日本の本州の東北の部分が何のひねりもなく「東北地方」と呼ばれるように,スコットランドの上の方の地方もなんのひねりもなく「Highlands」と呼ばれます(正確には「Scottish Highands」)。
ネッシーでお馴染みのネス湖があったり,グレンリヴェットなどのウィスキーの醸造所があったりするのがこのHighlands。今回の旅は,Inverness空港を起点として,このHighlandsに行きました。
余談ですが,Inverness空港でクルマを借りるときに,レンタカー会社のスタッフが朝になって急に出社できなくなったとかでカウンターが人手不足でてんてこ舞いで,行列に並んでから2時間近く待たされてしまい,旅の予定が微妙に狂ってしまいました。
最初にラウンドしたのは,Castle Stuart Golf Links。2009年オープンと比較的新しく,設計は Gil Hanse と Mark Parsinen。
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ここは2011年から2013年までスコティッシュオープンを開催し,また2016年にも開催することが決まっているようです。
2013年のスコティッシュオープンといえば,そのすぐあとに全英オープンも制するフィル・ミケルソンが勝った年で,
そして2011年にはルーク・ドナルドが勝っていたという,なんだか今とは隔絶の感がある…。
それはともかく,ここは非常によく設計されたモダンなリンクスという印象を受けまして,それを思わせたのは
- とにかく光景が美しい,あるいは美しくなるように計算されて設計されている
- フェアウェイは広く,ハイ・ハンディキャップのプレーヤーにも優しい
- 9ホールでクラブハウスに戻ってくるルーティング
- 空港から近い
といった要素です。
ティーオフ前に,スターターの人に「このコースってどんな感じ?」と訊いてみたところ,「フェアウェイは広いから,challenging ってよりは fun to play って感じだね」と。
これは1番パー4。のっけから多くを求められないところが,優しいです。
2番パー4のグリーン右手前。こういうバンカーのあしらいは,好きです。
3番は,レギュラーティーからだと266ヤードという,ショートパー4。Drivableだけど,その割にグリーン周りは厳しくないかな。むしろハイブリッドなりでティーショットを刻むときに,左右のバンカーが気になる。ここはご覧の通り,光景が美しいです。
4番は最初のパー3。ここは写真で分かる通り,グリーンの奥に(コース名の由来である)Castle Stuart が望めます。こういう上手い(あるいは作為的な)造りが,このリンクスのモダンさを感じさせるわけですが。この日は,日本でいう「ワンオンチャレンジ」をやっていて,10ポンド払ってワンオンしたらプロショップでのバウチャー20ポンド分をプレゼント,外したらその10ポンドはチャリティーにまわります,というやつ。チャリティーということで心置きなく参加し,そして喜んでグリーンを外しましたとも。
これは6番パー5のグリーンサイドのバンカー。十分深いです。
8番,190ヤード超のパー3のグリーン。長さに見合って大きさは十分あるけれど,微妙なアンジュレーションがあってパッティングは気が抜けません。
9番パー4でいったんクラブハウスに戻るかたち。実際には,クラブハウスまで戻らずとも,ちゃんとハーフウェイハウスがあって,そこで温かい飲みものが買えたり,トイレに行けたりするという,なんとも優しい造り(特に女性に対して)。で,そこではティーオフ時間を告げれば小銭やカードがなくても買い物ができるというのが,またなんとも便利。
12番パー5。少しずつ右に打ち上げていくかたち。海と空と芝とのこの色の組み合わせがなんともキレイで,心が休まる。
とか思ってたら,グリーンまわりはこんな感じ。厳しい。
17番,195ヤードのパー3。グリーン左手前の下り傾斜を使えば,ランでグリーンに乗せられる,はず。
18番のティーが高い位置にあるので,そこから(たぶん)10番ホールを見下ろして撮った写真。この辺も,なんともうまく計算されている感じがします。
グリーンフィーはお高めですが,ホスピタリティにあふれたゴルフコースでした。
5 Sep 2015