Linkslover

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マスターズに向けたウェッジの調整

もうすぐ待ちに待ったマスターズですが,それに向けてプレーヤーたちはウェッジ選びに余念がないよ,という記事。想像以上にウェッジのロフト+バウンス選びは繊細かつ重要なんですねぇ。

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新しいウェッジを試すキーガン・ブラッドリーと,スイングコーチ Chuck Cook

Golfweek "Players work on wedges prior to Augusta"
http://golfweek.com/news/2014/mar/07/players-work-wedges-prior-augusta/

超高速グリーン,短いラフとベビーパウダーのような砂のバンカーは,オーガスタナショナルをプレーヤーのショートゲームを試す,シビれるような場にしている。そのテストを及第して4月の第2日曜日にグリーンジャケットに袖を通すために,プロは多くの才能を必要としている。そして正しいウェッジの助けも。

キャロウェイゴルフのPGAツアーマネージャーである Dean Teykl いわく,今週のトランプナショナル・ドラルでの大会を皮切りに,キャロウェイがプレーヤーたちにオーガスタナショナルに最適なウェッジを提供し始めているという。通常,プレーヤたちは新しいギャップウェッジ,サンドウェッジ,そしてロブウェッジを手にしている。ピッチングウェッジは手を付けられていない。

「溝というよりは,ターフとの接地の問題だね」とTeyleは言う。「勘違いしないでね。マスターズだから鋭い溝は必要だよ。だけど,それよりも気にしているのは,ターフとの接地なんだ」

オーガスタのフェアウェイの芝はビリヤード台のように硬いので,ボールは決して止まらない。なので,サンドウェッジやロブウェッジのバウンスがききすぎていると,リーディングエッジをボールの下に入れるのが難しくなる。

「ただ準備をしてるんだ」と,タイトリストVokeyウェッジのPGAツアー代表 Aaron Dill は言う。「ちょっとバウンスが少なくて,でも今使っているのと似たようなウェッジをね。オーガスタのコンディションがどうなるか。硬くて速いのは間違いないだろう。だから,今使っているウェッジよりバウンスが2,3度少ないものを準備しているんだ。あるプレーヤーには,グリーンまわりで使えるソールが広いウェッジも準備するかもしれない」

キーガン・ブラッドリーは,ローバウンスのトレンドに逆らう数少ないプレーヤーのひとりかもしれない。キーガンのスイングコーチである Chuck Cook は,2011年に全米プロ選手権を制したキーガンが,60度のウェッジにバウンスを足したことを強調した。Cookはキーガンに,ターフに逆らってボールをつかまえるように,だけどターフはあまりとらないように指導している。

「週を重ねるごとに,キーガンはもっとバウンスを欲しがっている」と,クリーブランドのPGAツアーマネージャー Rob Waters は言う。「最初はバウンスが8度だったけど,今は12度に近づいている。だけど分かったのは,シャローなスイングになるにつれて,どんどんボールを上げるようになっているということ。」

同時に,クリーブランドはキーガンの新しいウェッジのヒールを削っている。これによってキーガンは,タイトなライからでもボールを拾えるようになるだろう。バンカーでのバウンス,フェアウェイやフリンジからの救済。キーガンにとって最高の武器だ。

何人かのプレーヤーは,オーガスタに乗り込む前にウェッジを使いならすことについて語っているが,それは誤解を招きかねない。少しバウンスの少ないウェッジを選択することは,プレーヤーの方程式に新たな変数を追加することになるのだ。しかし,マスターズを目前にして,急激な変化は求めていない。実際,慣らしの期間は,適切なバウンスとロフトとのブレンドを探る,心理的な安心感を求める期間なのだ。

そして,ババ・ワトソン。Pingのマスターツアーテクニシャン Daniel Udd によれば,ワトソンは優勝した2012年のマスターズの開催前日である水曜日の朝に,Pingの新しい Tour-S ロブウェッジを求めたという。

「あの朝だよ!」と,Pingのトラックの中でUddは言う。まるで,まだそのことを信じられないかのように。それはありえないリクエストだったかもしれないが,ババ・ワトソンはその後マスターズを制した。そう,ババは即座にそのウェッジを使いならしたのだ。