手でが下がるほど関係が逆転する
比較したものの,細かいことを気にしてもしょうがないので,あとはもう決断するしかないのかなぁ……。
そうそうそういえば。VR Pro でプロに支給されたのってサテンメッキなんだけど,市販品はミラーという違いがあるらしい。