メリオンでUSオープン2013を制したジャスティン・ローズ。あるいはライダーカップ2012最終日のシングルスマッチでミケルソンに対して奇跡の逆転勝利をおさめたジャスティン・ローズ(17Hのパットはいつみてもすごい)。最近は肩の腱炎で残念ながら休業中でございますが,しかもその理由が「70ydぐらい離れていたキャディにボールを投げたときにいためた」というのがなんとも残念ですが,あのスムーズなスイングは真似したいプレーヤーのひとりです。
で,コロンビア大学の Lucius Riccio 教授(何を教えてる人だよと思ったら「he teaches business analytic, optimization and simulation and operations management」だと)が MIT Sloan Sports Analytics Conference で発表したところによると,PGAツアーで最高のボールストライカーは,このジャスティン・ローズなんですと。
その教授が発表したのは,
- トータルスコアに最も影響を与える要素はGIRで,パットはその次らしい。つまり,アイアンショットがスコアメイクの鍵をにぎる。
- 回帰分析によると,Scores = 58 - 4/3*GIRs + Putts が成り立つ。
- 80切りたかったら,目安としては8GIRsで32パットを目指す。
- PGAツアーのShotLinkシステムは,すべての大会のすべてのプレーヤーのすべてのショットを記録している。
- 1年間で約150万ショット。
- ドライバーの飛距離はババ・ワトソン,ドライバーの正確性は Jerry Kelly,パットの名手はスネデカー。
- では,アイアンショットがスコアメイクにおいて重要だとして,そのアイアンショットの上手さをどう捕捉するか。
- もちろんババ・ワトソンはグリーンをとらえる回数が多いけど,それはティーショットの飛距離があるから=残り距離が短い。
- その残り距離に応じたアイアンショットの正確性を捕捉する指数を開発した。
- ということで,Par4ホールでの,フェアウェイから残り150から225ヤードにおけるショットのデータを見た。
- 残り距離とグリーンをとらえる確率とのあいだには線形の関係式が成り立つ
- % Greens Hit = 159 – 0.52 (Yardage)
- 残り150ヤードからは81%,225ヤードなら42%
- で,このツアー平均の回帰線(↑)と,プレーヤーごとの「Personal Line」を比べてみた。これによると,
- ババ・ワトソンは,みんなが思っている以上にアイアンショットが上手い。
- もちろん,タイガー・ウッズはずば抜けてる。
- しかし,最高なのは,ジャスティン・ローズ。
- ダスティン・ジョンソンは短い距離で平均より下。
その他,記事の中で面白かったのは,
- What's the penalty of hitting it into the rough? About 25 percent of a stroke in regular tour events, and about 50 percent of a stroke in the U.S. Open.(ラフに打ち込んだときは何打損することになるのか? 通常の試合であれば約0.25打の換算だけど,これがUSオープンになると0.5打相当になる)
- Missing a GIR from the fairway will cost a player about 50 percent of a stroke.(フェアウェイからGIR=パーオンを逃したプレーヤーは,約0.5打分の損)
教授のプレゼンはこちらからダウンロードできます。
http://www.scribd.com/document_downloads/209869783?extension=pdf&from=embed&source=embed
余談
そういえば,ローズとUSオープン2013といえば,こちらの文章を思い出すんですが,確かにR1は投影面積が大きいわりにフェースが返しやすくて驚いた。
この方は13GIRsというから,すごい数字ですよね。