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デシャンボーのヘンチクリンなウェッジ裏話|デシャンボーと仕事をするのは大変そう

いまさらデシャンボーから何が出てきても驚かないですが,これはそのユニークなウェッジについて。

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例えば Nike の Engage Toe Sweep はトウ側にウェイトを寄せて,クラブヘッドの重心がフェースの中心に近づくようにしていた。が,デシャンボーのウェッジはまったく逆なんである。

ということで,Cobra の Tour Operations Manager である Schomin に話を聞いた。

このようなウェッジを作った意図は?

普通のウェッジは35インチだけど,デシャンボーのは37.5インチ。ヘッドスピードがより出るので,普通のヘッド形状だとボールが下の方の溝に止まって低く打ち出すようなスピン量を実現するのが難しい。あるときは11,000rpmぐらいで打てるし,またあるときは3-4度打ち出しが高くスピン量も7,000rpmとかになっちゃう。ショットの一貫性を保つのが難しい。ので,考慮したのはまずスピード。そしてインパクト時のフェースのブレ。シャフトの位置から,フェースは開きたがるから。簡単な喩えとしては,ドライバー。インパクトのときにフェースを閉じたかったら,ヒール寄りにウェイトを置くでしょ。開きたかったらトウ側に。デシャンボーのウェッジも,これと同じ考え方。

たぶん最初にこのアイデアをテストしたのは,バハマのタイガーのイベント。55度と60度のウェッジをデシャンボーに渡した。これがうまくいったので,デシャンボーがテンションがあがった。特に良かったのはチッピング。なのでもうちょっとセットを作って,基本的にはウェイトを増やして,どこまで効果がでるか,どこから先は意味がないかを試した。今のかたちは,35-40グラムのウェイト。最近のウェッジのデザインの傾向から考えれば,これは直感に反するかもしれない。だけどデシャンボーにはうまくいってるように見える。だけどデシャンボーが人と反対のことをやっているのは,まぁ普通のことだね。

リッキー・ファウラーもタングステンをトウ側に入れていると思うけど。デシャンボーの場合はヒール側にウェイトだから,重心もヒールに寄るよね?

そうだね。ウェッジはホーゼルも長いし,重心がヒール側に寄りがち。なのでリッキーのみたいにトウにタングステンとか入れて,重心をフェースの中心に寄せる。そうなんだけど,トウの方がそういうの入れやすいというのも事実。ただ,重心がセンターにあるのが悪いことなわけじゃない。デシャンボーのウェッジは当然ヒール側に重心が寄ったけど,そっちで打ちたいわけじゃない。

このへんはいまでも研究開発中で,いくつかのアイデアを他のプレーヤーとも試しているところ。リッキーとかレクシー・トンプソンとか。気づく人もいれば気づかない人もいる。ウェイトの追加は長いクラブほど効果を増すけど,35インチのクラブだとどうか? デシャンボーには効いたけど,彼以外にも効くのか? そんなことを試している。

このウェッジの製作工程は?

すごい時間がかかった。ヒール側のウェイトは溶接ビード。単純に溶接してほっとけばいいってものではなくて,熱がすごいし,焼きなましたくないし,熱いのをほっとけばフェースも変形するから,ちょっとずつちょっとずつビードを溶接していった。溶接したあとはグラインドして,見た目を整える。テスト目的だと見た目は問題にならないけど,とはいえ見た目は良くしたい。こんなふうに鋳造されたように見えるけど,実際はそうじゃない。ひとつのクラブに数時間はかかってる。

こんな感じのプロジェクトをデシャンボーと進めるのは面白い?

うん,とても。彼とやってることはいろんな意味で……,ドライバーは割と普通だけど,アイアンとかウェッジは,チャレンジだったし今でもそう。その部分では楽しいし,挑戦だし,脳に汗をかかされる。これまでいろんなアイデアを試してきて,うまくいったもの,まあまあだったもの,うまくいかなかったもののリストがある。同然,成功以上に失敗が多い。なにかに時間をそそいで努力して,でもうまくいかないときは何か臭う。だけど次のことには,もしかしたらちょっと手を加えることで,うまくいくかもしれない。全体的には面白いけど,まぁ時間がかかるね(笑)。