オフシーズンらしい渋い分析が Golf Digest に載っていました。「アンダーパーじゃないとプロは飯が食えない」とかいいますが,シーズンの全大会の全ラウンドですべてイーブンパーのスコアだったら成績はどうなってるか,から始まって,ツアーにおける一打の重みがよく分かる記事になっています。
なおこの分析では,通常のストロークプレーではない WGC-Dell Match Play と Zurich Classic とは除いているとのこと。そして FedEx Cup プレーオフの3大会も除外し,レギュラーシーズンの大会のみに焦点を絞っています。
ソース
Shoot even par in every round on the PGA Tour and here's how you would have done during the 2018-'19 season | Golf World | Golf Digest by Ryan Herrington, 3 September 2019
概要
ということで,メジャー4大会もWGCもすべて対象にしたときのけっかがこちら。
獲得賞金は100万ドル超え,賞金ランキングでは93位,FedEx Cup ポイントでは118位。1億円を超える賞金をもらって来季のツアーカードも維持できる。まずまずの結果といえそうです。しかし問題は,PGA Championship が結果を歪めていること。実際にイーブンパー以下のスコアが7人だったので,すべてのラウンドでイーブンパーだとしてもPGAでだけはトップ10入りができるかたちになります。実際,その次に結果がいいのが WGC-HSCB Champions での21位。
ということで,メジャーとWGCを除いた通常の34大会に絞った結果がこちら。
FedEx Cup ポイントで179位にまで下がってしまい,これでは下部ツアーとの入れ替え戦に出なければなりません。
では,1ラウンドで0.5のアンダーパー,つまり36ホールで1アンダーという結果だったら?
青が全大会,オレンジがメジャーを除いたもの,グレーがWGCも除いたものとなっています。これだと少し違いが出てきますが,通常の34大会だけにしぼれば,まだツアーカードを維持できるだけのポイントは獲得できません。
では,全ラウンドで1アンダー,4日間で通算4アンダーだったら?
するとまず,予選落ちが18大会だったものが12大会に減ります。通常の大会でもトップ10入りが2回できます。そして FedEx Cup ポイントで86位となり,余裕で来季のツアーカードが維持できます。
さらに,全ラウンドで1.5アンダー,つまり36ホールごとに3アンダーだったら?
するとまず,メジャーの3大会でトップ10入りができます(マスターズでは6アンダーは18位タイ)。メジャーを含む全大会での獲得賞金は500万ドル近くになり,FedEx Cup プレーオフにも余裕で進出できます。
最後に,全ラウンドで2アンダーだったら?
そうすると,Valspar Championship と PGA Championship との2大会で優勝できます! 全大会での獲得賞金は900万ドルを超えます。
「1打の重み」がPGAツアーではどれほどのものか,が分かる記事でした。