Linkslover

旧:GOLF103。道具とかスイング理論とかコース設計とか海外ツアーとか,ゴルフのいろんな側面に興味があるんですが,結局は「自分のスコアがどうしたら縮まるのか」という観点から眺めています。イギリス在住中の2年間に名コースを巡ったのは遠い思い出(世界TOP100コースのうち20以上でラウンドしました)。

ツアー選手権2019プレビュー|15th Club

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ツアー選手権,始まりましたね。新しいフォーマット(BMW選手権終了時点のFedExカップポイント1位が10アンダーからスタート)については賛否両論あるでしょうが,僕は基本的に好意的です。ただし,「プレーオフでもレギュラーシーズンと同じポイントにする」「ツアー選手権開始前までのポイントに比例したハンデ差にする」という2点が満たされれば,もっとフェアだと思いますが。

さて,分析屋の「15th Club」も,このフォーマットについて言及しています。

The uphill climb: starting a golf tournament 10 shots back - 15th Club

拙訳

今シーズンのPGAツアーではすでに45大会が開催され,そのうちの43大会が72ホールでのストロークプレーで行なわれた。

今週のアトランタは,近年ではもっとも珍しい設定を持った大会のひとつとなるだろう。2位に2打差でスタートするジャスティン・トーマスは,このチャンスをものにできるだろうか? マーク・リーシュマンやトミー・フリートウッドのように,スタート時点でトップに9打差がついているプレーヤーは,すべてのピンを狙っていくだろうか? 順位によって大きくことなる賞金,たとえば6位の$1.9M9位の$950Kとでは,ショットの選択に影響を与えるだろうか?

以前は,FedExカップポイントが20位以内でツアー選手権に入ってくるプレーヤーには,10ミリオンドルのボーナスのチャンスはほとんどなかった。例えば去年,ゲーリー・ウッドランドは28位でアトランタにやってきた。彼がFedExカップを手にするには,以下のようなシナリオが起こる必要があった:

  • ツアー選手権で優勝
  • デシャンボー(第1シード)が26位タイ以下で終了
  • ローズ(第2シード)が8位タイ以下
  • フィナウ(第3シード)が3位タイ以下
  • DJ(第4シード)が3位タイ以下
  • JT(第5シード)が2位タイ以下
  • ブラッドリー(第6シード)とケプカ(第7シード)も2位タイ以下

今年のから始まる新フォーマットは普通ではないが,ファンにとってはとても理解しやすいし,TV中継の解説や実況も状況を説明しやすいだろう。しかし,プレーヤーにとってはこのフォーマットは良くなったのか,悪くなったのか。

以下は,もちろん完璧な比較にはならないが,過去10年のPGAツアーのすべての優勝者をとって,第1ラウンド終了後の順位を検証してみた。2010年以降のレギュラーツアーのストロークプレー432大会で,18ホールを終えた時点で首位に10打差以上をつけられた位置から優勝したのは,2人しかいない。0.5%未満。9打差以上からは6人。8打差以上からは15人(3.5%に満たない)だけが,残り3日間で逆転勝利を遂げた。

具体的には,以下の通りになる:

  • 10打差:0.5%
  • 9打差:1.4%
  • 8打差:3.5%
  • 7打差:7.9%
  • 6打差:15.3%
  • 5打差:25.0%
  • 4打差:40.0%

今シーズンのPGAツアーでは,各ラウンド終了後に9打差以上をつけられたプレーヤーが優勝したケースはない。もっとも大きかったのは,3M Open で優勝したマシュー・ウルフ。2日目を終えて首位に8打差,というものだった。

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もちろん,8とか9打差の位置から逆転で優勝するのは不可能ではないが,非常にレアなことだというのが分かるだろう。しかし,「season-long event」がシーズン通じての成績とプレーオフでのパフォーマンスとのコンビネーションのことを意味するのなら,これは正しいアプローチだと言えるだろう。

賞金にまつわるあれこれ
  • 今週のツアー選手権の優勝者は$15Mの賞金を手にする。これは以前のPGAツアーの通算賞金獲得額トップのグレッグ・ノーマンが手にした$14.4Mを上回る。1982年まで,PGAツアーのシーズン全体の賞金総額は$15Mを超えなかった。
  • 1996年,タイガー・ウッズがプロ転向した年,PGAツアーの賞金総額は$65.9M。今週,FedExカップのボーナス賞金だけで総額が$70Mになる。
  • 過去のシーズンで通常の大会の賞金とFedExカップボーナスの合計で$20Mを超えたのは2人しかいない。2015年のジョーダン・スピースと,2007・2009年のタイガー・ウッズ。今週は8人のプレーヤーに,そのチャンスがある。
  • 31年前,カーティス・ストレンジがPGAツアー史上初めて,1シーズンの獲得賞金総額が$1Mを超えた。今週,8位の賞金は$1.1M。そして今シーズンは112のプレーヤーが$1M以上を稼いだ。
今週注目のプレーヤー

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  • トップでスタートするジャスティン・トーマス。過去3年,JT以上にツアー選手権でバーディー/イーグルをとったプレーヤーはいない(52)。
  • ジョン・ラーム(6打差スタート)。直近出場した7大会ですべて11位以内の成績。全ラウンドの70%で60台のスコアを出している。ツアー選手権には3回目の出場で,過去は7位タイと11位タイ。

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  • パトリック・カントレーは先週のBMW選手権でシーズンのスコアリングタイトルのトップにたった。マキロイの69.20を下回る69.14。マキロイは自身3度目の Vardon Trophy(平均スコア1位のプレーヤーに贈られる)を目指し,カントレーは実は衝撃的だった今シーズンを最初のFedExカップタイトル獲得で締めくくることを目指す。
  • マキロイといえば,今シーズンの1ラウンドあたり平均 strokes gained tee-to-green は2.08。2012年の自身が打ち立てた記録「2.35」以来の最高の数字である。それとともに,今シーズンはグリーン上でのパフォーマンスも自身最高の25位。GIRあたりのパット数も4位。わずか2シーズン前,マキロイの同スタックはそれぞれ159位と85位だった。
  • タイガー・ウッズは今週タイトルをディフェンドすることはできないが,この記録に触れないわけにはいかない。2007年,タイガーは East Lake で23アンダーとなる257打。これはツアー選手権史上最高のスコア。2位に6打差をつけている。