こう見えてわたくしは大学時代に数学の本を何冊かかじっていたんですが,それはさておき,偉大なる数学者のアーベルがこんなことを言ってるんですよ。
"It appears to me that if one wants to make progress in mathematics, one should study the masters and not the pupils." - Niels Henrik Abel
「数学の世界で進歩をとげたかったら,生徒ではなく師範(マスター)に習うべき」ということで,哲学の世界なら「ハイデガー入門」を読むんじゃなくてハイデガーの本を読むべきだし,物理の世界ならとりあえず「ファインマン物理学」読んどけ,みたいな(意味を履き違えているかもしれないけど)。
ゴルフのレッスンに関しても,あまたの雑誌が毎回毎回「分かった!」だの「今はこれ!」だの(最近は「ターフを取らない最新ダウンブロー」なるものがあるらしい)謳っていますが,そんなのいちいち追ってる暇はないっていうか,僕が知りたいのは,数学の定理や物理の法則のような本質的で永久不変で原則的なものなんですよ。(数学の定理と物理の法則とのあいだには「永久不変」という点で決定的な違いがある,ので,ここで言ってるのは物理の法則に近いと思う)。
ということで,ゴルフ本の世界での「マスター」ってなんでしょうね?っていう。バンドエイド的な本じゃなくて,骨太なやつ。
とりあえず,ペルツの「ショートゲーム・バイブル」は,そのタイトルといい本の厚さといい,候補に挙げられると思います。

Dave Pelz's Short Game Bible: Master the Finesse Swing and Lower Your Score (Dave Pelz Scoring Game)
- 作者: Dave Pelz
- 出版社/メーカー: Doubleday
- 発売日: 1999/05/11
- メディア: ハードカバー
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その前に挙げるべきは,ホーガンの」「ファイブ・レッスン」なのかしら。

Ben Hogan's Five Lessons: The Modern Fundamentals of Golf
- 作者: Ben Hogan,Herbert Warren Wind
- 出版社/メーカー: Simon & Schuster
- 発売日: 2006/11/06
- メディア: ハードカバー
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個人的には,この「Golf Science: Optimum Performance from Tee to Green」が包括的で決定的だと思うけど。

Golf Science: Optimum Performance from Tee to Green
- 作者: Mark F. Smith
- 出版社/メーカー: Univ of Chicago Pr
- 発売日: 2013/06/07
- メディア: ハードカバー
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デシャンボーで有名になった(少なくとも僕はそれで知った)「The Golfing Machine」ってどうなんでしょうね。

- 作者: Homer Kelley
- 出版社/メーカー: Golfing Machine
- 発売日: 1982/04
- メディア: ハードカバー
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ゴルフコース設計理論でいうと,「ゴルフコース好奇心」は挙げざるを得ないです。

ゴルフコース好奇心―ANALYSIS OF A GOLF COURSE
- 作者: マサ・ニシジマ
- 出版社/メーカー: ゴルフダイジェスト社
- 発売日: 2005/08/01
- メディア: 単行本
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ゴルフコース関係の本はたくさんあるけど,とありあえずこれを挙げておきます。世界の名コースをきれいな写真付きで解説しているビジュアルブックはいっぱいあるけれど,僕がこの本が好きな理由は,18ホールを俯瞰するイラストが書かれてあって,そのルーティングが分かるところ。

World Atlas of Golf: The greatest courses and how they are played
- 作者: Mark Rowlinson
- 出版社/メーカー: Hamlyn
- 発売日: 2011/05/16
- メディア: ペーパーバック
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コースマネジメントについては,ブローディの「Every shot counts」が新時代のバイブルという気がする(リンクは日本語版)。

- 作者: マーク・ブローディ,解説・牧田幸裕,吉田晋治
- 出版社/メーカー: プレジデント社
- 発売日: 2014/06/12
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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見落としているものがいっぱいあるでしょうから,このシリーズは継続します。