冬のロンドンのゴルフコースはとてもウェットで,フェアウェイであってもしょっちゅうボールに泥がつきますが,ボールについた泥は飛距離や方向にどれぐらいの影響を与えるのかという実験の結果が,GolfWRXに載っていました。
The Science of Mud Balls (and predicting their flight) – GolfWRX
テストの条件として,
- PING Man というロボットを使う
- PINGのG30の4番アイアンを使う
- インパクト直前のクラブヘッドスピードは95mphに設定
- ボールは Titleist Pro V1x
- 通常の条件ではキャリーが220ヤード
ということだそうでして,その結果がふたつのグラフで示されています。この棒グラフの先端が結果の平均値,そしてヒゲの部分がその平均値の95パーセント信頼区間だそうです(この場合,期待値は点で示したほうがいいと思うのだけれど)。
まずは左右のブレ。ざっくり言うと,泥がボールの右についていると打球は(上記の条件のもとでは)左に約25ヤードずれ,左についているときはその逆,泥が全体を覆っているときには左右のブレに関して統計的に有意な差は得られず,ということです。
つぎに飛距離に関して。泥が全体を覆っているときはキャリーは平均140ヤード,ボールの後ろ(というのは飛球線方向に対してでしょう)についているときにはキャリーは平均150ヤード,ボールの下では平均160ヤードにまで減少。ということで,「クラブフェースとボールとのあいだに泥がはさまるとインパクトのエネルギー伝達が阻害される」と,WRXの記事では言っています。飛距離の減衰が少ないのは泥がボールの前か上についているときだけれど,それでもキャリーは約10%減少,ということです。「ハイスピードカメラで見ると,ボールの泥はインパクトのときにその大半が吹き飛ばされる」らしいのですが。