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2019 U.S. Open プレビュー|15th Club

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ソース

Perfect Venue, Perfect Storm: The 2019 U.S. Open - 15th Club by Justin Ray, 11 June 2019

拙訳

フィル・ミケルソンは,49歳の誕生日を目前にして,キャリアグランドスラムを達成をめざす。

ダスティン・ジョンソンは,かつて優勝を逃した舞台でのリベンジを誓う。

タイガー・ウッズは,マスターズチャンピオンとして,ゴルフ史上最高のパフォーマンスをした舞台に戻る。

ロリー・マキロイは,日曜日の「61」の記憶が消えぬまま,舞台入りを果たす。

ブルックス・ケプカは,全米オープン3連覇という偉業を狙う。

アイコニックな舞台で開催される今年の全米オープンは,この先何年も人々の記憶に残る大会になるであろう。

昨年を振り返る

Shinnecock での36ホールを終えて,ダスティン・ジョンソンの優勝は固いように思われた。2日続けて60台でまわったDJは,フィールドで唯一のアンダーパー。4打差の首位に立った。

しかし,激アツだったパターは,週末に急激に冷却した。3日目と最終日で合計73パット。最初の2日間より20打も上回った。最初の2日間で8.22打のゲイン,残り2日間で5.21打のロストだった。

土曜日の Shinnecock は,コースセッティングによって翻弄された。フィールド平均は5.3オーバーパー。その前日より約2打も悪化したかたちだ。ミケルソンの問題も華を添えたが,日曜日の予測がまったくつかなくなった,荒れた3日目だった。22人のプレーヤーが,首位から5打差以内で日曜日を迎えた。

ジョニー・ミラーが全米オープン史上初めて最終日に「63」を記録した45年後,トミー・フリートウッドがその数字に迫った。フリートウッドはイングランド人として100年以上ぶりとなる,2大会連続のトップ4入りとなった。先に達成したのは Jim Barnes (1915-16年)である。

しかし,ケプカに追いつけた者は誰もいなかった。Strokes gained approach はフィールドトップ,Strokes gained putting はフィールド3位。カーティス・ストレンジ以来30年ぶりとなる,全米オープン2連覇を果たした。

ケプカが達成可能な記録

今週ケプカが達成可能な記録は驚くべきものであり,できるだけ列挙するのがふさわしいと考える。

  • メジャー大会3連覇。Peter Thomson が全英オープンを1954年から56年にかけて勝ったのが最後。

  • 全米オープン3連覇。先にこれを達成したのは Willie Anderson(1903-05年)のみ。この3勝目,Anderson の初日2日目のスコアは「81-80」だった。1905年といえば,ベーブ・ルースがレッドソックスでMLBデビューを果たす9年前のこと。

  • 30歳を前に全米オープン3勝。過去100年ではボビー・ジョーンズのみ達成。上記の Anderson もこれを果たしている。

  • 直近メジャー9大会で5勝。マスターズが1934年に開催されて以来,連続する9大会以内に5勝をあげたのはタイガー・ウッズとベン・ホーガンのみ。

  • 30歳を前にメジャー5勝。過去にはタイガー・ウッズ,ジャック・ニクラウス,ボビー・ジョーンズの3人のみ。

ペブルビーチ

過去50年で全米オープンを複数回開催したのは,全部で14コース。そのうちで Pebble Beach Golf Links には最も難しいパー3ホール(17番)と最も難しいパー5ホール(14番)がある。

14番は,フェアウェイを外すと恐ろしく難しくなる。2010年,フェアウェイを外したプレーヤーがGIRした確率は,わずか32%である。パー5ホールでですよ。

17番,2010年の全米オープンでは,わずか18%のGIRだった。平均スコアは3.49。そのシーズンのPGAツアーで3番目に難しいホールとなった。

ということを踏まえると,ペブルビーチでの全米オープンの平均スコアは4.14オーバーパー,というのも驚くに当たらない。ちなみに,過去50年の平均は3.90オーバーである。

注目のプレーヤー

ブルックス・ケプカ:2017年以降,ケプカはメジャー大会で36ラウンドをした。そのうちの22ラウンド(61%)で上位5番目以内に入っている。2017年のマスターズ以降,メジャー大会では通算54アンダーパー。これに次ぐのはジョーダン・スピースの33アンダーと,21打の開きがある。

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ダスティン・ジョンソン:過去30年の全米オープンで,DJ以上に首位に立ったことがあるのはペイン・スチュワートとタイガー・ウッズのみ。過去10年では全米オープンにおける20ラウンドでトップ10入り。これに次ぐの者より6ラウンドも多い。昨年は36ホールを終えて首位に立つものの優勝できなかったが,これは1909年の Tom McNamara に次いで史上二人目のこと。その雪辱を狙う。

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過去15年,Pebble Beach Pro-Am でDJ以上のパフォーマンスをしたプレーヤーはいない。1ラウンドあたりフィールドに対して2.52打のゲイン。

ジャスティン・ローズ:過去3年でのローズの安定性は目を見張る。2017年以降,ローズの優勝回数(6)は予選落ちの回数(5)を上回る。その間,出場した大会の58%でトップ10入りしている。ローズは Pebble Beach Pro-Am に2回出場し,初出場の2016年には6位タイだった。

ロリー・マキロイ:RBC Canadian Open で,マキロイは2004年に ShotLink がツアーに導入されて初めて strokes gained off the tee, approach, around the green, putting の4部門ですべて6位以内に入っての優勝だった。直近3年の全米オープンでは連続して予選落ち,トータルのスコアは23オーバーパーと奮っていないが,その雪辱を果たす。

タイガー・ウッズ:歴史上唯一,カリフォルニア州で開催されたメジャー大会で複数回優勝している。今週勝てば,同一シーズンにメジャーで複数回優勝した,最高齢となる。現在の記録はタイガーの良き友であるマーク・オメイラ,1998年,41歳のときにこれを記録している。カリフォルニアでの全米オープンの平均スコアは「70.95」で,過去30年で最高の記録である(10ラウンド以上プレーしたプレーヤーのうち)。

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ジャスティン・トーマス:2010年以降の全米オープンでの1ラウンドあたり平均バーディー数は「3.57」で,これを上回るのは3人だけ。アメリカ人としてはペブルビーチでの実績が少ないプレーヤーの数少ないひとりであり,Pebble Beach Pro-Am に1回だけ出場(2014年),予選落ちしている。

フランチェスコ・モリナーリ:今年のマスターズの最初65ホールで,ボギーを記録したのはわずは2ホール(3.1%)。それ以降,公式の試合でボギー以上のホールは約20%になっている。モリナーリは,全米オープン前の9試合でトップ20入りをしていない。

パトリック・カントレー:今年のメジャー2試合で通算10アンダー以下のプレーヤー3人をあげよ。答は,ケプカ,DJ,そしてカントレー。Memorial Tournament で優勝したカントレーは,平均スコアでツアー2位,Strokes gained tee to green も2位,そしてフェアウェイからのアプローチショットの精度でも2位。さらに,スクランブリングとボギー回避率でもツアートップである。カントレーが今週注目されている理由がこれで分かるだろう。「15th Club Performance Index」でも,DJとマキロイに次いで3位である。

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ブライソン・デシャンボー:最近のデシャンボーは奮わず,2月以降トップ20入りを果たしてはいなく,直近4大会で3度予選落ちしている。Strokes gained approach では今シーズン50位も位置を下げ,昨年12位だったのが今年は62位となっている。平均バーディー数では4位であるものの,ボギー回避率では84位と,波がある。

ザンダー・ショフレ:2014年以降の全米オープンで,平均スコアは4位。上回るのはケプカ,DJ,フリートウッド。メジャーは9大会しか出場していないが,トップ5入りすること5回。大舞台に強いことを示している。2019年には安定したプレーを見せ,トータルの Strokes gained で昨年46位から今シーズンは12位と向上している。

ジョン・ラーム: カリフォルニア州で開催されたPGAツアーの大会に出場することこれまで10回,そのうち2回優勝し,TOP10入りは6回。実際,カリフォルニアでの平均スコア「68.9」は,他のどのプレーヤーよりも良い。直近メジャー6大会では,トップ10入り3回,予選落ち3回。

ジェイソン・デイ:直近2年での全米オープンではいずれも予選落ち,しかしいくつかのスタッツでは目を見張る成績を,過去10年の全米オープンでは残している。ボギーなしのラウンド数はデイがトップ。2010年以降,平均スコアは4位,ラウンドごとのトップ10位内の数では3位タイ。Pebble Beach Pro-Am での過去の成績(10回出場して8回のTOP15入り)を見れば,今週も要注目だと分かるだろう。

フィル・ミケルソン:数字を見れば,今週のミケルソンは期待薄に思える。2月にここペブルビーチで勝って以来,TOP15入りを一度も果たしていない。PGAツアーで出場した直近9大会で通算22オーバー。Strokes gained tee-to-green で78位。ドライビングの正確性では今シーズン,209プレーヤー中208位である

全米オープンでの2位が6回というのは史上最多であるだけでなく,単一のメジャー大会で優勝なしに2位が6回というのも,最多の数字である。

しかし,もし,今週日曜日に49歳の誕生日を迎えるフィルが,史上最高齢でのメジャーチャンピオンになったら? もし,唯一彼に残されたメジャータイトルを手にしたら? もし,過去に数々の輝かしい記憶を生んだこのコースでそれを達成できたら? 素晴らしすぎると思いませんか?

ジョーダン・スピース: 18ヶ月ぶりに,「直近3大会でトップ10入り」という状態でスピースが試合を迎える。スピースの復調はパッティングによるもので,直近16ラウンドでパッティングによるゲインは28.3打,逆にそれ以外では6.9打である。

スピースのペブルビーチといえば,2016年の Pro-Am での勝利がある。しかし過去には,ポアナ芝でのパッティングで苦しんでおり,1ラウンドあたりの平均パット数をみると,ポアナ芝の方が他のときより0.35打悪い。