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ケプカはクラブ契約したらいくら貰えちゃうのか|GOLF.com

あいかわらずクラブ契約フリーのブルックス・ケプカですが,WGCも勝っちゃった*1。彼が使う JPX 919 アイアンを「限定発売」などといってお茶を濁して*2マーケティング戦略の失敗を表立って認めようとしない日本のミズノのしょうもなさは糾弾しつづけていこうと思っていますが,そのケプカがどこかとクラブ契約するとしたら果たしていくら貰えちゃうの?という,興味深いとうか下世話なネタです。といいつつ,けっこう本質的な問題にも触れられつつ,ケプカの変態性も垣間見えて,面白かったです。

ソース

Brooks Koepka doesn't have an equipment deal. Here's what it's worth by Jonathan Wall, 19 May 2019

概要

  • ケプカはPGAツアーで優勝して2百万ドル近くの賞金を手にした。過去2年ちょいで賞金総額は18百万ドルを超えた。Nikeとのウェアの契約も含めれば,ケプカのもらっている金額はもっと増えるけど,クラブの契約をどこかとしたら,果たしてさらにいくらもらえるのか?
  • ケプカみたいにNikeのクラブを使っていたプレーヤーたちは新しい契約を結んでいるが(タイガー・ウッズとロリー・マキロイはTaylorMade,トニー・フィナウはPing,フランチェスコ・モリナーリはCallaway),一方でケプカやポール・ケイシーやトミー・フリートウッドのように契約を結んでいないプレーヤーもいる。
  • 業界のベテランが匿名を条件に語ったのは,「文字通りすべてのツアープレーヤーは,ある時点でエゴが顔を出して,契約でカネを貰おうとする。でもケプカはその必要性を考えていないっぽい。今のクラブのままでプレーしようとしてるし,そしてそれは奏功している」
  • 他の業界のベテランが語るところでは,PGAツアー初優勝者はクラブ契約でだいたい30万ドルから50万ドルぐらいもらえるとのこと。ケプカが2015年の Phoenix Open で初優勝したとき,彼のチームはNikeと契約するまえにそれを超えるような額の契約を探していると報じられていた*3
  • 過去数年でメジャーを勝つごとにケプカの提示価格は増えつづけている。
  • 業界内部の人間が言うには,「ケプカは山ほどオファーを受けているだろうけど,彼とそのチームの希望価格はむちゃくちゃ高い。だけど,望まない額で契約するよりは,今のクラブを使いつづけることを選んでいるようだ」
  • Nikeがクラブとボールの事業をやめて,adidasがTaylorMadeと別れてから,業界は大きく変わった。用具からボールからアパレルまですべて用意できるところはなくなった。
  • なので今のプレーヤーはそれぞれ個別に契約を結ぶ必要があるが,規模が縮小しているもので,いまはメーカー側が主導権を握っている状態。
  • 実際にケプカの契約がいくらになりうるかというと,「年間3百万ドルから7百万ドルのあいだのどこか。ただし帽子は除く」。「タイガーみたいにバッグの契約(Monster Energy)もしたら,それだけで数百万ドルになるだろう」
  • すごい金額だけど,欠点もある。いまケプカは4つのブランドの道具を使っている。メタルウッドはTaylorMade,3番アイアンはNike,4番からPWまではMizuno,ウェッジはTitleist。でもそんな風にバラバラに契約するのは不可能。契約しちゃったらひとつのブランドのクラブを13本とか14本とか使わなきゃいけなくなる。
  • もうひとつの欠点は,クラブ契約をしちゃったら,広告の撮影とか会社のイベントのための,数日を犠牲にしなければならなくなること。「仮にアイアンとウッドとバッグを別の会社で契約したとしたら,それだけで年間12日ら15日ぐらいを犠牲にすることになる。1日のイベントといっても,往復の移動を考えたらさらに1日犠牲になるから。たぶんケプカはそれを望まないだろう」
  • 「さらにNikeは世界ゴルフランキングを契約金に反映するようなシステムを持ていて,だからケプカはそれで十分な金額をもらっている」
  • あるメーカーは,1週間広告にケプカの名前と似顔絵を使わせてもらうだけで5~10万ドルを払うというオファーをしたが,ケプカのチームは却下した。「何もしなくても貰えるカネなのに,おかしいでしょ? 断る必要なんてないのに,狂ってるよね。でもケプカは人とはちょっと違うから」