Linkslover

I want to be a window through which Japanese golfers can see what’s happening outside. TPI G2/P2.

マキロイが受けた〈奇妙〉なパッティングレッスン|Golf Digest

来週アップデートされる世界ランキングで1位に返り咲くことが決まっているロリー・マキロイ。そこにはパッティングの改善が貢献したわけですが,その裏にはこんな面白い話がありました。

ソース

Rory McIlroy describes the unorthodox first putting lesson with Brad Faxon that began his road back to World No. 1 | Golf News and Tour Information | Golf Digest by Alex Myers, 3 February 2020

拙訳

ロリー・マキロイのランキング1位への返り咲きは,いくつかの理由で意義深い。ひとつは,PGAツアーのショーン・マーティン(Sean Martin)によれば,1位陥落から復活までの「約4年半」という期間は,これまでの誰よりも長いものだという。もうひとつは,ランキングポイントが計算される過去2年のあいだにメジャータイトルがなかったにも関わらず,1位に返り咲くという点。

2年もたたない前,マキロイはランキング13位にまで落ちた。2018年の Valspar Championship で予選落ちした翌週のことだ。次の出場大会を前に,メジャー優勝4回のマキロイは,PGAツアー優勝8回のブラッド・ファクソン(Brad Faxon)にパッティングの指導を受ける。その最初の会合はマキロイが思っていたようなものではなかったが,それ以降の結果には納得せざるをえない。

最近発表された「Independent」誌のインタビュー*1で,30歳のマキロイはそのときの様子について語っている。3時間の予定の大部分は,コーヒーを片手にした会話に費やされた。そして最終的に練習グリーンに向かうとなったとき,ファクソンが変なリクエストをした。

「彼はこう言ったんだ。『自分が何に取り組んでいるか知る必要がある。パターとサンドウェッジと5番ウッドを持ってきて』って」。マキロイが語る。「で,僕たちはパッティンググリーンに行って,8フィートからパットしろって言われたの。パターで打ったら,3球中1球入った。サンドウェッジで打ったら,3球中2球入った。5番ウッドで打ったら,3球連続で入った」。

「ファクソンはこう言うんだ。『あることを君に証明したかったんだ。今のパッティングはとても技術的だし機械的だ。正しい長さのパターで,正しいライ角で,正しいロフト角にしろと。そいつ〔5番ウッド〕は19度だし,10インチも長いけど,でも3つ続けて入ったでしょ。そこに君は戻らなくちゃいけないんだよ。本能的であるべきなんだ』」。マキロイは言う。「それが大きな転換期になったね。そのセッションが月曜の午後にあって,それから Bay Hill に行って,その週のパッティングはキャリア史上最高だった」。

この Arnold Palmer Invitational での勝利でマキロイのランキングは7位に跳ね上がり,2018年は8位で終えた。2019年には4勝したが,そこには The Players や Tour Championship というビッグタイトルも含まれる。同時に,ライバルのツアープレーヤーの投票で決まる PGA Tour Player of the Year に選ばれ,ランキングも2位で終える。そして直近では,Torrey Pines で3位タイの成績を残して,来週月曜日には1位の座に返り咲くことが決まっている。

マキロイが高いレベルのでプレーを維持しているのには,もちろん多くの要素があるけれど,改善したパッティングはその中のひとつに含まれる。2016-17シーズンのPGAツアーで,マキロイの「strokes gained/putting」は159位だった。ファクソンと取り組んだ最初のシーズン,97位で終わった。最優秀選手となった昨シーズン,これが24位にまで上がった。

ファクソンの助けを借りて,マキロイは久々の勝利を手にして世界ランキング1位の座に返り咲く。この勢いが続くならば,5年以上も離れているメジャータイトルに手が届くのも,そう遠いことではないだろう。