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求めよ,さらば与えられん(フィルなら)|フランケンウッド開発秘話

マスターズといえば思い出されるのがミケルソンの変態セッティングで,その中のひとつがフランケンウッド(Phrankenwood)。その開発秘話が記事になっていました。

結果的には,このフランケンウッドを手にしたミケルソンはその年のマスターズ(2013年)で自身最悪の54位フィニッシュ。しかしミュアフィールドで開催された全英オープンではこれで優勝したので,キャロウェイR&Dチームの努力も報われたといえるでしょう。

ミケルソンはマスターズを念頭において年初からいろんなクラブといろんなショットを試す,というのは,興味深い話でした。確かにことしもいろんなドライバーを試してるしなぁ。

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ソース

An oral history of Phil Mickelson's Callaway X Hot Phrankenwood by Jonathan Wall, 3 April 2019

拙訳

マスターズに向けたクラブ変更の大会があったとすれば,フィル・ミケルソンは大差で優勝するだろう。2本のドライバー。ドライバーなし。2本のロブウェッジ。あらゆるタイプのショットを要求する,ボビー・ジョーンズとアリスター・マッケンジーによる傑作,オーガスタ・ナショナルで,ミケルソンはすべてを行なった。

14本の道具を組み合わせるというジグソーパズルに対して,ミケルソンは子供のような熱意を持って取り組んできた。多くの場合,彼の野心的で独創的なアイディアは実を結んだ。最も注目すべきは,2006年のマスターズ。ホールの形状に応じてフェード用のドライバーとドロー用のドライバーを使い分けた。

メジャー大会ででそのような大胆な戦略を全面的に採用し,かつ成功したのは,ミッケルソンだけだった。 ショットのシェイプに合わせて同じクラブを2本使っての勝利というのは,ゴルフ史上最もマッチョなクラブ変更のひとつだ。

しかし,彼のマスターズでのクラブ変更の歴史を振り返ると,2本のドライバーのセットアップは1本のクラブ,フランケンウッド(Phrankenwood)に劣るかもしれない,と主張できるかもしれない。

2013年のマスターズまでの数ヶ月間,ミッケルソンはキャロウェイの研究開発チームに,マスターズのためだけにクラブを作る可能性を問い合わせた。それまでミケルソンがティーショットで使っていた,ディープフェースのフェアウェイウッド X Hot 3Deep と同じフェースカップテクノロジーで,ランが稼げるクラブを。

その年のはじめ,ミッケルソンはキャロウェイの RAZR Fit Xtreme ドライバーを手にフェニックスオープンを勝利したが,3Deepでのテスト中,ドライバーと同じスピン量でフェアウェイウッドが同じぐらいの飛距離がえられることに気づきはじめた。

ドライバーの長さ(45インチ)とロフト(8.5度)で,3Deepと同じ操作性とフェーステクノロジーを持つクラブを探している中,特に9番・10番・15番でのティーショットでアドバンテージを得るために,キャロウェイの研究開発チームはその非常に厳しいスケジュールの中でミケルソンの手に何かを与えられる可能性を,吟味した。

机上では,そのプロトタイプは素晴らしいアイデアのように見えた。 しかし,フィニッシュラインに近づくために,研究開発チームはどうにかして2ヶ月以内に概念実証を考え出し,フィルがそれをテストしたいと思えるほどに気に入らせる必要があった。

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それまで,キャロウェイはカリフォルニア州カールスバッドにある本社で,ツアープレイヤー用の1回限りのアイアンセットやウェッジ,それにパターを社内で作成するのには問題がなかった。しかし,メタルウッドで同じことをするのは,まったく別の話。部品は通常,他国のベンダーによって製造されている。つまり,キャロウェイは部品の大部分を社内で製作する必要があると同時に,ヘッドを組み立てるのには外部の支援をあおがなければならないのだ。

言うまでもないが,250ccのより大きなヘッド幾何学(3Deepは185cc)と壁の厚さを利用しながら,現在のフェイステクノロジーとステンレススチールと融合させる方法を,見つけ出す必要があった。

フランケンウッド開発という究極のプロジェクトの中心にいたのは,キャロウェイ研究開発部門の3人の男たち。Evan Gibbs と Brad Rice。そして10年以上にわたってミケルソンのクラブを senior club technician として作ってきた,Gerritt Pon。

プランケンウッドがオーガスタで解き放たれてから6年後,私たちはそれを作った人たちの目を通して,一回限りの創造がどのようにして生まれたのかを振り返える。

回答の中には,明快さと長さのために編集されたものがある。

WHAT PHIL WANTS, PHIL GETS

フィル・ミケルソンでさえも,フランケンウッドが確実なものだとは思っていなかった。 彼がその考えを Evan Gibbs と他の研究開発グループに広げたとき,マスターズに間に合うように新しいクラブを作ることは信じられない偉業であろうというのが,多くの人が思うところだった。

しかし,フランケンウッドがキャロウェイの顔であるミケルソンのためのものであったことを考えると,設計を挑む価値はあった。最悪の場合,ミケルソンは 3Deep を「ドライバー」としてオーガスタに行った。実際のドライバーと同じくらいの飛距離がえられていたクラブとともに。

Gerritt Pon (Callaway Senior Club Performance Analyst)

フィルの準備は一般的に,年のはじめからオーガスタを見据えて始まる。オーガスタを念頭において,すべてのクラブを調整したがるんだ。そして多くの場合,彼はオーガスタの前に別のコースをプレーし,オーガスタをイメージしながらさまざまなショットを打ってみる。

当時,彼はよくフェアウェイを外していた。これが答えになることを願った。フェアウェイをとらえつつ,飛距離を失わないクラブが。

Brad Rice (Callaway R&D Advanced Engineering Director)

フィルがそれを持ち込んだとき,私はそれが非常に面白いと思った。少し引いてドライバーの全体像を眺めてみると,ステンレスを用いつつ意味のあるものを,飛距離性能は言うまでもなく,どれぐらい大きく作れるだろうかという疑問はあった。明らかに,この構造を採用して460ccのドライバーを作ることはできないから。

Evan Gibbs (Callaway R&D Advanced Engineering Director)

どういう見た目のものを望んでいるかについてフィルとたくさん話したことを,よく覚えている。どの長さで作ろうと彼が考えているかというのも,重要な変数だった。なぜなら今でもフィルがシャフトの長さを変えるのはしょっちゅうだから,彼がどういうふうにこのクラブを使いたいのかを理解する必要があった。

それを知ることで,ヘッドの重量を決める必要があった。それ以前は,ヘッド重量を簡単に変えられるためのスクリューというのは,多くなかった。なので,このクラブに対するフィルのビジョンを知るためにも,クラブの長さを知る必要があったのだ。

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