Linkslover

世界中のどんなコースに行っても恥ずかしくない/戦える/コースと対話できる。そんなゴルフをしたい。このブログ記事は,僕の不眠症からできています。

知られざる名伯楽ピート・コーウェン|ステンソンへの「愛」

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アンディ和田氏のツイートで知りました,ツアープロコーチのピート・コーウェン。

の前に,吉田洋一郎氏の記事から

そこで紹介されているNYTの記事の前に,この手の話題でググると必ず出てくる吉田洋一郎氏の記事を引いておきます。

ヘンリク・ステンソンとピート・コーウェン | ゴルフスイングコンサルタント 吉田洋一郎

ヘンリク・ステンソンも含め,多くのヨーロピアンプレーヤーが師事するピート・コーウェン(Pete Cowen)。「スパイラルスイング」という理論を標榜し(要するに地面反力をいかにクラブヘッドまで伝えるかってことだと想像),平時はジェントルマンだが指導時は熱血漢,という人物像なようです。

さて,NYTの記事

2017年7月のものです。

Top Instructor Is Making Golf’s Stars Shine Brighter - The New York Times

ヨーロピアンツアーの1大会での出来事。その前週に予選落ちしたイタリアの Renato Paratore のために,IMGのエージェントがコーウェンに電話。Paratore と数時間すごして指導し,結果的にその大会は優勝。2位タイはマシュー・フィッツパトリックとクリス・ウッドで,彼らもまたコーウェンに指導を受けていた。

コーウェンの教え子は,2016年全英を制したヘンリク・ステンソンを含め,合計6つのメジャータイトルを獲っている。ブルックス・ケプカも,コーウェンのおかげでショートゲームが向上したという。ステンソンがコーウェンの指導を受け始めたのは,2001年。

1月に Gold Digest 誌はコーウェンを「“The Best Teacher No One Knows”(誰も知らない最高のコーチ)」と称した。コーウェンはそれで構わない。わが道を行き,自らを売り込もうとせず,「いっぱい」という以上に何人のプレーヤーを指導しているかを明らかにしない。(USオープン出場者だけで,彼と彼の同僚 Mike Walker が見ているのは11名)

ある時点で,コーウェンは過去20年のすべてのヨーロッパのライダーカッパーを実質的に指導していたし,Gマックが2010年にUSオープンを,そして2010年と2011年にそれぞれルイ・ウーストヘイゼンとダレン・クラークが全英を勝った裏には,コーウェンがいた。2016年のマスターズを制したダニー・ウィレットもしかり。彼の生徒は通算200勝以上しているし,1シーズンで最多18勝している。

あのブッチ・ハーモンですら,「いうなれば”世界最高の指導者”かもね」と言う。

コーウェンはかつて,ヴァンで寝てしょぼいディナーを自炊しているような,鳴かず飛ばずのプロだった。オフシーズンは工場で働いて,糊口をしのいでいた。

コーウェンが優勝した1976年のザンビア・オープンで,NBC Sports でおなじみ David Feherty はコーウェンに会っている。「みんな彼をウォンバットと呼んでいたけど,どうしてだかは分からない。だけど彼は自分に厳しかったことは覚えてる」

かつて1ラウンド中に3本のクラブを折ったことのあるコーウェン。その短期な性格が成績に悪影響を及ぼしたことを認めている。「コースで悪いショットがひとつでも出たら気に食わないんだ。練習場で何千というボールを打っているのに」

1980年にプロ生活を断念。その前シーズンにはヨーロピアンツアーの賞金ランキングで57位だった。当時28歳。2歳の娘がいた。イングランドにあるクラブプロの職に就く。「プレーヤーとして失敗した理由を理解することは,コーチとして成功している理由のひとつ」だと,コーウェンは言う。

コーウェンは Gardner Dickinson と Jack Grout にゴルフスイングを学んだ。ベン・ホーガンの系譜だ。コーウェンに習ったリー・ウェストウッドは2010年に世界ランキング1位の座につき,タイガーの1位在位を281週で終わらせた。

ステンソンのゲームがおかしくなり始めた2001年,すぐにステンソンはコーウェンと連絡をとった。ステンソンが5月にヨーロピアンツアーで初優勝してしばらくして,突然フェアウェイに打てなくなったのだ。European Open では9ホールをプレーしたのちにコースを去り,引退を考えたほどだ。当時のステンソンのキャディが,コーウェンに教えを請えことを提案する。3年かけてコーウェンはステンソンのスイングを立て直し,ステンソンは復活優勝を遂げた。

2006年にステンソンは2勝し,ライダーカップでヨーロピアンツアーの勝利を決めるパットを入れた。2009年には THE PLAYERS を制したが,その後ドライバーのコントロールを失い,2012年初めには世界ランキングが230位にまで落ち込んだ。

「ヘンリクは完璧主義者なんだ」とコーウェン。「彼には3種類のショットがある。good と very good と perfect。彼は perfect 以外は許せないんだ」

ステンソンは2013年にスイングを取り戻し,PGAツアーとヨーロピアンツアーとの両方を制した(FedEx Cup と Race to Dubai)。残すはメジャータイトルのみ。2016年のUSオープンを前に,コーウェンは自らの残された目標はステンソンのメジャー制覇を見届けることと語った。

「ヤツを死ぬほど愛してるんだ」とコーウェンは言う。「私にとっては個人的なもの。彼に一線を越えさせなきゃいけない。私がいなくなる前に。必死にそれを達成させようとしてる。それが叶ったら引退しても構わない」

ステンソンは2日目を前にしてUSオープンを棄権。首と膝の負傷と語った。しかしその直後のメジャー(全英)で,メジャー史上に残る最高の最終日(63)のパフォーマンスを見せ,フィル・ミケルソンを下して Royal Troon でクラレットジャグを掲げた。

ステンソンが偉業を成し遂げられた要因はなにか。コーウェンいわく,「6月にヤツを怒鳴ったんだ。『お前以上に俺がメジャーを獲りたいぞ』って。全英でのヘンリクは,冷静で集中していたね」

コーウェンは最終日のラウンド前にウォームアップするステンソンを見たが,1番ティーまで一緒に歩いたところで,コーウェンの仕事は終わった。

コーウェンはそのあと南にクルマを走らせ,イングランドにある自宅に向かう車中でラジオの実況中継を聴いた。歓喜の輪には加わらなかったが,耳から入る喜びの声は,彼を充足感で満たすには十分だった。

映像いろいろ

コーウェンがステンソンについて語る映像が Golfing World にありました。

www.youtube.com

ステンソンがやっいるらしいドリル(ほんとかな)。「Spiral Staircase(螺旋階段)ドリル」だとか。

www.youtube.com

実際のコーウェンの指導風景。聞き取りづらいですが……。

www.youtube.com