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タイガー・ウッズが一瞬で見抜き一言で表現した,ジョーダン・スピースの強さの秘訣

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ジョーダン・スピースってテニスのジョコビッチに似ていて,どちらも「パッと見で分かりやすい武器があるわけじゃないけど,結果的にすごく強い」という印象を持っているんですが,そんなスピースの強さの秘訣をタイガー・ウッズが一瞬で見抜き一言で説明した,という記事が,USA TODAY にありました。

Tiger Woods explains in one line why Jordan Spieth is so good at golf | For The Win

なんでも,先週の Hero World Challenge でスピースのプレーを観ていたタイガーが,8番パー3でティーショットを打ったあとで「ねぇ,ジョーダン,今の5番?」と訊いたタイガーに向かって,スピースが指を4本出し,それでタイガーは悟って,「ジョーダン・スピースは,よりアスレチックなジム・フューリックなんだね」と言ったとか。

おしまい。

ではなくて,USA TODAY は,「フューリックに比べられることは,多くの若いゴルファーが将来そうなるように望んでいることではない」なんて書いてますが,要するに,フューリックはものすごい独特なスイングで知られているけれど,スピースのスイングもフューリックほどではないにしろ独特で,それは俗に“チキンウィング”と言われるインパクト後の左肘のかたちに現れている,で,実はスピースほどではないにしろフューリックも似たような左肘の使い方をしていて,それはつまりふたりともフェースローテーションを多く使わない,それが結果的にショットの高い正確性につながっている,ということです。(その正確性が,タイガーがフューリックをリスペクトする一因なんでしょうが)

で,その正確性は当然ながら飛距離とのトレードオフではあって,フューリックの場合は飛距離がないものだから結局メジャーは2003年の全米オープンしか勝ててないよね,と USA TODAY は言ってるのですが,スピースの場合は「よりアスレチックなジム・フューリック」(by タイガー)なものだから,その正確性にさらにそれなりの飛距離が加わって,だからスピースは強いんだ,ということを,タイガーがその「5番アイアンで打ったと思ったら実は4番だった」という一件で判断した,ということらしいです。(この USA TODAY のポイントは,それを一瞬で見抜き一言で表現したタイガーがすごい,ってことなのかな。どっちでもいいけど)

とかいうとまた日本のゴルフ雑誌に「左ヒジは“曲がる”が正解!」とかいうタイトルの記事が載りそうな気がしますが,すでにあったりして。

「アーニー・エルスのフェースローテーションを見習え」と指導してくださった某ゴルフスクールの某コーチ,お元気でしょうか。いや,まぁ何が正解ってことでもないんでしょうけど。

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スピースの2年前の映像ですが,だからってバックスイングでフェースの開きを抑えているかっていうとそうではなくて,トップでもフェースはあくまでスクエアなんですよね。

そういえば,その先週の Hero World Challenge で,たしかスピースは初日の2ホール目でホールインワンしてましたが,そのとき175ヤードを6番アイアンで打って,スピースは「ちょっと大きいかと思ったけど入った」って言ってたんですよね。それを見て「ちょっと大きいにしろ175ヤードを6番って,プロにしては長いクラブで打つのね」という印象を受けたのですが,それも結局は上の記事の話につながるのかも。