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犬よ,腹が減ったのならくらばりたまえ!

運動の本質は何か|ランニング教室を見学して

小学生向けのランニング教室があって、息子連れていってきた。すげー人(語彙力)が教えてくれたんだけど、ポイントを要約すると,

  1. 重心を前に
  2. 加速フェーズとトップスピードフェーズで腕の振りを変える(ことで結果的に足の運びが変わる)

という内容を,小学生が理解できるような語彙で,そして段階を踏んで説明して体験させているのが印象的だった。あと,レッスンが終わったあとで車座になって学んだことを言語化させてたのも印象的だった。

〈重心〉って言葉を使わないで重心って概念を教えるために、すげー人がまず何をしたかっていうと、子供らを二人一組にさせて、後ろのコが前のコを押して前に進ませる。そのとき体のどの部分を押したら前のコがいちばん速く進めるかな?ってやつ。で、「それっておへその後ろあたりだよね」ってのを確認した上で、次に意識させたのが、「おへそが前から引っ張られるように立つのが〈いい姿勢〉、そのいい姿勢を崩さないようにゆっくり走ってみよう」っていう教え。

加速については、ランの序盤は「地面を押すように」、スピードに乗ってからは「夏の砂浜でアチチってなったとき足をバタバタ素早く動かすと思うけど、そんな感じで足を素早く切り替える」っていうアドバイス。走る長さは30メートルぐらいしかなかったと思うけど,レーンの横に小さいコーンが置いてあって,色分けされている。最初の数メートルは青,次の数メートルは緑,そのあとは黄色,最後に赤,みたいない。で,「青と緑のところは地面を押す」「そこを越えたら足を早く動かす」っていうふうになっている。

教室が終わったあとそのすげー人に訊いてみたんですよ。「おへそを前にっていうのは骨盤を前傾させるためですか?」すげー人は,「いや、〈重心〉です」と、ピシャリ。

いや,そうだよね。骨盤が前傾したら何が嬉しいの?って話で,速く走るっていうのは要するに「体の重心をできるだけ速く前に進ませる」ってことだし,下り坂みたいに重心が前にあれば足は動くし。走ることの本質ってたぶんそういうことなのに,それを大人の中途半端な知識で「骨盤の前傾」とか言っちゃった自分がなんとも恥ずかしい。

で,翻ってゴルフスイング(あるいはゴルフというゲーム)のことを考えると,こういうことは往々にしてあるなと思うんですよね。細かいことは今回は省くけれど,巷にあふれるコンテンツを見れば,本質じゃない枝葉のところであーだこーだ言ってるし,〈原理原則〉とかいいながら逆に複雑化してないか?みたいなことがあったり。

みたいなことを改めて気づかされた,貴重な経験でした。そして何より,すげー人は飛ぶように走ってた。

(いちおうゴルフスイングに絡めて言うと,たとえば〈ウェイトシフト〉にちなんで〈両足裏の荷重の変化〉みたいなやつがあるんだけど、足裏のどこにどんな割合で荷重するかって重心の位置でだいたい決まるので,そういう細かい/分析的なことを意識するよりは,体の重心の位置の動きを意識した方がシンプルで手っ取り早かったり)