Linkslover

I want to be a window through which Japanese golfers can see what’s happening outside. TPI G2/P2.

シングルレングスアイアンが生まれた瞬間

アラン・シプナックの『LIV AND LET DIE』をいま読んでいて,読み終わったらまたここで書くけれど,

LIV and Let Die

LIV and Let Die

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その中に山ほどある面白いエピソード中のひとつに,ブライソン・デシャンボーのシングルレングスアイアン誕生秘話があった。

生まれた瞬間

『The Golfing Machine』に触発され,「すべてのクラブを同じプレーンで振る!」と決めたデシャンボー(ただしドライバーと3番ウッドとハイブリッドは除く)。NikeのVRアイアンを手に取り,クラブの長さはすべて37.5インチとした(普通のアイアンなら6番か7番の長さ)。

計算により,クラブヘッドの重さは282グラムが良かろうと決めたデシャンボーは,それより軽いものには鉛テープを貼り,軽いものはクラブヘッドの後ろにドリルで穴を開けて軽くした。

さて,完成したプロトタイプを手にして,いつものコースに向かったデシャンボー。1番ホールのフェアウェイ,ピンまで残り160ヤードの地点から,デシャンボーは8番アイアンを選んだ。クラブは少し長くそして軽く感じられたが,気持ち悪いほどでもない。放たれたショットは美しいドローで,ピンハイについた。

2番ホール。ピンまでは210ヤード。彼が選んだのは5番アイアン。これがシングルスレングスアイアンが試される瞬間だと思った。伝統的なアイアンより短く軽いロングアイアンが機能するならば,シングルレングスアイアンは成功と言えるだろう。

ショットを放った。「ボールが空中にある瞬間は永遠に感じられた」と彼は言う。その結果は? 20ヤードショートか? 20ヤードロングか? ボールが落ちたのはフラッグから3フィート。

革命はこうして始まった。