ローマに行く前にロンドンに立ち寄ったけど*1,それは当然ゴルフをするため。下調べをいろいろした結果,SurreyにあるWoking Golf Clubでラウンドしようと決めたというのは,前回書いた通りです。*2
前置き|ポーツマス
朝,ヒースローでクルマを借りたものの,ティーオフは午後1時半だったので,午前中はポーツマスまでドライブして時間をつぶした。余談だけど,〈ポーツマス条約〉のポーツマスは,アメリカのニューハンプシャー州。イギリスのポーツマスは,ハンプシャーにある。*3
このポーツマス,海沿いの道を人々がのどかに散歩するリッチな街。なんとも美しい光景だったので,次は泊まりで来てゆっくりゴルフしたいなと思った。
ロンドンに戻ってWokingに向かう。ゴルフクラブ周辺は,これまたリッチな住宅地。クラブのエントランスはゲートで仕切られ,「ビジターは事前予約した人のみ」という,なんとも見慣れた感じの光景。
一見スカした感じに思われるかもしれないが,でもビジターを(僕のようにおひとり様であっても)快く向かい入れてくれるのが,イギリスのゴルフ場のいいところだと,改めて思った。
ラウンド前に
こういったコースを訪れると,だいたい目にするのがこれ,〈TOP 100〉。あるメディアがゴルフコースのランキングをし,100位以内に入るとこんなものがクラブに贈られる。クラブ側はTOP100入りしていることを重視し,目につくところに飾る。
あとこれ,めっちゃ懐かしい!〈Three Jovial Golfers in Search of the Perfect Course〉というやつで*4,もともとは1934年にタバコ製品につけられていたカードセットとかなんとか。
ゴルフ設計的に興味深いホールをこんな感じのイラストとテキストで紹介するやつで,全36枚(36ホール)あるうちのひとつが,このWokingの4番。
この36ホールを選んだのはバーナード・ダーウィン(あの博物学者チャールズ・ダーウィンの孫であり,ゴルフ作家であり,ハイレベルなアマチュアゴルファーであり,ゴルフ殿堂入りもしている)。彼はこのクラブのキャプテンだった。
テラスでランチ。ここからは14番,15番,18番ホールが見渡せる。開放感があって,なんとも気持ちがいい。
すぐ目の前にあるのは,14番ホールのグリーン。グリーン右手前にはヘザーがあって,そこに打ち込んだ人がボールを探すのに難儀していた。これがヒースランドコースの面白さ。バンカーでも水でも木でもない。ただそこに生えているだけなのに,強烈なペナルになる。それでいて,緑とのコントラストで,見た目には美しい。
プロショップでチェックイン。レンタルクラブはミズノ。
このコースでプレーする際のアドバイスをクラブプロに訊いたところ,「距離は短いからその点では難しくないんだけど,知っての通りバンカーの配置が戦略的。グリーンは大きくてアンジュレーションがきついから,ピンに向かってどういうアングルで攻めるかがポイントだね。上りのパットが残せれば,バーディーチャンスだよ」とのこと。
Hole By Hole
1番パー4
ドライバブルな距離だけど,ティーからグリーンは見えない。下の写真でいうと,左奥方向にグリーンがあるかたち。グリーンも右奥転がり落ちていくスロープなので,フェアウェイ右からのアプローチは少し気を使う。
2番パー3
開放感がありながら,左右の木々が見た目を引き締めている。谷越え自体は問題にならないけれど,グリーン左手前のスロープは緊張感を抱かせる。
3番パー4
右ドッグレッグ。フェアウェイは右から左に急傾斜。ティーショットは打ち下ろし,アプローチショットは打ち上げになる。グリーンコンプレックスが絶妙。
4番パー4
歴史的なホール。〈戦略的コース設計〉は,フェアウェイに配置されたこのふたつのバンカーから始まったと言われている。といってもそのバンカーは,楽にキャリーできるところにあるので,現代のゴルフでは戦略的意味が薄れているのだが,ホール右にはすぐ線路があってOBになるので,グリーン左手前をガードしているバンカーと相まって,いそいろと考えさせられるのが楽しい。
ティーイングエリアは高いところにあるので,ホールの全体像が見渡せるのがまた素晴らしい。
5番パー4
ほぼストレートなホールだけど,左右の木々とバンカー,右からせり出すヘザーが頭を使わせる。
6番パー4
ティーイングエリアからの光景は素晴らしい。グリーン手前,右奥から左手前にクリークが走る。
7番パー3
見た目的には少しウィーク。
8番パー4
右ドッグレッグ。フェアウェイ左右のヘザーが,ティーショットに気を使わせる。
9番パー4
今度は左ドッグレッグ。グリーンへのアプローチは急な打ち上げになるので,ティーショットで安全にいくと2打目が大変。
10番パー3
高いところにあるホールなので,特にグリーンから見下ろす光景は素敵。ティーイングエリアの光景は牧歌的といえば牧歌的だけど,パークランド風でちょっとダルでもある。
11番パー4
右ドッグレッグ。木とヘザーと芝とのコントラストが,良い。ここは確かグリーンのアンジュレーションが強烈で,ドラマはそこにある。
12番パー4
長さ的にはさほどではないけれど,このコースにしては珍しく,グリーン手前をバンカー群ががっちりガードしている。
13番パー4
左ドッグレッグ。ティーショットさえうまく打てれば問題のないホール。
14番パー5
クラブハウスに向かっていく14番。ティーをショットは軽いフェードが要求されて,フェアウェイ右には堀の深いバンカーが待ち構える。フェアウェイは広いので2打目をレイアップを気楽に打ちたくなるが,アプローチショットでグリーン右手前に外すとリカバリーが難しいので,やはりグリーンへの正しいアングルが求められる。
15番パー5
つづけてパー5ホール。シンプルなレイアウト。
16番パー3
PWとかGWぐらいの距離。写真左から2番目のバンカーはグリーンのだいぶ手前にあるのでトラップ。
17番パー4
ただストレートなホール。
18番パー4
グリーン右に池。最後の最後で池がプレーにからんでくる。ドライバブルな長さではあるけれど,あえて狙うかどうか。狙うにしても,いい感じのフェードが必要。
といったところ。どちらかといえば,前半の方が変化に富んで面白い。自分なら,ドォークスケールで6。歴史的価値がある分,それにプラス0.5といったところ。
Play By Play
手短に
- 1番パー4
- 3Hでトップ,6iでレイアップ,LWでベタピン,1パットのパー
- 2番パー3
- 6iがトップのプッシュ,ラフから2打目がバンカーに,ダボ
- 3番パー4
- 5Wでフェアウェイだけど右,9iが木に当たる,40ydぐらいから寄せワンでパー
- 4番パー4
- 5Wがスライスだけど木に当たって右ラフに落ちた,90ydぐらいを右に外す,チップでトップ,結果ダボ
- 5番パー4
- 5Wがスライスして右のヘザー,木がスタイミーだったのでフックでグリーンを狙うがバンカーに,ボギー
- 6番パー4
- 1Wでフェアウェイ,ショートアイアンのアプローチショットでグリーン右に外す,ボギー
- 7番パー3
- ショートアイアンでグリーン右に外す,ボギー
- 8番パー4
- 1Wでフェードでフェアウェイ,楽にパー
- 9番パー4
- 1Wでショートカットを狙ったけど軽くプッシュして右ラフ,6iでグリーンを狙ったけどラフに食われて全然届かない,3打目もいちばん打っちゃいけないグリーン右に外す,ダボ
- 10番パー3
- ショートアイアンでグリーン右に外す,ボギー
- 11番パー4
- 1Wでいいティーショット,無難なアプローチ,パー
- 12番パー4
- 1Wでフェアウェイだけど右,9iのアプローチショットが木に当たる,ボギー
- 13番パー4
- 難なくパー
- 14番パー5
- フェード狙いの1Wが曲がりすぎて右のヘザー,7iでレイアップ,90ydぐらいのアプローチをグリーン右に外す,ボギー
- 15番パー5
- 1Wはフェアウェイ,5Wでグリーンを狙ったらトップしてフェアウェイ左のヘザーに,出すのに難儀してダボ
- 16番パー3
- GWのティーショットでショート,チップが大きくてグリーン奥にこぼれる,ボギー
- 17番パー4
- 1Wがドローかかりきらずに右のヘザーに,レイアップ,ボギー
- 18番パー4
- 1Wでフェードでグリーンを狙ったが曲がりが強すぎてグリーンに届かない,寄せきれずにパー
*1:ライダーカップ2023に行ってきた|Northerns Golf のヘッドカバーを手にして - Linkslover
*2:ロンドンから日帰りでいけるコースを求めて……|イングランドの穴場コース - Linkslover
*3:出発前にイングランド人の同僚に「ポーツマスってあの条約の?」って訊いたら,「そんな条約,しらね」と。よくよく考えたら,ポーツマス条約は日露戦争の講和条約なので,イングランド人が知る由もない。
*4:1934 Churchman Three Jovial Golfers in Search of the Perfect Course Set and Checklist | Pre-War Cards