Linkslover

I want to be a window through which Japanese golfers can see what’s happening outside. TPI G2/P2.

トミー・フリートウッドのスイング哲学|Golf Digest

kkがGDOの記事をシェアしてくれました。USの Golf Digest 誌の記事を訳した,トミー・フリートウッドのインストラクションです。

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https://lesson.golfdigest.co.jp/lesson/world/article/75267/1/

元記事はこちら。

Tommy Fleetwood: Through-The-Bag Advice To Hit Any Target | Instruction | Golf Digest

この中で一番トミーっぽいのは,アイアンショットのところ。

ツアーでは、ダウンブローにスイングして、インパクトで前腕を回転させてフェースを返し、ボールをつかまえる選手がたくさんいる。僕は違う。彼らと同じようにインサイドから振り下ろすけど、体を回転させ続けることでインパクト時にフェースをスクエアにする。右手は左手の下にあって、前腕の回転や手首を返す動きはほとんどない。この動きをするアマチュアはよく見るけれど、手を使い過ぎると弾道のコントロールは難しい。

そうではなく、手と腕を受け身にして、インパクトを通してクラブが体を追いかけるようにする。これは体を回転させ続けなければいけないということ。回転を先行させて、手やクラブは体に引っ張られる。こうすると前腕の回転を使うことなく、インサイドに振り下ろしてフェースをスクエアにできる。打ち終わった後も、前腕はそんなに回らない。こういったスイングはタイミングへの依存度が低い。たとえタイミングを外しても、ミスはそこまでひどくない。

彼にとっては,「胴体と腕との同調」とか「いかに腕を受動的に使うか」ということが大事で,そのことは以下の動画からもうかがえます。おすすめの練習方法として「ハーフショット」をあげています。こうすることで,ドローでもフェードでもクラブの動きを確認しながら打つことができると。

www.youtube.com

ところで,上記の元記事にあって翻訳されていないのが,以下の箇所。

Something that will help shallow your approach and take spin off the ball is to focus on your left shoulder. It starts by moving toward the target in the downswing, but there's a point where it shouldn't go any farther forward, or you'll get out in front of the ball and chop down on it. Instead, you want your left shoulder to move up and away from the target about halfway down. You can check this by putting a club or alignment stick on the ground perpendicular to your stance and off the heel of your front foot. It represents ball position. When you swing down, don't let your left shoulder pass that line. Instead, move it up and away from the target. That will shallow your swing, so you can keep the club square through the hitting area and hit up on the ball more.

クラブヘッドの軌道をシャローにしてスピンをかけすぎないために注目したいのは,左肩。ダウンスイングの初期はターゲット方向に動くが,ある地点を境に(ハーフウェイダウンあたりから)左肩は上方に動く。これを確認するために,アライメントスティックをスタンスに垂直に,左足踵の内側に置いてみるといい。それがボール位置を示す。ダウンスイングで,左肩がこのラインを越えないようにする。こうすることで,ヒッティングエリアでクラブフェースをスクエアに保つことができるんだ。

トミーが本当にこんな動きをしているかどうかは,以下の動画がわかりやすいと思います。

www.youtube.com

インストラクションの難しさ

以上が,フリートウッドがいろんなとこで言っている swing thoughts(スイング哲学)なんですが,これを鵜呑みにするのも危険だって話もあるんですよね。

たとえば,フリートウッドは前腕を積極的には使っていないけど,受動的には使っている。ヒッティングエリアで「クラブフェースをスクエアにに保つ」という意識は持っているだろうけど,実際にスクエアになっているかどうかはわからないし,「スクエアに保つ」ことだけを意識してガチガチにスイングすると,たぶんいろんな力に負けてダフるだけ。そして大前提として,胴体と腕が同調して前腕が受動的にスムーズに動くためには,それなりのセットアップが必要になる。

(そういえば最近,高野さんも「肘から先の運動」について書かれましたね)

ゴルフの本質(1) 〜またまた肘から先の運動について〜 | 高野裕正 ゴルフコーチ兼トレーナーのブログ ~~クラブと身体からスイング運動を掘り下げる~~

「左肩を上げる」動きにしても,トミーが言うように「体を回転しつづけ」ながら「左肩を上げる」のは単純な動作ではなくて,そこには側屈の動きが入り,そのためには柔軟性が必要で,そして「左肩を上げる」ためにはもしかしたら体の別の箇所の動き(例えば「頭を下げる」とか)を意識した方がうまくいくことがある(僕自身はそうでした)。

ってな感じで,いろんなことを考えさせるた,トミー・フリートウッドの記事でした。

#### 追記|2020-08-28

いま読み返すと,最後に付け足した自分の感想はまったくもって蛇足だったなぁと思うんですが,記録のために残しておきます。