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世界中のどんなコースに行ってもサマになる。そんなゴルフを僕はしたい。

俺の「クラブフェース管理」論|本業が「リスク管理」なもので

はじめに

この記事は基本的に「知的を気取った戯言」です。

序論

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これまた「雰囲気でゴルフをやっている」の例なんですが,「フェース管理」って言葉。いろんなところで目にし・耳にするんですけど,それが何を指しているのか,どうすればいいのか,分かってるようで分かってないんですよね。

僕の本業が「保険会社の統合的リスク管理」にかかわるものなので,「なんちゃら管理」と言われるとどうも過敏に反応しちゃうってのもあるんですが,ちょっとそれに絡めて「クラブフェース管理」についてぐだぐだ考えてみます。

(ここまで書いて「管理」の文字がゲシュタルト崩壊を起こしてきた)

統合的リスク管理とは何か

企業の直面するリスクを統合的に把握してうまいこと管理することです。よく出てくるのがこの図です*1

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何言ってるか分からないですよね。僕も分からないです。が,「なんちゃら管理」には「目標」と「構成要素」と「単位」があって,多面的に考察する必要がある,という考え方は援用できそうです。

この線で「クラブフェース管理」を考えます。

クラブフェース管理との出会い

その前に自分の話をしたいんですが,僕が初めて「フェース管理」という言葉をレッスンの場で言われたのは数年前。「R指定のゴルフレッスンch」*2の高野裕正さんに習っていたときのことでした。

当時とにかく体の動きがまったく「流れ」になっていなかった僕に対して,高野さんはまず運動を改善して,「だんだん動きはよくなってきた。〈フェース管理〉はできてないけど,それはあとで取り組めばいいから」的なことを僕に言ったんです。

当時の僕に対して,それは正しいアプローチだったんだと思います。しかし一方で,今思うのは,これは以下の論考につながるんですが,「〈クラブフェース管理〉はひとつの〈思想〉である以上,それをおきざりにしてスイング全体を構築するなんておかしくないか?」ということです。

「クラブフェース管理」はひとつの「思想」である

さて,「クラブフェース管理」を「クラブフェースコントロール」と言い換えれば,「あぁ,スイング中のクラブフェースの向きを意識して,それを操ることね」ってなイメージが比較的容易に湧きそうです。が,上記の通り,「クラブフェース管理」をもっと多面的・立体的に考えてみたい。考えてみるべき。

さて,クラブフェース管理(コントロール)の最終的な目標を「インパクト時のクラブフェースを最適な状態に置くこと,そしてそれを高い再現性で実現すること」とするのは,さほど不自然なことではないでしょう。D-plane理論を持ち出しても持ち出さなくてもいいんですが,ゴルフをターゲットスポーツとしてとらえるとそれは当然のことのように思えます。そして,議論を先回りすると,クラブフェースが管理された状態でなら,「体の回転を思う存分速めてヘッドスピードを上げることに専念できる」というメリットもあります。

これは個人的な印象なのですが(っていうかこの文章全体が個人的な戯言にすぎないですが),ゴルフスイングのレッスンって基本的には「スイングの運動効率を高めて,所与の制約条件(フィジカルとか)の中で,最大限のヘッドスピードを実現する」ことを目指していると思うんですが,そうやってスイングスピード(≒ヘッドスピード)が上がってくると,「こんなに速く振ってるとフェースがどこ向いてるか分かんなくなる,ボールがどこに行くか分かんない」って感情が生まれてくるんですね。要するに「怖い」。それってつまりはそれまで「いかに手先でフェースをコントロールしてたか」ってことの裏返しだと思うんですが,その恐怖心から動きの速さを無意識的に抑えている,という側面もあったかもしれません。

話を戻すと,クラブフェースの管理は「インパクト時の理想的なクラブフェースの状態の実現」のためにするものですが,Jacobsが言ってたように*3インパクト前後のクラブには暴力的な力がかかるので,「インパクトの瞬間」だけフェースを制御するのなんて無理。だからこそ,スイング全体の中でクラブフェースをどうしたいのか(例えばその開閉を積極的に使いたいいのかできるだけ抑えたいのか)をまず考えた上で,スイング全体を構築すべきなんじゃないか,というのが,僕の考えです。

最適なバランスを

で,僕の本業である「保険会社の統合的リスク管理」という文脈で必ず出てくるのが,この図(あるいはこの概念)です。

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要するに「所与の資本の中で財務の健全性と収益性とのバランスをうまいこと取りましょうね」って話なんですが,保険会社って「リスクをとること」がビジネスの根幹なので,それをいかにうまく管理するかが大事,というか,そのビジネスの本質である。ただまぁ「バランスをとる」って言ったって,最適な唯一の答えが存在しているわけじゃなくて,そこはある程度「決めの問題」で,何らかの目標(ROEで何%,ESRでどれぐらいの範囲内)を掲げた上で,それを目指すべくいろいろな手法を使ってリスクを管理してその目標の実現を目指す。しかしまぁ,保険会社も上場してれば市場(投資家)の目にさらされるので,その目標もある程度似たようなものに収斂せざるをえない,という側面もあります。

これを無理矢理ゴルフスイングに置き換えれば,「収益性=飛距離」であり「健全性=再現性(あるいは球の散らばり)」であり「資本=フィジカル」です。そのバランスをとるわけですが,これもまたPGAツアーのプレーヤーを眺めれば「勝てるスイング」ってのも共通点が見えてくるというか,似たようたところに収斂してくるというか,そんな感じです。

ある程度の資本がないとビジネスが成立しないように,ある程度のフィジカルがないと飛距離も再現性もへったくれもないんですが。で,「とにかく資本を増強する」という手に打って出たのが,ブライソン・デシャンボーな気がします(それ以外に彼はいろいろとやってるとはいえ)。

話が収束するどころか発散してばかりだ…

「クラブフェース管理は思想だ」っていうのは,つまり「どういうROCのスイングを目指すか」って話だと思ってるんですが,ROC(Rate of Closure),インパクト付近でのクラブヘッド軌道に対するクラブフェースの開閉の度合いのことですね。

一般的には「ROCが小さいほど再現性は高まるけど飛距離は落ちる」みたいなことが言われてますが,ジョージ・ガンカスなんかは「いやむしろROCが小さいからこそ体をがんがんターンしていけるからヘッドスピード上がるんだぜ」的なことを言ってるらしく,そのへんはもうちょい慎重に考察していきたいですが。

で,『The Golfing Machine』を持ち出すまでもなく,とにかくゴルフスイングってのは有機的で,個別の要素が相互に関連してるもんですから,目指すROCによっていろんなものが変わってくる。スイングのテイクアウェイをどうするか切り返しをどうするかダウンスイングをどうするかってのはもちろんのこと,グリップの仕方もそうだし,セットアップ(爪先の開きをどうするかとか腰の湾曲をどうするか)とかも変わってくる。

だからこう,例えばYouTubeでいろんな人のレッスン動画を見て,みんな同じことを言ってるんであれば(例えば「ハンドファーストでインパクトしよう」とか)それは鵜呑みにしていいと思うけど,もし同じことに対して真逆のことを言ってるのを目にした場合は,「そもそもの〈思想〉が違うんじゃないか」って思った方がいいと思うんですよね。あるいは「教えている人自身の身体的特性とのマッチング」という側面とかも。

最後に技術的なこと

数年前の僕みたいに「クラブフェース管理って何それ,考えたこともないわ,どうやったらできるの,そんなのできんのか」という人は,まず「意識すること」から始めることになると思います。意識的に意識しないことには意識できるようにならないので。

そういう意味では「手の感覚」ってとても重要になるんですが,左手(の甲,あるいは手首の掌屈ぐあい)で感じることもあれば,右手(のひら,あるいは人差し指の付け根)で感じることもあるでしょう。

なんか長々と書いた割にはまとまってもなければ結論もないですが,以上,俺の「クラブフェース管理」論でした。