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ツアーでもっともアグレッシブなプレーヤーは誰か?|「AI」という指標|GOLF.com

結論からいえば,もっともアグレッシブなのはジェイソン・デイ,もっともコンサバティブなのはジョンソン・ワグナーということなのですが,これは「Aggresion Index (AI)」という指標に基づいた結果です。これを考案したのは,Mark Broadie。「Strokes Gained」の概念を考案したことでも知られていますね。

これにちなんだ記事が,GOLF.com にありました。

Mark Broadie explains new 'short sided index' PGA Tour statistic by Mark Broadie, 5 March 2019

まずは「Short-Sided Index (SSI)」の導入

「Aggression Index (AI)」の前に「Short-Sided Index (SSI)」という指標を解釈する必要があります。これは,「プレーヤーが235ヤード以内からグリーンを狙うショットをしてグリーンを外した際に,ボールからホールまでの距離に対する,ボールからグリーンエッジまでの距離の割合」と定義されます。

仮に,ホールがグリーンサイド右から3ヤードのところに切られているとします。で,同じ右サイドに外したときに「ショートサイドに外した」と言われますが,同じ外すでもほんのちょっと(例えば0.1ヤード)外しただけだと寄せは難しくない。この場合の SSI は 0.1/3 で,「0」に近い数字になります。一方で右サイド30ヤードも外しちゃったとすると,寄せはかなり難しい。この場合の SSI は 30/33 で,「1」に近い数字になります。

ということで,どれだけ厳しい寄せのショットが残ったかを0から1のあいだの数値で表現するのが SSI だと言えますが,別にショートサイドに外したものだけが対象ではない(はず)。ただ,ショートサイドに外した方が SSI は「1」に近くなりやすいし,ロングサイドに外した方が SSI は「0」に近くなりやすい,というのは間違いない。

(当然,寄せの難しさなんて,ライとかグリーンの傾斜とか風向きとかで変わりますよ。ただそういうのを無視して「距離」だけで計算しちゃえるのが,指標の指標たるゆえんです)

ちなみに,PGAのツアー平均の SSI(グリーン周り)は「0.48」。たとえば残り29ヤードのラフからで SSI が「0.5」の場合,ホールアウトまでに要する平均ストローク数は「2.72」。 一方で同じ残り29ヤードでも SSI が「0.9」だと,プロであっても平均「3.06」ストロークを,ホールアウトまでに要します。結構な違いですよね。

以下の図は,この SSI を可視化したもの。ホールまでの残り距離が同じでも,ショートサイドの方がホールアウトまでに要する打数が多いことが見て取れると思います。

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もちろん,ショートサイドを狙ってグリーンに乗ればバーディーのチャンスは高まるわけで,要はリスクを覚悟で攻める(アグレッシブ)か,ボギーを避けて安全にいくか(コンサバティブ)という,戦略の問題です。

で,「Aggression Index (AI)」

「SSI」がわかったところでようやく本題の「AI」の定義に入れます。数式であらわすと

  • AI = (SSI - tour avg(SSI))/stddev(SSI)

となります。つまり,「自分の SSI からツアー平均の SSI を引いて,それを自分の SSI の標準偏差で割ったもの」ということです。

大まかな傾向としては,まず分子(「自分の SSI からツアー平均の SSI を引いて)に注目すると,これがプラスだと,自分が平均より SSI が大きいから「アグレッシブ」,マイナスだと逆に「コンサバティブ」と言えます。

つぎに分母に注目すると,これは SSI のバラツキと言えますから,この値が小さいほど,戦略あるいは結果が一定している(攻めるにしろ守るにしろ),と解釈できそうです。

ということで,分子が同じ正の値だったとしても,分母がより小さいと「AI」は大きくなり,現象としては「常に攻めている」と解釈できそうです。分母が同じ負の値でも,分母がより小さいと「AI」は小さく(マイナスの値が大きく)なり,「常に守っている」とみなせそうです。

ということで,ようやく最初のテーブルが解釈できるようになったので,再掲します。

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