今週は PGA Championship ですね。そのディフェンディング・チャンピオンであるブルックス・ケプカに関する記事を,15th Club が書いていました。
Brooks Koepka is even better than you think - 15th Club
拙訳
2018年,ブルックス・ケプカは同一シーズンに全米オープンとPGAを制するという,史上5人目の偉業を成し遂げた。過去に達成したのは,ジーン・サラゼン,ベン・ホーガン,ジャック・ニクラウス,そしてタイガー・ウッズ。そのタイガーは,昨年8月のPGAでケプカに立ちはだかった男だ。結局ケプカが2打差でタイガーを下した。
昨年のPGAでの勝利により,ケプカは1940年以降で6人目となる,29歳を前にメジャーで3勝以上したプレーヤーとなった。ジョーダン・スピース,ウッズ,トム・ワトソン,ニクラウス,そしてバイロン・ネルソンに次ぐかたちである。
今年4月のマスターズでは,ケプカのオッズは「25-to-1」だった。それは,ブライソン・デシャンボーやババ・ワトソン,そしてジェイソン・デイらと並ぶ,11番目の数字だった。ケプカよりオッズが良かったのには,リッキー・ファウラー(16-to-1),ジョン・ラーム(16-to-1),そしてトミー・フリートウッド(20-to-1)などがいた。この3人の合計より,ケプカのメジャー勝利数は3つほど多いというのに*1。
そのマスターズで,優勝したタイガーに最後まで立ちはだかったのはケプカだった。2位で終わったケプカは,2014年以降のメジャーでは7回目のトップ5入り。これよりトップ5が多いのは,スピースの8回だけである。
2016年のPGA以降,ケプカのメジャーでの通算成績は55アンダーパー。これはダントツ1位で,これに次ぐのはファウラーの40アンダー。1ラウンド当たりの平均バーディー&イーグル数は「3.97」。これも抜きん出いており,次ぐのはジャスティス・ローズとトニー・フィナウの「3.5」だ。
この間,彼がプレーした9つのメジャー(2018年のマスターズは故障で不出場)で,ケプカは3勝した上に予選落ちがない。これはどれほどすごいことか?
過去60年で,あるプレーヤーがメジャー9大会で3勝以上した上に予選落ちがなかったという事象は,34回起きている。それらの大半は(ニクラウスやウッズやパーマーのように)オーバーラップがある。タイガー・ウッズは10回経験していて,ニクラウスは6回。ケプカは2回経験している*2。
勝利数と,予選落ちのなさに,ケプカのそれらメジャーでの平均スコア「69.4」を加味したら?
2016年PGAの以降のケプカに並ぶ成績(メジャー3勝以上で予選落ちがなく平均スコアが「69.5」以下)を残したのは,ふたりしかいない。タイガーとケプカ。
2017年開始以降,ケプカのメジャーでの strokes gained は1ラウンドあたり「2.87」で,フィールド1位。これに次ぐのはファウラーの「2.36」で,その差は0.5。
今週ケプカは1年も経ないうちにニューヨーク州で行なわれるメジャー大会で2勝目を収める可能性があるが*3,来月のカリフォルニア*4で彼が達成しうる記録は,前人未到のものである。
メジャー同一大会で3年連続優勝したのは,過去60年間いない。最後に達成したのはピーター・トムソン。彼は全英オープンを1954年・55年・56年と制した。1956年といえば,エルビス・プレスリーがデビューした年である。
同一メジャーで3連勝以上した唯一のアメリカ人は,ウォルター・ヘイゲン。彼は1924年から27年のあいだにPGAを4連覇した。また,全米オープンを3連覇したのは,スコットランドのウィリー・アンダーソンただひとり。1903年から1905年のあいだの記録である。
4月のマスターズでのケプカは,strokes gained putting で52位だった。ということで,ケプカは「直近メジャー4大会で3勝」という偉業を成し遂げていた可能性だってあるのだ。
すでにゴルフ史のその名を刻んでいるブルックス・ケプカ。今後何年も,メジャーではその名前を目にすることになるだろう。