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世界中のどんなコースに行っても恥ずかしくない/戦える/コースと対話できる。そんなゴルフをしたい。

川辺謙一『図解 首都高速の科学 建設技術から渋滞判定のしくみまで』講談社(ブルーバックス)

ゴルフ行くときって高速道路に乗るじゃないですか。都内からなら,間違いなく首都高に。なので,その首都高について深く知っておくと,ゴルフに行くときの楽しみも増えるし,安全性も増すと思うんですよね。

図解 首都高速の科学 建設技術から渋滞判定のしくみまで (ブルーバックス)

図解 首都高速の科学 建設技術から渋滞判定のしくみまで (ブルーバックス)

という取ってつけたようなフリはどうでもよくて,まー面白かった,この本。こういうジャンクションのイラストをずっと見ていられるような人であれば,間違いなく楽しめると思います。

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この本からの引用ではないですが

著者いわく,

首都高速は日本の道路技術の粋が集められたネットワークでもある。制約が多い都市部に高規格道路を張り巡らせるために,さまざまな技術が首都高速で開発され,日本や世界の道路に広まっていった。その意味で,首都高速は道路技術のショーウィンドウともいえる。首都高速の技術を知ることは,異本の道路技術全体を知ることにつながる。(p.4)

とのことで,その「技術」を解説するために,「試乗でドライブを疑似体験」します。

まず,東京駅八重洲口前でレンタカーを借りた想定で,都心環状線(C1)を呉服橋入口から入って内回りで1周。この流れで,「右側から合流する入口が多い理由」であったり,「川の上のジャンクション(江戸橋JCT)」だったり,「知られざる『8号線』」だったり,「外回りだけがトンネル」の飯倉トンネルだったり,「千鳥ヶ淵の水面すれすれを走る理由」だったりが語られます。うまいこと構成されていると思いました。なぜ銀座から江戸橋あたりまで半地下を走るのか,今さらながら知れて良かった。

疑似体験のふたつめは,東京〜横浜間の新旧ルート,浜崎橋JCTから羽田・横羽線(1とK1)を通り,石川町JCTから神奈川3合狩場線(K3)を経由して本牧JCTから湾岸線(B)と台場線(11)でスタートに戻るルート。ここでは,首都高における「PA設置のさまざまな工夫」,「日本初の沈埋函(ちんまいかん)トンネル」である羽田トンネル,住宅地を通り抜けるための「改良された遮音壁」や「高機能舗装」,湾岸線における「巨大橋梁と海底トンネル」,トンネルの換気システムなどが解説されます。ほんと著者の言う通り,「道路技術の粋」が首都高には詰まっていることがよく分かります。

疑似体験の最後は,中央環状線(C2)。再び浜崎橋JCTからスタートして江戸橋JCTと箱崎JCTを経由して深川線(9)に乗り,辰巳JCTから湾岸線(B)で葛西JCTまで行って,そこから中央環状線をぐるっと内回りするルート。ここでは,箱崎における「JCT改良と渋滞緩和」,「箱崎にロータリーがつくられた理由」,「環境に配慮した高架橋」,「世界初・交通振動で発電する橋」である五色桜大橋,飛鳥山トンネルに用いられた3種類の工法,板橋JCTと熊野町JCTとのあいだを拡幅するための「サンドイッチ工法」,そして「山手トンネルの技術」などなどが解説され,そこに込められた関係者の知恵と工夫と努力には驚嘆するしかないです。(ついこないだも大橋JCTから湾岸線まで走ってみたのですが,あの長いトンネルは圧巻ですよね)

本書ではこれらの「疑似体験」のほかに,首都高速道路の歴史・誕生の経緯であるとか,渋滞を検知して交通障害へ対応するための交通管制システムであるとか,ジャンクションの基本構造や首都高速の特殊な立体構造であるとか,首都高速の維持管理と未来であるとかもしっかりと触れられていて,本当に本全体を通じてうまいこと構成されていて,さまざまなトピックがいい流れで配置されているなと感じました。

ってな感じで,最近はゴルフの帰りにあえて「幻の8号線」を通ってKK線を走るのがお気に入りになりました。