Linkslover

I want to be a window through which Japanese golfers can see what’s happening outside. TPI G2/P2.

鹿又芳典『納得できるゴルフクラブにめぐりあえないときに読む本』実業之日本社

(裏表紙より)
プロゴルファーがゴルフクラブを選ぶとき,もっとも大切にしているのは自分自身の感覚です.アマチュアの場合も基本的には同じ.使いやすいと思えば,それが自分にとって最高のクラブなのです.

情報が氾濫するいま,「こうあるべき」という間違った情報に縛られている人が少なくありません.本書では,「よくある質問」に答えながらクラブの正しい知識を解説していきます.プレーヤー自身が主人公であることを思い出し,使うギアを考えれば,今までよりもクラブ選び,そしてゴルフが楽しくなるはずです.

納得できるゴルフクラブにめぐりあえないときに読む本 (じっぴコンパクト 66)

納得できるゴルフクラブにめぐりあえないときに読む本 (じっぴコンパクト 66)

  • 作者:鹿又 芳典
  • 出版社/メーカー: 実業之日本社
  • 発売日: 2010/06/29
  • メディア: 新書

抜粋
  • 極端に言えば,自分だけが使いやすいと思えれば,それが自分にとって最高のクラブ.
  • 本来,ゴルフクラブはそんな性質の道具なのに,情報が氾濫している現在,こうしなければならない,こうあるべきだという間違って知識に縛られ,考え方が窮屈になっている人がたくさんいる.
  • クラブの相談は,まず目的が明確でなければならない.クラフトマンとの対話を繰り返し,問題意識が明確になることで,本当に自分にあったクラブがみえてくる.
  • ドライバーのヘッドの大きさは万能ではない.慣性モーメントが大きくなるという利点がある反面,ヘッドの操作性が落ちるという面もある.
  • ヘッドスピードを上げたかったら,軽さよりまず長尺化を考える.長くして,振り切れるようにシャフトを軽量化する.
  • ルールで規制されるスペックは,その制限を超えると明らかに大きなアドバンテージが得られることを示している.
  • クラブの性能はヘッド7割,シャフト3割.
  • スインガーが硬いシャフトを使うと曲がり幅が小さくなる,ということはない.むしろ,切り返しで上手くしならせられず,打ち急いだりリキんだりすることで,余計に曲がるかもしれない.
  • シャフトメーカーも,メタルヘッドの時代まではトルクを小さく絞ることで,叩けるシャフトのイメージを高めていたことがあった.だが,最近のデカヘッドでトルクを絞ってしまうと,ヘッドの動きが手元に伝わりすぎ,振りにくさを感じることがわかったようで,結構トルクを大きくしているシャフトが増えてきている.
  • 最新のモデルがつねに最良のクラブとは限らない.ニュークラブはまず試打を.
  • 「長尺=ミート率の悪化」とは限らない.7番ウッドと3番アイアンを比べると,長い方の7wが打ちやすいはず.ゴルフクラブの優しさとは,その長さに応じた「つかまりやすさ」である.
  • スチールシャフトにおける先調子のしなりの頂点と,元調子の頂点の位置の違いは,わずか3cm程度.
  • シャフト設計の段階では「キックポイント」は計算外.しなりやトルクを調整するために,剛性分布を考えて作った結果としてできあがるもの.
  • バランスは「数値ありき」ではよくない.選んだヘッドと長さに対して,振りやすい重さ感を求めた結果として決まるもの.
  • ロフトを立てて飛ばす発想は,スピン量が増えやすかったパーシモンヘッドと糸巻きボールの時代ならわかるが,現代の大型チタンヘッドと,スピン量を抑える多層構造のソリッドボールの組み合わせでは,真逆である.
  • 身長が低いからとってクラブを短くする必要はない.身長に合わせて調整すべきは,長さではなくてライ角である.
  • 杉原輝雄は,レギュラーツアーで現役バリバリのころ,とにかく硬いボールが飛ぶと思い込んでいた.ところが,スピン量が減って飛ぶボールを作るには,コアが軟らかいタイプが有利.契約メーカーの担当が,黙ってコアの軟らかいタイプに取り替えたところ,飛距離が伸びたらしく,それ以降は硬いボールをくれとは言わなくなった.
  • スイングに対して合わないヘッドのモデルを購入してしまったら,シャフト交換で特性をねじ曲げる発想は捨てて,いさぎよく中古ショップに売るべき.
  • チューンはショット技術向上のサポート.目指すショットをよりやさしく打てるようにセッティングしていくわけだから,腕前が上がり,より高度なレベルの技術に挑戦していくときには,またチューンが必要となる.
  • 軽量グリップでバランスを出す方法には疑問.グリップ部分に適度な重さがあることは,スイングを安定させる上で必要なはず.
  • 目標のスコアに対して,それが出せない問題点がドライバーなのかアイアンなのかショートゲームなのか,自己分析ができている人は少ない.
  • 大事なのは,14本を並べてみて,「何番」ではなく「何ヤード飛ぶクラブ」か.
  • 理想型をいうと,スイングを見てくれるプロがいて,フィジカル面や身体に合った動きをしたときにポテンシャルを最大限に引き出せるクラブを使うと,急速な上達が期待できる.だが,道具とスイングを別々に考えている人が圧倒的に多い.
  • どうクラブを動かしたいのか,その動きに合うクラブとは,という順番で考えて,さらに使う場面も想定する.そこまで考えてほしい.
  • 普段のプレーで「この距離が乗ればスコアが減るのに」と思える場面を,150−200ヤードのエリアでいくつ考えつくか.その数が,FWとUTの本数を決める鍵になる.
  • ロフトが同じなら飛距離も同じ,ではない.基本的に,長い番手ではロフトよりもクラブの長さで飛距離の差が生じる.
  • 昔,全番手が同じ長さという「等長アイアン」が販売されていたが,すぐに廃れた.ロングアイアンはヘッドスピードが上がらないため弾道が低くなるだけでキャリーが伸びず,ショートアイアンはやたらと高く上がるだけ.
  • 同じ飛距離でFWを入れるかUTを入れるか迷ったとき,「使用する場面」で判断する.また,ショートウッドはウェッジ的な使い勝手,UTはロングアイアン(あるいはミドルアイアン)的な使い勝手をイメージするとよい.
  • アイアン型のUTは,ヘッドスピードが43m/s以下のアマチュアには難しい.また,ウッド型や中間型のUTでも,ロフトが20度以下のモデルは避けたほうが無難.
  • 岡本綾子は,ショートアイアンをすべて同じライ角にしたことがある.おそらく,短い番手のつかまりすぎを抑える工夫だろう.
  • ミドルアイアンで飛ばしたかったら,ロフトを立てるのではなく逆に1度ぐらい寝かせるのがベター.または,番手間を0.75インチ刻みにして,長い番手を少し長尺化する.
  • ヘッドの重量調整は,機能を優先するなら,外鉛ではなくヘッドに鉛を貼るのが合理的.
  • ウェッジでロフト58度がプロに支持されているのは日本だけのこと.欧米では60度と54度という組み合わせが一般的.