賢者のゴルフ―青木流マル超シンプル・ゴルフのすすめ (カッパ・ブックス)
- 作者: 青木功
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 1997/05
- メディア: 新書
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抜粋
- かつての自分は下半身が異常に発達し,そのわりには上半身が小さい特殊な体つきをしていた。太モモまわりが60センチで,自転車の世界チャンピオンだった中野浩一選手とほとんど同じ太さ。
- 「道具(クラブとボール)が技術を超えてしまっている」のがいまの時代。
- 体の左への回転とともに,できるだけ長くグリップエンドがヘソから外れなければ,体の中心にあるクラブがそのままターンしているわけで,インパクトゾーンの長いスイングができるのだ。
- アメリカのティーチングプロ,デビッド・レッドベターは「構えたときからインパクトを過ぎるまで,左右の足の裏は地面から離さない」と言っている。自分も30年も前からやっていた「ベタ足打法」である。
- 「プロのインパクトの写真を真似するな!」
- 左右の手が一体になって振れるようなバランスが大事。だから左手主導なのだ。
- 自分はショットが悪くなると,右手の親指と人差し指をシャフトから外してスイングすることがある。
- ボールを遠くへ飛ばすには,シャフトのしなりを利用することが不可欠。そのシャフトのしなりを生かすには,左手の小指がしっかりとクラブを支えていなければならない。
- シャフトの「しなり」を生かして打つには,左の小指の締めがポイント。グリップエンドがを3センチぐらい余して握ると「テコの原理」でシャフトの「しなり」も生かせる
- よく「スクエア」にこだわって,左手の甲を目標に向けて握っている人がいる。こういうアマチュアは,ほとんどスライスを打っている。
- 自分と仲のいいトム・ワトソンはよく「アオキにはいつも騙される。レンジで打っているときはひどいショットばかりで,今日は調子が悪いのかなと思うと,一番ホールからびっくりするようないい球を打っていく」と文句を言っていた。
- その日のラウンドは練習場からすでに始まっている。それはともかく,コースでは球筋に逆らわないこと。
- もう30年もトーナメントに出ている自分でも,一番ホールは確実に2オンするまで緊張するものなのだ。
- ドッグレッグのホールで「コースなり」のボールを思い浮かべたら,その時点で設計者の罠にはまったと同じ,と思っていい。
- 今は大きいショットがグリーンに乗っていってしまう。パー5でも2オンするし,200ヤード以上の距離でもアイアンで届いてしまう。だからアプローチとパットが下手になったと思うことがある。それだけアプローチをする回数が少なくなってきたからだ。
- 多くの場合,技術のミスショットは認めても,頭の中(判断)のミスショットは認めたがらないもの。
- 刻むと決めたときには「1ヤードでもグリーンに近づけたい」という甘さを断ち切って,120パーセントのフルショットでも絶対に届かないクラブを選ぶこと。これがゴルフというゲームの鉄則なのだ。
- スコアをまとめる特効薬などというものはどこにも存在しないが,100叩く人が90台で回れる近道はある。それは得意なショートアイアンをつくるということだ。
- 物事には順番というものがある。バンカーに入ったら,まず確実に出すだけ。これに徹することが第一歩だ。
- グリーンのすぐ近くから転がすときに4番アイアンからピッチングまで使い分けるのと同じで,バンカーだからといって,何もサンドウェッジで打たなければいけない理由はない。
- ロングパットは距離感だけ。ショートパットは方向性だけ。それ以外は捨ててしまう。そうすれば集中しやすい。
- 下りの速いパットは寄せに行くより入れに行く。
- 「お先に」と言ったからといって慌てることはない。「お先に」は,本来あとからプレーすべき順番を先にさせてもらうだけで,大急ぎで打たなければいけないものではない。
- コースに隣接する酪農場の臭いで「あ,北風が吹いているんだな」と,危うく風の計算違いを免れたこともあった。
- フェアウェーでもグリーンでも,歩いている足の裏からその硬さ,そして水をどれだけ含んでいるかどうかまで分かる。
- 言いたいことは「どうせゴルフをやるなら,もっとコースの中のいろいろなものをよく観察してみたら?」ということ。
- よく,電車の切符売場の前で財布を取り出し,やおら頭上の行き先案内図と値段表に目をやる人がいる。列に並ぶ前によく見ておいて小銭を用意しておけば,後ろで待つ人に迷惑をかけずにすむものを,準備しておかなかったがために後ろで待つ人をイライラさせる。たぶん,こういう人はコースでも同じことをやってしまうのだろう。
- 「コース管理はゴルフ場の仕事。オレたちは金を払って遊びに来てるんだ」こう言う人もなかにはいる。しかし,それではゴルフはうまくならないし,ゴルフの本当の面白さも分からない。
- グリーン上に落ちたボールでできた凹み,つまりボールマークというやつ。これをキチッと直して平らにしておくことはゴルファーの当然のマナーなのだが,最近直していく人が少なくなったのはどういうわけだろうか。
- ターフを取ったら,カートに備えてある目土を,その穴の中に埋めておく。足でいま入れた砂(目土)を軽く踏んで平らに均しておく。このひと工夫を忘れないで欲しい。