Linkslover

世界中のどんなコースに行ってもサマになる。そんなゴルフを僕はしたい。

「Royal」なゴルフコース10選からいろいろ思いを巡らせた

こないだ全英オープンが開催されたのは「Royal Portrush Golf Club」でしたが,僕がイギリスのどこかのコースをまわってたとき,一緒にラウンドした人に「日本にも Royal なコースはあるのか?」って聞かれたんですよ。要するに皇室に関連のあるコースはあるか,ということで。

「日本の皇室とゴルフとは縁がないよ。サッカーの天皇杯とか競馬の天皇賞とかはあるけど,あと今の天皇はテニスが好きだけど,ゴルフとのつながりは聞いたことないな……」ってな回答に留めました。「ロイヤル」といえば思い出されるのが茨城の「ザ・ロイヤル ゴルフクラブ」ですが,当然あれは皇室とは関係なくて。

Golf.comの記事によると*1,そもそもイギリスでは,ゴルフクラブに限らず「Royal」はイギリス政府の許可がないとつけてはいけないようです。今では世界中に「Royal」がつくのが66クラブ(イギリス以外ではオーストラリアで8,カナダで6,アフリカで6,アジアで3,ニュージーランドで1,大陸ヨーロッパで1)あるとか。

で,この記事の中では,「イギリスにおける Royal なコース」を主観でランキングしてて,そのトップ10というのが以下の通り。

  1. Royal County Down GC | Newcastle, N. Ireland
  2. Royal Dornoch GC | Dornoch, Scotland
  3. Royal Portrush GC | Portrush, N. Ireland
  4. Royal Birkdale GC | Southport, England
  5. Royal St. George’s GC | Sandwich, England
  6. Royal Porthcawl GC | Porthcawl, Wales
  7. Royal Cinque Ports GC | Deal, England
  8. Royal Lytham & St. Annes GC | Lytham St. Annes, England
  9. Royal Aberdeen GC | Aberdeen, Scotland
  10. Royal Worlington & Newmarket GC | Bury St. Edmunds, England

1位の County Down は Portrush と同じ北アイルランドにあるコースで,一時期 Golf Digest のコースランキングで1位になったこともあります。1位は言い過ぎだろというのがプレーしたときの印象でしたが*2,まぁタフで面白い。

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Royal County Down, founded in 1889

2位の Dornoch は,「ここで死にたい」と思えるほど美しくて優しいコース。難易度というよりは,雰囲気がなんとも穏やかで,包み込まれるような優しいがある。

3位の Portrush は今年の全英を開催。タイガー・ウッズを含めてここを初めて訪れたプレーヤーたちが軒並みコースのクオリティに打たれていたのが印象的でしたね。

4位の Birkdale は全英開催でお馴染み,直近はスピースが優勝した2017年。5位の St. Geroge's は来年全英を開催,前回は2011年で優勝はダレン・クラーク。6位の Powthcawl はこの中では唯一,ウェールズにあるコース。Portrush と同じハリー・コルトの設計で,ルーティングが秀逸。

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Royal Porthcawl, founded in 1891

7位の Cinque Ports は St. George's のすぐ近くに位置していて,古い時代に全英開催コースだった。バックナインがとくに美しくて,うねるフェアウェイが幻想的な光景を生み出します。8位の Lytham も全英開催コース。去年の全英女子も記憶に新しいですね。9位の Aberdeen はプレーしたことがないけど難しいらしい。10位の Worlington & Newmarket も残念ながらプレーしたことないけど「世界でもっとも美しい9ホールコース」なんていう声もある。

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Royal Worlington, founded in 1893

面白いのはこの10位の Worlington & Newmarket,しばしば「Mildenhall」と称されますが,9ホールコースなのに,全英開催コースの Royal Liverpool とかを差し置いて,ランクインしてる。トム・ドォークの『Confidential Guide Vol.1』でも「Gourmet's Choice」のひとつに選ばれているほど,愛おしいコースなんですよね*3。ケンブリッジ大の学部生のホームコースらしいです*4

なんでわざわざこれを強調するかっていうと,最近こんなツイートを見まして驚いたからです。

プロゴルファーの塚田好宣。いや,この内容には同意なんですが,塚田さんほどの人が,いまさらになって「ゴルフコースは18ホールでなくても良い。Par72でなくても良い。」って言ってるのかーって。

Mildenhall は特殊な例だとしても,バミューダにある18ホールのPar3コース*5なんかそのへんのパー72でやるより断然面白いし気持ちいいだろと思うし,イギリスの古いコースなんてパー72もないのがザラにあるし(一例をあげれば Swinley Forest*6),いや,あのセントアンドリュースのオールドコースだってパー72だけどパー3ホールとパー5ホールは2つずつしかないという意味では「典型的」でもないし,とか。だからまぁ,その「いまさら」にすごく驚いたわけです。

上記の Mildenhall を1890年代に設計した Tom Dunn いわく,「God meant this land to be a golf course」。この土地をゴルフコースにしとろ神が言ってる。だからまぁ,ゴルフコースになるべくしてなったと言われるような土地を見出すのが,コース設計では何より大事で,そもそもそうじゃないような土地に無理矢理コースを作って,さらにむりやりパー72にして,9ホールの2ループにして,前後半になんとかパー3とパー5を2ホールずつ配置しようとするから,いろいろと歪みが出て,最終的になんかよくわからないものができるんでしょうね。

そういう意味では「砂地こそが,ゴルフコースのあるべき場所」みたいな主張も*7,極端だにしろうなづける。

北アイルランドの次はウェールズ?

話がそれたんですが,上記の「Royal」ランキングウェールズから唯一入っている Royal Porthcawl。これを全英開催コースのロータに入れろ云々って話が湧き上がっているんですよね。イギリスの Golf Monthly の記事とかで*8

Portrush が「北アイルランドで68年ぶりの開催」で,それが大成功だったものだから,「だったらウェールズでも」って流れになるのは,分かる。Porthcawl も2014年と2017年の全英シニアオープンを開催してたりするから,そういう大会を開くには十分なほどのクオリティもある。

ただ残念ながら,インフラが足りないですよね。駐車場用のスペースとか,観客のスタンドとかメディアセンターとかを設営するためのスペースとかが,まず足りない。あと,1番ホールと18番ホールが交差するルーティングなので,ここも大会を開催するにはネックになると思うけど,全英シニアのときはホール番号いじって通常の17番が大会では18番になっていた気がする。

Golf Monthly の記事にもいろんな意見が載ってて,コースに対しては好意的なものの,「確かにインフラが足りないけど,Portrush みたいに長い年月かけて投資して準備すればいいじゃん」とか,「北アイルランドからはスタープレーヤーが何人も生まれているけど,ウェールズってどうなのよ」とか(ウーズナム!),どうなんでしょうね。僕が生きているあいだに実現するのかな。Porthcawl の前に County Down じゃないの(Irish Open も開催したし)とも思うけど,あそこはアマチュアの大会はホストするけどプロの大会はあまりホストしたがらない(らしい)とか,「また北アイルランドかよ」って話も出そうだし,まぁ「政治的」にいえばウェールズの方が正しい気がする。

そういや,2026年のライダーカップがアイルランドで開催されるというのが最近決まりましたが*9,それも結局「Adare Manor」っていうホテル併設のパークランドコースで,古いリンクスコースじゃないですからね。結局,大きな大会を開くには,残念ながらインフラの問題は無視できないってことでしょうね。

最後に問題です

アイルランド共和国(つまりは南)に「Royal」のつくゴルフコースはあるでしょうか? ありそうな気もするし,なさそうな気もするでしょ。

答えはこちら*10 *11

追記|2019-08-06

2021年の全英女子オープンが Royal Porthcawl で初開催されることが決まったようで*12,来年の Troon と合わせて楽しみである。

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