Linkslover

I want to be a window through which Japanese golfers can see what’s happening outside. TPI G2/P2.

川田太三『ゴルフライフ極上の愉しみ:もう一歩深く、ゴルフをエンジョイするために』青春出版社

ブログ終了といえば,ゴルフ本書評と美魔女ネタで多いに楽しませていただいた「ゴルフも人生も no plan (;´Д`) 」も今月で終わられるとかなんとか…。寂しい限りです。

この本も,そちらのブログの書評で知りました。

半分はゴルフクラブ/カントリークラブ,あるいはクラブライフに費やされていたような印象で,「目指しているところは分かるんだけど,でも日本では難しいだろうな」という感じ。

そんな本書の中でいちばん面白いと思ったのは,「20世紀のゴルフから21世紀のゴルフへ」と題された文章の,「ニクラウスとウッズ,コース戦略の決定的違い」という内容。ジャック・ニクラウス最後の全英オープンであり,タイガー・ウッズが全英初制覇となった,2000年のセント・アンドリュースを引き合いに出して,そこでのタイガーの戦略・マネジメントについて述べているところです。

ニクラウスに代表されるコース戦略のパターンは,スピンボールによる攻略である。 もちろん,その前提として風に左右されない力強い弾道というものがあるが,攻略のポイントはボールにかけるバックスピン量の調節によって,グリーン上で強く引き戻すか,落ちたところで止めるかがポイントとなっていた。

川田氏いわく,「ニクラウスが大活躍している頃からウッズの出現までは,スピンボールの精度とコースセッティングの戦いだった」そうです。

一方のタイガー・ウッズ。プレーヤーを翻弄する「大地の皺」ともいえるスウェイル(隆起)を避けるため,

ウッズは,たとパー4の残り150ヤードのセカンドショットだろうと,その皺の手前に的確にボールを止め,そこからアプローチで寄せ,パーセーブを積み重ねていった。

〔中略〕

ウッズは絶対に自分のジャッジメント以上飛ばないクラブを握る。うまくいってパーか,ボギーかを考えれば,ウッズの選択は(卓越した寄せの技術をもってすれば)正解なのである。最高のショットを打てばバーディーかイーグルが可能。だが,そのショットが15センチずれれば,ボギー,ダボも待っている。

ウッズ以前の時代は「その少ない可能性に賭け,ダボを打っても,それを補うスーパープレーでカバーしたものが勝利者となっていた」が,「ウッズはボギーを嫌い,与えられたチャンスをことごとくものにした」ということ。

ということで,「耐えに耐えてチャンスを待つ」のがウッズの戦略ということで,それだけきけば「それだけかよ?」という気がしなくもないですが,「グリーンに乗ればショートゲームなんて必要ないだろ」と言ってた(はずの)ニクラウスとはやっぱり違うってことなんですかね。