Tom Doak の "Confidential Guide vol.1" を買って以来,僕のゴルフ人生はすっかり狂わされましたが,その冒頭に "Gourmet's Choices" として掲載されいている18のコース<必ずしもコース設計の観点から one of the best in the world ではないにしても,ゴルフ仲間を連れて行きたいコース>を巡るというのが,大きな楽しみになりました。
West Sussex Golf Club,あるいはその土地の名から "Pulborough" という通称で呼ばれているこのコースも,その "Gourmet's Choices" のひとつ。他では得難い魅力,優しさと穏やかさと自然な美しさを備えているコースです。
のちに Walton Heath でラウンドしたときに,プロショップの人に「イングランドのインランドコースを最近はいろいろラウンドしてて」って言ったら,「じゃあ West Sussex に行ってみたら? 僕はもともとそのへんで生まれ育ったんだ」と教えられました。他にも「実は僕は出身がそのへんで」ということをこのラウンドのあとで何人かから言われました。そう語るみんなが,この土地に思い入れを持ち,美しい思い出を抱いているように感じられました。
ロンドン中心からだと,クルマで2時間半ほど。ラウンドしたのは晩秋で,紅葉の木々に囲まれた道を延々と走って,コースにたどりつきます。週末のラウンドで,この日はビジターでプレーしたのは僕ひとりだけだったみたいです。(ビジターでも週末にラウンドができますが,予約しようと何度か電話して,そのたびに運悪く「その日はメンバーのコンペだからごめんね」と言われました。決して排他的な雰囲気ではないのですが)
クラブハウスは年季が入っていて,味わいがあります。そういえばバーのウェイターの人も,「僕はこのへんで生まれ育った,夏になるとこのコースはほんとうにキレイになるよ」と教えてくれました。このコースが多くの人に愛されているのが伝ってきました。
はじめの数ホールは,ストレートなパー4が続きます。これは3番のフェアウェイバンカー。このへんは海沿いではないものの砂地であるようで(うろ覚え),それもあってか,こういう大胆なバンカーが目につきます。バンカーまわりのモシャモシャは,春になるときっとキレイな花を咲かせることでしょう。この時期のゴルフは,その光景を想像しながらになりますね。
4番パー4,左ドッグレッグの左ラフ。この時期は草丈が短いのですが,落ち葉があるのでボールは探しづらいです。
これはその4番のグリーン左手前のバンカー。
5番,最初のパー3。これも時期が時期なら(そして天気が天気なら),難しさよりもまず光景の美しさに気を取られて,こんな中でゴルフをできる喜びにニヤニヤが止まらないんじゃないかと。
6番パー3は,Pulboroughの名物ホール。レギュラーティーからで210ヤードほど,池超え打ち下ろし,縦長グリーン,その右をバンカーがガード。かつてはパー4だったとかで,もちろん2ショッターとしてプレーするのもあり。
このへんは面白いホールが続きます。7番パー4。ストレートなフェアウェイに対して軽く左からティーショットを打っていくかたち,ですが,ご覧の通りフェアウェイは見えず,ラフとバンカーだけが目に入る。ドライバーが下手だと本当にプレッシャーがかかります…。
13番パー4。ここから写真を撮っているということは,ティーショットがここに来てしまったということです。グリーンがしっかりとガードされているのが見て取れるでしょうか。ということで迷わずレイアップ。
その13番のグリーンまわりはこんな感じ。
13番のグリーン奥には,こんな小屋がありました。大きなお湯のポットとともに,ココアとかインスタントコーヒーとかミルクとかが用意されていました。
15番パー3。ここもウォーターハザードがからみます。小さな庭園のような趣が感じられます。
16番パー4。ここも難しい=面白くて,ティーショットはブラインドで,右ドッグレッグ。アプローチショットはこんな感じで,ちょっとショートしたら谷底にハイさようなら,ですね。
18番のグリーン。クラブハウスはこちら側からの見え方をとても大事に設計されていることがとても多いように思えますし,18番ホールの印象はクラブハウスの印象と切り離せないものがあります。
決して派手なものがあるコースではないですが,イギリスのカントリーサイドの穏やかさや美しさが感じられるコースだと思います。
Sun 8 Nov 2015