Linkslover

I want to be a window through which Japanese golfers can see what’s happening outside. TPI G2/P2.

続:〈シャローイング〉って結局なんだ?

正編*1はまったく反響がありませんでしたが,自分としては思っていたことを書きまとめたので達成感が得られたと同時に,整理された考えの上にさらにまた考えを積み重ねられるようになりました。

その続編。

体の使い方から考えると

前回言ったかったのは,「シャローイングするとボールとクラブヘッドとの距離が遠くなるから,インパクトまでの時間が稼げる。それが嬉しい」ということだったんですが,これはクラブの方から見たときの話。

一方で,体の使い方から考えると,体はねじれるだけねじった方がいいというのは,なんとなく思うこと。なぜなら,その方が伸張反射によってスピードが出るし,動作が安定するから。普通「ねじる」というと,「捻転」や「Xファクター」と呼ばれる,ショルダーラインと骨盤との角度が注目されますが,それに加えてさらにねじれるところがある。それは,肩甲骨。

特に,肩甲骨の時計回りの動きといいますか,左のは外旋して右のは内旋する。これに合わせて両腕も回しちゃえば,もう限界までねじったことになります。これでゴルフのアドレスのように前傾して見ると……,シャローイングのできあがり,というわけです。

しかしまぁ,こういうのは形をつくりにいってもあまりよろしくないわけで,デプスのあるトップオブスイングから下半身主導(胸郭リードでもいいけど)からの運動連鎖で,肩や腕や手はできるかぎり受動的でいる,そうなると結果として生まれるのが,上記のような「ねじれ」だと思います。

ということで,「シャフトを寝かそう!」と思って寝かしてもあまり意味がないわけですが,効率的な体の使い方という側面から考えれば,好むと好まざるとにかかわらず,シャローイング的現象は発生してしかるべき,という言い方ができます。

理論と体と道具と

なんてことを思いながら,あるいはそんなことを考えながら練習していて,思いついたのがこの図。

大した話じゃないですが,理想のインパクトに至る道って大きく3つあって,それらのバランスがとれているといいですね,ってことです。

「スイングの理屈」ってのは,「ゴルフスイング物理学」的なやつだったり,バイオメカニクス的なやつだったり。「なんちゃら理論」を謳ってる玉石混交のメソッドのことじゃなくて,もっとも確からしいロジックのこと。「ボールの飛距離は初速とスピン量と打ち出し角度で決まる」とか。こういう理屈は,知ってるに越したことはないけど,それだけじゃ当然なにもできない。動画で撮った自分のスイングの分析とか,計測器で測った数値なんかも,ここに入れていい。

「体の感覚」ってのは,スイングしているときの体性感覚。自分の体の動きや状態を内側からモニターしているというか,この局面では体のこの箇所にテンションがかかっているとか,そういう感覚。この感覚が鋭い人ほど,新しい動きを取り入れやすいし,調子が悪くなったときの修正もしやすい(はず)。

「ヘッドの動き」はその中間とも言えるけど,理屈からいえばゴルフボールの弾道というのはインパクト時のヘッドの挙動に依るわけで,それを管理することが大事。で,その管理のためには,スイング中,ヘッドがどこにあってクラブフェースがどこを向いていて,それらがどう動いているかをモニターしていることが望ましい。そういう意味では「体の感覚」に似ているけれど,よりクラブヘッドにフォーカスした感じ。

どれかが欠けてたとしても,天才的な感性とか運動能力とか,あるいはそれを補う練習量とかがあればいいのかもしれないけど,そうじゃなかったとしたら,これらすべてを気にかけた方がいいですよね,ということです。

まとめ

だからまぁ,シャローイングについても,上記の3つのいずれからも記述することができるんじゃないかということで,いずれにしてもそれは,前提条件さえ満たされれば起こるべくして起きているし,起きていた方が好ましいんじゃないかということです(ざっくり)。

追記|2020-02-02

ゴルフスイング物理学の小澤氏がこんなツイートをしてた。

論理と感覚。もうちょっといえば,論理とイメージと感覚。このへんは突き詰めると面白いテーマだと思うんだけどな。