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アマチュアゴルファーが上達しない(唯一の)シンプルな理由|GolfWRX

結論を先にいうと,その理由とは「ゴルフレッスンのあり方,もっというと生徒の教わる姿勢に問題があるからだ」というのが著者(Dennis Clark)の主張です。長いですが,一読の価値はあります。

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ソース

The simple reason golfers don’t get better – GolfWRX by Dennis Clark, 22 April 2014

概要

まず著者は,「昔に比べればスイング理論に関する知識も情報も格段に増えて,そして各種の計測器なども使える状況にあり,プロはそれらを活用してプレーの質を向上させているのに,それと同じようにはアマチュアゴルファーは上達していないのはなぜだろう?」という問題提起をしています。

そして,自らインストラクターでもある著者は,そのアマチュアが上達しない理由について,「それはレッスンのフォーマットに原因がある」と主張しています。インストラクターとして,著者がしばしば生徒から言われる言葉に,こういうものがあるそうです。

「レッスンを受けたときは,つかめた。だけど,それがゴルフコースに行くと消えてしまう。実際に,レッスンでの修正は,ちょっとのあいだしか続かない。昔のクセに戻っているんじゃないかな」

これに対して著者は,「その生徒はそもそも“つかんで”なんかいなかったんだ」と言います。インストラクターの指導のもとに,まったく不慣れな動きを何度か続けてしている中で,たまたまいい当たりが出ただけだったのだ,と。そして,“つかんだ”つもりがまた消え,そしてまた……,の繰り返しだと。

この不毛な繰り返しをとめるためには,著者は「ゴルフのレッスンのパラダイムシフトが必要だ」と言います。いまの30分なり60分なりのレッスンは,短期のラーニングには適していて,スライスやシャンクなどをちょちょっと修正することはできるかもしれない。しかしそのフォーマットでは,全体的なスイングのダイナミクスに関する深い知識はえられなくて,その効果は長く続くことはない。60分のレッスンをしている中でたまにいいスイングは見かけるけど,ひとたびそのゴルファーが自分だけでやると,いいスイングは50回に1回ぐらいしか起こらない,ゴルファーとは新しやり方ではなく馴染みのあるやり方でやるものだ,と。

もうひとつ著者が主張しているのは,レッスンにおける情報の伝達の仕方にも考慮が必要である,ということです。この分野については,Michael Hebron(PGA Master Professional from New York)が,精力的な調査を行なっているとのこと。その Hebron が基本的に主張していることは,

「ハウツー」レッスンは退場する必要がある。生徒はもっともっと,教わるプロセスにおいて積極的に,先生をガイドとして利用する必要がある。「ハウツー」を教える変わりに,先生がしなければいけないのは,生徒が自ら発見するような機会を提供すること。長期の学習は,自発的な発見からしか起こらない。今のレッスンのフォーマットは,短期の学習しか導かない!

ということで,著者も自らの生徒に対して,できるだけ自分で情報を得られるような方法を提供しているとのこと。先生である自分がティーに立ってすべてのスイングに対して「やりかた」を示せば,レッスンの終わりまでには生徒はよりよいボールを打つようにはなるが,家に帰るころには,肉体的にも精神的にもそれを忘れているだろう,必要なのは「アハ体験」であり,「あー,なるほど,わかった!」という感覚や思考だけが,唯一の道である,と主張しています。

さらにゴルファーは,新しい練習方法を見つける必要があるとも言っています。ボールを何球打ったかとか,練習場で何時間過ごしたとかではなく,

  • どれだけ新しいスイングを試したか?
  • どれだけ頻繁にクラブを変えて,スイングのあいだに3−4分の間をとれたか?
  • ゴルフコース同様,ドライバーを打った5分後に7番アイアンを打ったか?
  • ゴルフコースにあるようにいろいろなライから練習したか,あるいはパー3以外では決してしないように毎回パーフェクトなライから打ったか?

もし仮に,小さいバケツ1杯分のボールをティーから打って,もう1杯分のボールをフェアウェイからグリーンに打って,それでベストなショットを選んでいけば,すごく良いスコアが出るだろうと。そしてそんな練習のあとには,だいたいいいショットだけを覚えて,アンプレイアブルなショットのことは忘れる,これが,レンジでの通常の練習が非常にミスリーディングな理由である,と,著者は言います。

最後に著者は,こう述べています。もしあなたが通常の身体能力を持つハンディキャップ20のプレーヤーなら,適切な練習と指導さえあれば1年のうちにそのハンデを半分に減らせる,と。著者はインストラクターとして依然として1時間の練習のフレームワークから完全に抜け出せていないものの,いずれは完全に抜けることを望んでいるそうです。